腹痛が起きた時、とにかくこの痛みを抑えたい!と言うすがる思いから「ロキソニン」を飲むと言う人がいますが、このチョイスは危険も潜んでいるので要注意です。

 

腹痛などの消化器官に起きる痛みは、「粘膜異常」や「消化不良」など原因のあるものが多いため、ただ痛みを止めるだけでは改善されないのです。また、下痢がら来る腹痛は、痛みを抑えても下痢は止まりません。

 

ただしロキソニンは、生理痛の下腹部痛には有効なのです。

 

そこで今回は腹痛で選ぶ薬や、腹痛時にロキソニンは効果があるのか?その副作用や、生理痛に有効なわけなどについて、調べてみました。

 

 

 

腹痛時にロキソニンは効果ある?

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「ロキソニン」は、「ロキソニン信者」と言われる人がいるほど信頼が厚く、それだけ助けられた人の多さがうかがえます。そのため、何でもかんでも「ロキソニン!」と考える傾向があるのです。

 

ロキソニンは「痛ければとにかく飲む薬」ではありません。とくに消化器系の痛みがある時は、出来れば飲まない方が良い薬です。ロキソニンの副作用には、消化器系に異常が起こる可能性について、しっかり記載されています。

 

今起きている腹痛が、「潰瘍、粘膜異常、炎症」などの場合、信じている「ロキソニン」によって、悪化させてしまう可能性があるのです。風邪で病院に行った時、頭痛や発熱があるとロキソニンがよく処方されますね。

 

その時、「ムコスタ」や「セルベックス」が同時に処方されませんか?「ムコスタ」や「セルベックス」は、消化器粘膜を守る薬なので、ロキソニンとセットで飲むと副作用の心配が軽減されるのです。

 

「ロキソニン」愛用者の中には、「胃痛」「胃荒れ」を起こしている人が多く、そのほとんどの人が胃薬を併用しています。「頭痛持ち」と言われる慢性頭痛に苦しむ人や、生理痛に苦しむ人たちにとったら、胃荒れを胃薬でカバーしながらでも、ロキソニンで痛みを止めたいと考えてしまうようです。

 

また、腹痛などの消化器系の痛みは、その原因が治まらなくては、良くなりません。それには、過剰な腸の運動を鎮めたり、けいれんを止める、また過剰な酸の分泌を抑制するなど、直接的な作用がある薬でなくては治らないのです。

 

ロキソニンは、多くの人を苦しみから救う薬ですが、「何でもかんでもロキソニン!」と言う考えは変えなくてはなりません。良く効く薬は、依存性が高くなり、本当に必要で無い時でも、服用することで安心感を得てしまうようになります。

 

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薬の依存は人生を変えてしまいます。同じ薬を長期にわたって使用することは止めましょうね。

 

ロキソニン!生理による下腹部痛には効き目があるのはどうして?

ロキソニンは、粘膜異常や、下痢からくる腹痛には効果がないのに、生理痛の腹痛には効果的なのはどうしてでしょう。

 

これは、痛みを起こしている原因がまったく違うためです。生理痛の腹痛の多くは、子宮平滑筋が収縮して起こる痛みです。この収縮は、胎盤が剥がれ、経血となったものを排出するために起きるのですが、この伸縮を起こしているのが「プロスタグランジン」と言う物質です。

 

この「プロスタグランジン」は、炎症部位があると放出される物質で、子宮内で胎盤が不必要になって内膜から剥がれると放出され、生理の準備が始まります。生理痛がひどい人は、この「プロスタグランジン」が大量に放出されてしまうことで、強い収縮が起こり激しい下腹部痛が起こっていることが多いのです。

 

プロスタグランジンを作り出すには、「シクロオキシグナーゼ(COX)」と言う酵素が必要なのですが、ロキソニンの主成分である「ロキソプロフェン」は、この「シクロオキシグナーゼ」の合成を阻止することで、プロスタグランジンの生成を抑えることができるのです。

 

ロキソニンが副作用で胃痛を起こしてしまうわけとは?

胃痛、腹痛でロキソニンを服用すると、悪化することがあります。副作用として、きちんと記載されてします。

 

この副作用は、ロキソニン成分に強い刺激があると言うことではありません。どの薬にも副作用はありますが、体の中で作られる物質には、本来無駄なものはありません。偏って作られたり、作られなかったりすると、体に悪い影響が出てきてしまうのです。

 

薬は、その異常をもとに戻すためにあるのですが、「異常に分泌されている物を止める」と言う作用があると、反対に「それを必要としている部分になくなる」と言う問題がでてきますね。これは、薬を飲む以上、避けられない問題です。

 

ロキソニンによって生成を抑えられた「プロスタグランジン」は、胃粘膜を保護すると言う仕事もになっているのです。そのため、「プロスタグランジン」が生成されなくなると、胃のバリア機能がなくなってしまうのです。

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胃痛や腹痛でロキソニンを飲んでしまうと、傷んだ粘膜を守っていたバリアを取っ払うことになってしまい、胃炎や胃潰瘍など消化器官を痛めることになるのです。

 

ロキソニンは「プロドラッグ」と言う性質を持つ薬で、飲んだ時は胃で効力は発揮せず、腸から吸収されて血液中に入り、化合物へと変化し、鎮痛効果が出ます。そのため、胃を直接攻撃することは無いのですが、血液とともに体を一回りして、バリアの無くなった胃に影響が出る可能性があるのです。

 

腹痛には「塩酸ロペラミド」や「抗コリン」の薬が効果的!

腹痛を抑えたい時は、単に痛みを抑えるだけではなく、その症状にあった薬を選ばなくてはなりません。

 

下痢症状がある時には、ウイルスや細菌を排出するために、体が起こしている可能性もあるので、やみくもに薬で抑えようとしてはいけません。発熱や嘔吐がある場合は、とくに感染性胃腸炎の可能性が強いため、無理に下痢を止めると、病状が長引く結果となります。

 

冷たいものを食べたり、食べ過ぎ、飲み過ぎ、または心因性の下痢などが、外出先などで起こり、とっさに止めたい時は、「塩酸ロペラミド」配合の止瀉薬が効果的です。「塩酸ロペラミド」には、過剰な腸の運動を抑制する作用があり、強力な下痢止め効果があるのです。

 

例えばコチラのお薬。

また、腸は副交感神経が支配していているのですが、この副交感神経が異常に興奮すると、腸の運動が激しくなったり、痙攣が起きたりして、腹痛を起こします。この時、副交感神経を興奮させるのが、「アセチルコリン」と言う神経伝達物質です。

 

「抗コリン」を成分に持つ薬は、アセチルコリンを抑制し、副交感神経を鎮め、腹痛を軽減させるのです。「ロートエキス」「ブチルスコポラミン」などは、胃腸薬で代表的な「抗コリン」の成分です。

 

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ただし、薬には「禁忌」な条件や病気があります。説明書を良く確認してから服用しなくてはなりません。

 

まとめ

腹痛などの消化器系の痛みを抑えるために、ロキソニンを服用しても、効果はありません。副作用の表示にあるように、症状を悪化させる可能性があるので止めましょう。腹痛がある時は、その症状に合った薬を選ぶようにしましょう。

 

ロキソニンは、生理痛からくる下腹部痛には有効です。痛みを起こす「プロスタグランジン」の生成を抑制することで、過剰な平滑筋の収縮を抑えます。その際、プロスタグランジンが減少することで、胃のバリア機能が下がり、副作用として胃に障害が起こることがあるのです。

 

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腹痛には、それぞれ症状に合った成分があります。急な下痢を止めたい時には、「塩酸ロペラミド」が効果的です。また、副交感神経に作用し、過剰な腸の動きを抑制するには、「抗コリン薬」が有効です。

 

薬は、痛みから救ってくれる有難いものですが、1次的に治まれば良い痛みと、改善が必要な痛みがあることを忘れてはいけません。市販薬に依存せず、きちんと治療することが大切です。