吐き気や下痢が起きて、病院に行くと「感染性の胃腸炎ですね」とか、「ウイルス性の急性胃腸炎ですね」と言われたことがありませんか?

 

「感染性胃腸炎?」「ウイルス性胃腸炎?」「ノロウイルス?」「急性胃腸炎?」呼び方がたくさんあって、自分がどの胃腸炎なのかわからなくなります。

 

さらには、「お腹の風邪ですね」などと言われることもあり、結局良くわからないまま帰ってきて、ただただ苦しむ、なんて事もあります。

 

今回は、感染性胃腸炎とはどんなものか、ノロウイルスとの違いは何かについて、調べてみました。

 

 

 

感染性胃腸炎とはどんな病気のことなのでしょうか?

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感染性胃腸炎とは、細菌や、ウイルスが、口から入り込み、胃腸に感染する病気の総称です。他の人にうつるから「感染性」でしょ?と言うのではなく、異物が体内に入り込んで「感染」を起こすものを感染性、感染症と言うのです。人から人へうつることは、「伝染病」と言って、イボや、とびひ、も含みます。

 

盲腸と言われる虫垂炎は、細菌が入り込んで感染を起こすものなので、「感染症」ですが、一般的には、「感染症」イメージは無いですね。どうも、人から人へうつる病気のことを、「感染症」「感染性」と呼ぶのだと思い込んでいます。

 

ただ、最近は、「法定伝染病」以外の、人にうつるすべての病気を、感染症と言っている傾向があるのは確かです。

 

感染性胃腸炎は、人に伝染するよ! と言うのが正しい使い方と言えます。また、感染者の便から排出される菌やウイルスが口に入ると、「その菌やウイルスがあなたの胃腸に感染するよ」と言うことです。さて、ではそのとき、胃腸に感染したものは何だったのでしょうか。

 

  • サルモネラ菌
  • カンピロバクター
  • 腸炎ビブリオ
  • 腸管出血性大腸菌

 

などの「細菌」が感染した場合を、「細菌性胃腸炎」と言います。

 

  • ノロウイルス
  • ロタウイルス
  • 腸管アデノウイルス

 

などの「ウイルス」が感染した場合を、「ウイルス性胃腸炎」と言います。ノロウイルスは、「ウイルス性胃腸炎」の原因ウイルスのひとつであると言うことですね。

 

ただし、ロタウイルスやアデノウイルスは乳幼児が感染することが多いため、テレビのニュースや、世間一般的に「ウイルス性胃腸炎」と言ったら、「ノロウイルス」を指すと考えて良いのです。

 

感染性胃腸炎の二次感染を防ぐための消毒!市販の物は効く?消毒液の作り方とは?

 

そして、これらの胃腸炎は、突然の吐き気や発熱、激しい腹痛や下痢など、酷い状態で発症することが多いですね、そのような場合に「急性」とつけるのです。

 

細菌性胃腸炎とウイルス性胃腸炎の違いとは?

細菌性胃腸炎とウイルス性胃腸炎は、感染した原因が異なる胃腸炎ですが、感染経路には違いはありません。

 

それは、すべて「経口感染」だと言うことです。感染には、「飛沫感染」「接触感染」などがありますが、胃腸炎の場合、どのような経路であれ、最終的には、口から入って、胃腸に感染するものです。

 

予防法の違い

細菌性と、ウイルス性には、大きく違う点がいくつかありますが、そのひとつに、予防の仕方があります。細菌は、アルコール消毒や石鹸による消毒が効果的なため、体に害のない程度の消毒薬で予防できます。

 

ところが、ウイルスはアルコール消毒が効かないため、手を洗う時に、水流で洗い落すしかないのです。最近は、次亜塩素酸水で手指の消毒ができるものが発売されていますが、まだまだ価格が高く、店舗や病院に「ご自由にどうぞ」と置いてあるところは見かけません。

 

発症時期の違い

もう一つ、大きな違いは、発症時期です。主に、細菌性は夏場に起きる、「食中毒」が多く、ウイルス性は、秋から春の乾燥期に多くなる傾向があります。

 

これは、細菌は、食材についた細菌を直接口に入れてしまうことが多いためで、腸炎ビブリオなどは、夏の海水に現れ、そこで捕られた魚介類を汚染します。

 

感染性胃腸炎の感染経路を詳しく知りたい!唾液感染はする?

 

また、海水浴などで、その汚染された海水を飲むことでも感染します。それに比べ、ウイルス性は、二枚貝からを食べて感染することが大元ですが、直接、貝を食べて感染するより、感染者の便と一緒に排出されたウイルスが、口から入って感染を起こす、二次感染がほとんどです。

 

感染者が素手で食材を触ると、とても小さなウイルスは、食材へと移り、そこで増殖します。乾燥期には、チリやホコリと共に空気中を漂いやすいため、まん延しやすいのです。

 

胃腸炎を起こすウイルスは、目に見えない、30~100nmと言う大きさで、たったの10~100個程度が口に入るだけで、感染してしまうのです。そのため、病院、施設、学校などでは、食べ物の取り扱いには、大変厳しくなっています。

 

治療法の違い

細菌性の胃腸炎の場合、抗生物質で細菌を死滅させることが可能な場合があります。

 

  • 「サルモネラ菌」→ホスホマイシン、アンピシリン
  • 「カンピロバクター」→アジスロマイシン、エリスロマイシン
  • 「腸炎ビブリオ」→ホスホマイシン、アンピシリンなどです。

 

軽度の場合は、抗生物質を投与しなくても、自然回復が望めます。ウイルス性の胃腸炎には、特効薬がないため、症状によっての対処療法となります。嘔吐が激しい場合には、「ナウゼリン」や「プリンペラン」などの吐き気止めが処方されます。

 

また、胃腸炎の場合、下痢を止める薬は、原因ウイルスの排出を遅らせてしまうと考えて、基本的には処方されません。自己免疫力によって、下痢を起こしていると考えられるためです。

 

また、発熱に関しては、ウイルス性胃腸炎に関係なく、「無理に熱を下げない」と言う理論の元に、頓服薬として、カロナールなどが処方されることがあるのみです。

 

ウイルス性胃腸炎は、水分補給をして、脱水症状を起こさないようにすることが、第一の治療と言え、安静に、自然治癒を待つしかありません。

 

また、症状にも、かなり個人差があり、半日ほどで軽快してしまう人もいれば、救急車で運ばれるほどひどくなる人もいます。乳幼児や高齢者は重篤化する危険があるため、十分な注意が必要です。

 

便からの排出の違い

細菌性の場合、サルモネラ菌などは、回復期の排出による再感染を防ぐため検査をしますが、便から排出された菌による二次感染は、多くありません。

 

ところが、ウイルス性胃腸炎は、感染のほとんどが、便から排出されたウイルスによる二次感染です。感染者が回復してからも、便からのウイルスの排出は続き、1週間~数か月にわたる場合があります。

 

体調は回復してしまうので、保菌者であることを忘れてしまいますが、トイレのあとの手洗いについては、一生にわたって、丁寧な洗浄をするクセを付けてしまった方が良いです。

 

保菌者は人への感染ルートとなる危険もありますが、丁寧な手洗いを実践していけば、この先、自分への感染ルートを断ちきることにもなるのです。

 

まとめ

感染性胃腸炎とは、細菌性、ウイルス性など、異物が口から入って、胃腸に感染する胃腸炎の総称です。細菌性とウイルス性では、違う点がいくつかあります。

 

しかし、感染してしまえば、苦しいのは同じです。免疫力が高いと、苦しい時間は少なくて済みます。それには、常日頃から、免疫力を高めるための生活をしなければなりません。

 

  • 体を冷やさない
  • 水分をたくさんとる
  • 良質の睡眠をとる
  • ストレスをためない
  • 腸内環境を整える

 

これらを続けると、免疫力は高くなります。

 

ノロウイルスは、抗体の力が弱く、早ければ3か月、長くて6か月しか持ちません。そのため、毎年発症してしまうと言う人もいるのです。また、昨年からは「新型」と言われるものに変わっていて、多くの人が、抗体を持っていないのです。

 

免疫力を高め、どんなノロウイルスがきても跳ね返せるくらいに強くなりたいですね。