妊娠すると9割の女性が、便秘を起こすと言われています。これは、妊娠によって体が変化を起こすためで、妊婦さんなら誰にでも起こり得ることなのです。

 

そこで、今回は、妊婦さんの便秘解消法、お尻をほじってしまいたいほど辛い時に効果のある方法など、即効性のあるものもご紹介します。

 

 

 

妊婦はなぜ便秘になるの?便秘を引き起こす6つの理由とは!

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  • 女性ホルモンの変化

妊娠初期、卵が子宮内に着床すると、体はすぐに出産に向けて、変化し始めます。女性ホルモンは黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)がそれぞれバランスをとりながら仕事をしています。大きく分けると、プロゲステロンは女性特有の機能、エストロゲンは女性らしさを高める仕事にわけることができます。

 

そのため妊娠すると、女性特有の機能を持つプロゲステロンが、出産にむけて一気に活躍をし始めます。

 

着床した卵が落ちないように、子宮内をふかふかのベッド状態にして包み込み、子宮の収縮を抑えます。とにかく、着床したばかりの卵を守ることに全力を尽くすため、子宮に影響を起こすと考えられる、周りの臓器の動きや機能を鈍くしてしまうのです。

 

それにともなって、腸にも起こるのが、ぜんどう運動の抑制です。さらには、羊水などに必要な水分を体内に溜めるため、腸の水分吸収力を上げます。その結果、動かなくなった腸と、水分がなくなった便により、便秘が起こってしまうのです。

 

  • いきむ不安

妊娠初期などは、強くいきむことで流産してしまったらどうしよう・・・ととても不安で、排泄できなくなってしまう妊婦さんが多いのです。便意を我慢し、排泄を先延ばしにすることで、徐々に便意が喪失し、便秘になってしまいます。排便のためにいきむことで、胎児への影響が出ることは、まずありません。

 

ただし、繰り返し強くいきんだり、お腹を抱えるほど腹痛を伴う排便などでは、血圧が急上昇してしまったり、子宮が収縮してしまうなどの影響も無いわけではありません。

 

そうならないためにも、妊娠したら、すぐに便秘対策をしていく必要があるのです。担当医に相談し、まずは薬で排便してしまいましょう。同時に、便秘にならないように生活を改善していきます。

 

  • つわりによる偏食や小食 

つわりの強弱は、個々に差が激しいため、予想がつくものではありません。着床と同時に、感じ始める人もいれば、8週目辺りから始まると言う人もいるし、最後までまったく感じないという人もいます。そして、不思議なことに、同じ人が2人目、3人目と妊娠しても、そのたびに体調はまったく異なり、同じ妊娠はないのです。

 

味覚や臭覚に変化が起こり、今まで好きだったものが美味しく感じなかったり、食べられなくなったりします。ひどいつわりだと、水の匂いまで気になるような人もいて、何も口に出来ない状態になることがあります。

 

また、「ポテトフライしか食べられない」「きゅうりの漬物しか食べたくない」など、かなり偏った食べ物しか口に出来ない妊婦さんもたくさんいます。

 

同じものしか食べられないような偏食が続くと、腸内環境が悪化し、便秘になりやすくなります。また、食べる量が極端に減ってしまうと、消化物の量が少ないため、便が小さく、さらに水分も吸収されてしまうため、カチカチ、コロコロの便となり、便意を感じないまま溜まってしまいます。

 

  • ストレス 

妊娠したことがわかると、妊婦さんは不安との闘いが始まります。特に初めての妊娠・出産の場合は何もかもが不安で、毎日ストレスにさらされてしまいます。 腸は自律神経が支配しているため、ストレスによって正常に機能しなくなってしまうのです。

 

すでに、プロゲステロンの活躍により、女性ホルモンがバランスを崩していることもあり、自律神経はストレスの影響を受けやすくなっています。

 

マタニティ・ブルーと言われる状態は、ストレスによって自律神経が正常に機能していない状態です。妊娠うつ、産後うつなどが起こりやすいことから、妊婦さんのストレスは大変大きいことがうかがえます。

 

うつ症状を訴える人は、便秘を伴っている人が多く、ストレスは自律神経が支配する「脳」と「腸」に強く影響することがわかっています。

 

  • 運動不足 

妊娠すると、体を動かすことで流産への不安が起こり、怖くなってしまい、買い物にも行けなくなってしまう妊婦さんがいます。また、つわりなどで体調が悪くなり、寝込む妊婦さんなど、妊娠をきっかけに一気に運動不足になることがあります。

 

もともと日常的に運動をしていなかった人などは、トイレとお風呂以外は動かないような生活になってしまうことがあるのです。

 

そうなると、当然筋力が衰え、便秘が起こります。プロゲステロンの作用で、妊娠すると腸のぜんどう運動が鈍くなっているのに、その上筋力が弱ってしまっては、腸の中の便を移動させる力が不足してしまうのです。

 

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また、いきむ力も不足し、排便しにくくなってしまいます。これは、高齢者の便秘と同じ原理です。

 

  • 子宮による腸の圧迫 

赤ちゃんが大きくなることで子宮が膨らみ、腸を圧迫することで、ぜんどう運動がさらに鈍くなり、便秘になってしまいます。

 

妊婦の便秘を解消する方法とは?即効性のあるものはどれ?

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通常の状態と、妊婦さんとでは便秘の解消法は違いがあるのでしょうか。

 

  • 便秘薬 

産婦人科に通い始めると、便秘薬を処方してもらえます。その薬はお腹の赤ちゃんへの影響が少ない薬で「下痢」を起こさないものです。通常時には、センナなどの下剤成分の多いものを服用している人もいるかと思いますが、妊娠するとそれらは服用してはいけません。

 

下剤成分の多い薬は、ぜんどう運動を激しくすることで、便を移動させるため、すぐ近くにある子宮への影響が大きいのです。妊娠初期に激しいぜんどう運動が起こると着床したばかりの卵が剥がれてしまう可能性があるのです。

 

その危険性を考えて、プロゲステロンはぜんどう運動を鈍くしているのに、あえて薬で激しく起こしてしまってはいけません。妊婦さんに良いとされる便秘薬は、マグネシウム系の薬で、ぜんどう運動を促進するのではなく、便を柔らかくして排便を促すものです。

 

マグネシウム系以外では、ラキソベロンも良く処方される薬ですが、これは、ゆっくりとぜんどう運動を起こす薬で、下痢の心配のないものです。通常の便秘なら、腹痛も起こらずに、飲んでから数時間後、または翌日にはサッパリすることができます。

 

病院で処方された薬で効果が無い場合でも、市販の薬を飲むのはやめましょう。担当の医師に相談して、違う薬を処方してもらうのが安心です。

 

  • マッサージ 

便秘に良く効くマッサージに「の」の字マッサージがあります。これは、お腹に「の」の字を描くように丸くマッサージをして、腸に溜まっている便の排出を促すものですが、通常時と妊娠時では腸の場所が変わってしまうため、同じことをしても効果はありません。

 

お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれて、子宮が膨らみ、腸は背中の方へと押しやられていきます。お腹をマッサージしても、赤ちゃんのいる子宮の上をクルクルなぞるだけになってしまうので、意味がありませんし、赤ちゃんへの影響があってはいけません。

 

便が溜まりやすいのは、肛門近くの直腸、すぐ上のS字結腸なので、妊娠時はその背中側である、おしりのすぐ上付近を温めながらマッサージすることが効果的です。お腹が大きくなってくると、自然に腰に手がいくようになります。

 

何をするにも、「よっこらしょ」と支えながら動くようになりますね。そのため、日頃から、腰の左側からおしりの中央に向かって、さするようにマッサージをするクセをつけてしまいましょう。

 

自分でやる背中側のマッサージには限界があるので、夜寝る前には、ご主人にマッサージしてもらう習慣がつけられると効果が上がります。これは、即効性と言うより、常に便の移動を促すと言う事なので、「便秘予防」と考えて毎日続けましょう。

 

また、便意があるのに出ないような時は、肛門付近をマッサージすると良いです。肛門が開いているのに便が出てこなくて大変つらい場合があります。

 

そんな時は、肛門に白色ワセリンを塗り、便の滑りを良くすると効果的です。白色ワセリンを塗ったら、体を横にし、捨てても良いタオルなどで肛門を抑えて揉むようにマッサージします。

 

  • ツボ押し 

便秘のツボは、お腹を直接押し込むようなものがいくつかありますが、妊婦さんはやめましょう。お腹を部分的に押し込むことは、お腹の赤ちゃんに当たることもあり、危険です。そのため、「合谷」や「神門」などの手のツボだけを押すようにしましょう。手のツボだけでも、即効性の効果があります。

 

  • 水分摂取

妊婦さんは、プロゲステロンの影響で、腸が水分を吸収しやすくなっているため、便がカチカチ、コロコロになりやすくなっています。そのため、水分は多めに摂取しなくてはなりません。水分をとることは、ウィルス感染予防、風邪予防などの免疫力向上の効果もあります。

 

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摂取する水分は、体を冷やさない「暖かい飲み物」、「常温の飲み物」にしましょう。1日に1杯くらいのジュースくらいは良いですが、カロリーの面から考えても、主に飲むものは、白湯かホット麦茶が一番良いです。冷たい牛乳を一気に飲むことなどで、下痢を起こしてしまうのは危険ですので、絶対にしてはいけません。

 

まとめ

妊娠すると、女性ホルモンのプロゲステロンの作用により、体に変化が現れます。プロゲステロンはお腹の赤ちゃんを守るために、腸のぜんどう運動を鈍くしてしまうので、基本的に妊婦さんは便秘になりやすいのです。 そこへ、「つわり」「ストレス」などが合わさることで、さらに便秘傾向になります。

 

妊娠時は、ひどい便秘にならないように「便秘薬」を使って、強制的に排便させてしまいますが、やはり通常時と同様、毎回薬に頼っていると、徐々に効かなくなってしまいますので、日常生活の中で、気を付けていかなくてはなりません。

 

マッサージや手のツボなどは、お腹をさわらなければ害はなく、いつでもできるので毎日刺激しましょう。水分をたっぷり摂り、便がカチカチ、コロコロにならないように気を付けましょう。 

 

偏った物ばかり食べて、ゴロゴロしていては、筋力が落ちてしまい、便秘になりやすいばかりか、難産を引き起こしてしまいますので、体調の良い時は、疲れない程度に散歩にでかけるなど、体を動かしてみましょう。気分もリフレッシュし、ストレス解消になりますよ。