お腹の痛みは突然やってきます。夜中に腹痛が起きたときに薬がないと不安になりますね。
腹痛の薬はコンビニに売っているのでしょうか。また、慌てないために持っていたい市販薬にはどんなものがあるのでしょうか?
今回は、コンビニで買える腹痛に効く薬と、ドラッグストアで買える市販薬について調べてみました。
腹痛の薬はコンビニで買える?
2009年の薬事法改正によって、第2類、第3類の薬の販売が可能になったコンビニですが、まだその件数は少ないようで、あまり見かけませんね。また、販売には「登録販売者」の資格が必要なのですが、ドラッグ販売店舗の普及前に、今度は受験資格の変更がありました。
2015年の受験から適用されています。
学歴 | 実務経験 | 取得後実務経験 | |
改正前 | 高卒以上 | 80h/月 1年間 | × |
改正後 | × | × | 2年間 |
これは、誰でも資格が取れるようになりましたが、取得後の修行が必要だと言うことですね。ドラッグストアに2年間務めた後に、コンビニで「登録販売者」として働いてくださる人がいれば、薬が置いてあるコンビニがどんどん増えていく仕組みのようです。早く増えてくれると良いですが。
「薬剤師」「登録販売者」がいるコンビニにあるのは、ビオフェルミン、ラッパ整腸薬BFなどの第3類「整腸剤」です。整腸剤は胃腸炎など、特効薬がない時にも、腸を整えてくれるので手元にあると安心だし、助かりますね。
整腸剤なので、急な下痢を止めたいなど、即効性を求める時には適していませんが、朝まで持ちこたえなくてはならない時などは、飲んだ方が良いです。整腸剤を何度か飲んでいると、腸の状態が落ち着いてきます。また、ガス溜まりや膨満感が苦しいときなどにも効果があります。
「下痢止め」や「便秘薬」のように、ポイントを絞って効果が出ることはありませんが、腸が正常に動けば、症状は治まってきます。
ドラッグストアで買える腹痛に効く市販薬は?
腹痛が起きる原因はたくさんあります。一般的に急な腹痛に対する薬は「下痢止め」が多いですね。下痢は、今すぐに止めない事には、生活できない場合があるので、市販薬に頼ることが多いです。腹痛には、腸の過剰な運動を抑制する作用がある薬が効果的なようです。
下痢止め(止瀉薬)
病院で処方される下痢止めに、「ロペミン」があります。過敏性腸症候群など、慢性下痢症の方にはお馴染みの薬です。この「ロペミン」は、市販はされていませんが、「塩酸ロペラミド」と言う成分が入っている薬を探すと、同じ効果が期待できます。
「塩酸ロペラミド」は、市販薬の中で、最も早く下痢性の便意を抑えると言われています。多くの人が緊急事態をこれでしのいで助かっています。
・ロペラマックサット 佐藤製薬
塩酸ロペラミド 2錠/日 1mg
【第(2)類医薬品】ロペラマックサット 6T[ロペラマック 下痢止め/水なしで飲めるタイプ] |
・トメダイン コーワフィルム 興和薬品
塩酸ロペラミド 2枚/日 1mg
このフィルムタイプは、持ち運びやとっさの使用時に大変使い勝手の良い薬です。心因性の下痢の場合は、これをポケットに入れてあるだけで安心して電車に乗れ、症状が改善方向に向かうことがあります。
【第(2)類医薬品】トメダインコーワフィルム(6枚入) |
・ビオフェルミン下痢止め ビオフェルミン製薬
【第2類医薬品】武田薬品 ビオフェルミン下痢止め 30錠 |
これらの市販薬を使っても止まらない下痢や腹痛は、原因となる他の病気が隠れているかもしれません。
「この薬効かないな、違うのにしてみよ」などと下痢止めの市販薬を渡り歩くようなことは絶対に止めましょう。多少の効き目の違いはあっても、またすぐに繰り返したり、1回も止まらないようなことは考えられません。
病院で内視鏡検査を受け、腸に問題がないか確認しましょう。隠れた病気を見逃さないように気を付けましょう。
その腹痛!市販薬にたよりすぎないで!
とっさの時に、下痢を止めてくれて大変ありがたい市販薬ですが、毎日お世話になりっぱなしで良い訳がありません。下痢が起きるには原因があります。
過敏性腸症候群の場合は、投薬治療と生活の見直しによって腸内環境を改善し、かなり良くなるので病院で診察や検査を受け、治療していきましょう。
また、腹痛もそれにともなった下痢も、「薬で止まれば良し!」と思っていると、取り返しのつかない状態になることがあるのです。下痢や腹痛が続く時は、腸内環境が大変悪い状態です。
腸内環境が悪いと言うことは、「悪玉菌の巣窟」と言わざるを得ません。悪玉菌から発生した有毒ガスは、血流に乗って、全身を汚染しながら循環するのです。
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一時的に下痢を止めただけでは、このガスに対処したことにはなりません。このガスによる悪影響は、静かに進行し徐々に現れます。そもそも腸の環境が悪いと、免疫力が低下します。
長い間、慢性的に下痢が起きているような場合は、最低レベルの免疫力しか残っていないでしょう。そうなると、細菌やウイルスに感染しやすくなり、さらにひどい胃腸炎の下痢を起こすことになります。
免疫力が下がると、体温も下がります。平熱35.5度以下になると、ガン細胞が繁殖しやすい体温となります。あれた大腸の粘膜には悪玉菌がガン細胞を作り出す可能性があるのです。
下痢が慢性化してしまうと、激しい血便や下血が起きるまで病気に気が付かなかったと言う事が多く聞かれます。大変怖い事です。
まとめ
いざという時に、すぐ買いに行けてどこにでもあるコンビニに薬が置いてあると安心ですね。2009年の薬事法改正から7年経ちますが、薬を置いてある店舗はあまり増えたように思えません。そのかわり、24時まで開店しているドラッグストアが増えているので、有難いことです。
突発的に下痢が起こった時は、市販薬に頼るしかない場合があります。電車内やトイレが見当たらない街中などでは、どうにもならないこともありますね。冷や汗ものです。
ただし、いつまでも市販薬に頼っていては良くありません。下痢は薬で止めるものだと思い込んでいる方も大勢いますが、慢性的にひどい下痢を起こす事は、腸にとって大変怖い病気のもとになる可能性があるのです。
根本的な改善を考えなければいけません。善玉菌を増やし、腸内環境を整えると、下痢の回数も減ってくるのです。
過敏性腸症候群だと思い込んでいると、隠れた病気を見逃してしまう危険がありますので要注意です。