妊娠すると、ホルモンバランスの崩れや体の変化、ストレスや不安から、便秘や下痢などの排便異常が起こりやすくなります。

 

便秘をすると、いきんだ時に流産してしまったらどうしよう。下痢をすると、一緒に赤ちゃんが流れてしまったらどうしよう。など、不安になり怖くなってしまいますね。

 

そこで今回は、便秘や下痢が起きた時に、流産の心配はあるのかどうかと言うことについて、調べてみました。

 

 

 

妊婦の不安材料!流産の種類や確率について!

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妊娠初期は、常に頭の片隅に「心配事」として付いて回るのが「流産」です。妊娠がわかり、大喜びした直後のタイミングで起こることが多く、そのショックは大変大きいものです。

 

流産とは22週以内に妊娠が終わってしまう状態のことを言いますが、その中でも早期流産と言われる、12週までの流産が98%を占めます。 

 

12週と言うと、最後の生理からほぼ3か月以内ということですね。流産の確率は意外と高く、それは妊婦の年齢も大きく関係しています。

 

  • 20代 - 10%
  • 30代 - 25%
  • 40代 - 40%

 

このような統計結果が出ており、妊婦の年齢が40代になると、その確率は半分に近い40%にまで上がってしまいます。

 

流産の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。一番の原因として考えられるのは、「染色体異常」で、流産の原因の70%に及びます。その他には、黄体ホルモンが十分に分泌されない「ホルモン分泌異常」や、妊娠を継続出来ない状態の「不育症」「習慣流産」などがあります。

 

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この流産の原因は、妊婦の年齢が高くなるにつれて増します。流産と言う状態は、いくつかの状態に分けて、呼び名が変わります。

 

  • 切迫流産→流産の可能性が高くなっている状態で、妊婦は絶対安静が必要。
  • 稽留流産→受精卵や胎児が子宮内で死亡している状態。
  • 進行流産→流産が始まってしまった状態。
  • 不全流産→子宮内容物の一部が子宮内に残っている状態。
  • 完全流産→子宮内容物がすべて出てしまった状態で、大量の出血がみられる。

 

勘違いしやすい流産の原因とは?

妊婦さんの中には、通常の生活が送れなくなるほど、流産が怖くなってしまう人がいます。ここで勘違いや思い違いをしやすいのが、「冷え」や「疲れ」、「ストレス」などでは、流産する心配はほとんど無いと言うことです。

 

極度の状態だと、ホルモンの分泌異常などが起こり、流産の可能性も無いわけではありませんが、通常の生活をしている上での心配は必要ありません。

 

また、「冷え」「疲れ」「ストレス」などが影響するとしたら、それはそのような状態が日常的に繰り返されることで、妊娠しにくい体になってしまうと言う、妊娠する前に心配される要因だと言えます。

 

妊娠時の便秘や下痢は流産を起こす原因になる?

妊娠初期の時点で、便秘や下痢を起こした時に、流産してしまうことはあるのでしょうか。 その答えは、「ほとんど無い」と言うことです。ただしゼロではありません。

 

では、どのような便秘や下痢だと流産してしまうのでしょう。

 

  • 便秘→便秘でいきんだ事が、流産の直接の原因となることは、まず無いと考えて良いです。排便時に、お腹を押し込んだり、激しい腹痛が伴う場合などは、注意した方が良いかもしれません。また、一番良くないのは、市販の下剤成分を含んだ便秘薬を飲んで排便することです。無理に、腸のぜんどう運動を起こして、排便を促すと、子宮に影響が出る可能性があるのです。

 

  • 下痢 →便秘に比べると、下痢は流産の確率は高くなりますが、これも通常の単発的な下痢などでは流産することは、まずありません。流産の心配のある下痢は、「下剤を使用した」「ウィルス感染」「腸炎」「食中毒」などの、明らかに異常な状態の下痢です。激しい腹痛を伴う場合は、注意が必要です。

 

原因が重なることで起きてしまう流産!

「寒い日に出かけてしまった」「仕事がハードで疲れていた」「便秘で強くいきんでしまった」「下痢をしてしまった」などの流産の原因を良く耳にしますが、これらは、そのほとんどが、直接的な原因ではありません。

 

冷えが原因の流産で考えられるのは、雪の中に何時間も立っていたり、冷蔵庫に入っていたなら問題ですが、日常生活の範囲内なら直接の原因ではないでしょう。

 

この場合、慢性的に体が冷えていて、ホルモン分泌異常が起きているか、受精卵の染色体異常、母体が妊娠に対して未熟だったことなどが考えられます。

 

これらが併発することで、意識としては、「寒い日に出かけてしまったために、体が冷えて流産してしまった」と感じてしまうのです。

 

「便秘で流産してしまった」「下痢で流産してしまった」などと聞くと心配になりますが、これも上記の原因が併発していることで流産してしまったのです。健康な、強い受精卵なら、便秘でいきんだり、下痢をしたくらいでは、流れてしまうことはないのです。

 

流産は誰にでも起こり得ること!ママの責任ではありません!!

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受精卵の染色体異常がほとんどを占める、流産の原因ですが、これは決して妊婦の責任ではありません。人の卵子や精子には、誰にでも10~20%の染色体異常があります。そのため、全妊婦の15~20%に流産が起きると言う高い数字になるのです。

 

そして、染色体異常の受精卵の70%が妊娠初期に流産してしまいます。「あの時、気を付けていれば」「便秘をしていなければ」と悔やむ妊婦さんが大勢いますが、ママの責任ではありません。その受精卵は育たなかった、と言うことなのです。

 

また、染色体異常の受精卵は、妊娠の超初期に流産してしまうことも多く、子宮内もまだ準備途中の段階で、流れてしまうことがあり、普通に生理が来ただけだと感じて、気がつかない人もたくさんいるのです。

 

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それだけ、染色体異常の受精卵は流産しやすいと言え、この世に誕生してくる染色体異常の赤ちゃんは1%にまで減っています。そのため、染色体異常を持つダウン症の赤ちゃんは、「奇跡の子」「天使の子」と言われるのです。

 

流産に直接影響しなくても、便秘や下痢は治すべき!

便秘でいきんだり、単発的な下痢などでは、流産は起こらないことがおわかりいただけましたでしょうか。だからと言って、そのまま便秘や下痢を放っておいて良いわけではありません。

 

そもそも妊娠すると、女性ホルモンのプロゲステロンが腸のぜんどう運動を鈍くするため、腸が正常に機能せず、便秘や下痢を起こしやすくなるのです。

 

また、妊婦は常に不安と戦っているため、強いストレスにさらされていることも、腸の動きを悪くします。便秘や下痢などは、腸内環境を悪化させ、悪玉菌が増殖し、体内に毒素が溜まります。この毒素は、血管、臓器の機能を妨げるため、体調不良を起こす原因となるのです。

 

妊婦は、「つわり」「頭痛」「貧血」「痔」「腰痛」「むくみ」などになりやすく、毒素が入ると、それらはさらに酷くなってしまうのです。また、腸は自律神経がつかさどっているため、腸内環境が悪化すると、自律神経そのものが正常に機能しなくなり、マタニティ・ブルーと言われる「妊娠うつ」などに進行してしまう可能性があるのです。

 

まとめ

妊娠時の便秘や下痢が直接、流産に影響することは、ほとんどありません。病的な下痢や、下剤によって起きた下痢は、可能性はゼロではありません。流産は多くの妊婦さんが経験し、その確率もかなり高いものです。その原因の多くは、染色体異常の受精卵です。

 

人は誰でも10~20%の染色体異常の卵子や精子をもっているため、この流産は誰にでも起こり得るのです。

 

流産してしまった時は、ショックで自分を責めてしまう妊婦さんがいますが、それは大きな間違いです。誰にでも起こり得る、染色体異常の受精卵の着床ですが、その中でも70%の受精卵が流産してしまうのです。残念ながら、これは運命だと受け止めましょう。

 

便秘でいきんだからでも、お腹を壊して下痢をしたからでもないのです。ただし、便秘や下痢はそのまま放置してよいわけではありません。さまざまな悪影響を及ぼしていきますので、対策、解消はしていかなくてはなりません。