食事のたびに腹痛が起きたり、下痢になってしまう人がいます。この症状を訴える人は意外と多いのです。腸は、消化管の収縮や拡張、痙攣などによって起きる「内臓痛」と腹膜や横隔膜の知覚神経が痛みを起こす「体性痛」に分かれます。

 

「内臓痛」は、腹部全体が痛むことが多く、「体性痛」は、穿通が多く、痛みの部位が特定しやすいと言えます。

 

傷み方はいろいろと違いはありますが、腹痛が起きやすいと言うことは、「下痢」や「便秘」を伴っていることが多く、それは「腸内環境が悪い」と言う事をあらわしています。食後に痛みが起きるとき、悪玉菌優勢の腸内では何が起こっているのでしょうか。

 

そこで、今回は食後の腹痛で一番多く見られる、「左側がチクチク痛む場合」に考えられる病気を調べてみました。

 

 

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食後に左腹部がチクチクと痛む時に考えられる病気とは?

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腸の形を考えてみましょう。小腸を囲むように大腸が右側から始まり、ぐるりと左回りで肛門へと続いていますね。

 

小腸の出口と大腸の接続部分を小腸の「回腸」と大腸の「盲腸」から「回盲部」と言います。大腸は回盲部から始まり、「盲腸」→「上行結腸」→「横行結腸」→「下行結腸」→「S字状結腸」→「直腸」と続き、肛門へ到達します。

 

腹部の左側で特に下部が痛む時は、直腸やS字状結腸に異常がある場合が多く、左上部の場合は膵炎の疑いがあります。当てはまる病気をいくつか考えてみましょう。

 

  • 潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、食後の腹痛に伴い、下痢や便秘、粘血便の症状がみられることが多いです。大腸にただれや潰瘍、炎症が起き、粘膜から出血が起きます。この病気は、難病に指定されていて、寛解はあっても、完治することはないと言われています。

 

一度発症すると、食事療法と対処的な投薬治療で症状を抑えながら、腸内環境を整えていきますが、潰瘍性大腸炎を起こした腸内は、なかなか良い状態になることは、難しいと言われています。

 

この病気は、欧米諸国で発症率が高く、食べ物が問題だと言われています。日本では、20~30代に多く見られることから、生まれた時から欧米食に慣れ親しんでいることが関係していると考えられます。

 

また、年配者に少ない訳ではなく、日本中の人が、欧米食化したことで、増加しつつあります。日本では、2015年の発表では15万人の患者がいると言われています。

 

潰瘍性大腸炎は、直腸、S字状結腸に多く見られる病気です。初期はそこから始まり、徐々に下行結腸、横行結腸へと進行していきます。食事に脂肪分の多いものや、脂っこいものを食べると、左下部分に痛みが起こることが多く、その後下痢になるケースが良く見られます。

 

ただれや潰瘍、炎症が大腸全体に広がると、高熱や体重減少などが起き、入院する場合もあります。潰瘍性大腸炎の主な原因として考えられるのは、食生活のほかに、自己免疫機能不全だと言う事がわかってきました。

 

これは、本来、免疫機能とは異物が体内に入った時に、攻撃して身を守る機能なのですが、これが正常に機能しなくなり、自分を攻撃して痛めつけてしまうと言うものです。この症状には対処できる投薬治療があるため、時間はかかりますが、気長に治していくことになります。

 

また、過度のストレスも関係しています。こちらの治療は、生活リズムを整えることで、ストレス軽減を目指します。また、強いストレスがかかりつづけた状態は、自律神経がバランスを崩しています。

 

腸は自律神経が支配しているため、バランスが崩れると不調が現れるのです。自律神経が正常に機能していない状態の時は、抗うつ剤、抗不安剤などの処方により安定を取り戻します。

 

治らないと言われ続けた潰瘍性大腸炎ですが、近年、研究が功を結び、画期的な治療法が「臨床試験」の段階に入っているのです。

 

それは、「腸内細菌移植療法」または「糞便移植」と言われる治療法で、健康な人の腸内細菌を生理食塩水と混ぜ、ろ過したものを潰瘍性大腸炎の患者の腸へと内視鏡を使って肛門から注入するものです。

 

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この腸内細菌の移植法は、臨床試験で大変高い成功率を収めています。腸の病気の改善には、良い腸内細菌のいる環境が絶対条件であることが、よくわかる結果となっています。ただし、潰瘍性大腸炎は、再発性の高い病気なので、まだまだ長期的な観察が必要です。

 

  • 膵炎

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食事のあと、腹部の左上部に痛みがある場合、膵炎の疑いもあります。その場合、みぞおちの左側から痛みが始まり、背中にかけても痛みが広がる傾向があります。

 

食事をすると、胃は胃酸を出し、膵臓は消化のために、膵液と言う消化酵素を十二指腸に送ります。この消化の準備をし始めた時に、腹部の左側上部が痛いとなると、膵臓からの膵液の移動がうまくいっていないと考えることができるのです。

 

膵臓と十二指腸のつなぎ口で詰まりが起き、膵液が膵臓に溜まってしまいます。すると、膵液は、自分の体=膵臓本体を消化していってしまうのです。これは、脂っこい食べ物を食べた後に起こることが多くみられます。

 

急性膵炎が起きた時は、とてもチクチクなどではなく、激しい痛みが起き、場合によっては死に至ります。膵炎も潰瘍性大腸炎と同様に、ストレスとの関係も大きいと言われています。ストレスによる自律神経の異常は、腸にとって病気のもとと言えるのです。

 

自律神経がバランスを崩し、交感神経が優位に立っている状態のため、膵炎の症状には「不眠」が併発します。

 

  • 過敏性腸症候群

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食後に、腹部の左下がチクチク痛む場合、過敏性腸症候群の可能性のあります。過敏性腸症候群の症状で起こる場合は、満腹に食べたり、食べ過ぎたりした時に発症しやすく、痛みのあと下痢が起こり排便が済むと痛みは軽快します。

 

過敏性腸症候群はストレス性の腸疾患のため、不安や思い込みで症状が起きてしまいます。

 

この場合、以前の記憶から引き続いている不安がストレスとなり、「満腹に食べちゃったからお腹が痛くなるかもしれない」「食べ過ぎたから下痢になる」と脳が察知し、腸に信号を送ってしまうのです。

 

過敏性腸症候群下痢型は、「今下痢になったらどうしよう」と思うことで、下痢が発症し、過敏性腸症候群ガス型は、「おならが出たらどうしよう」と思うことで、おならが出てしまいます。この腹痛から下痢が起きる症状も同じ経路で起こります。

 

過敏性腸症候群便秘型で左下部が痛む場合もあります。この便秘は、ストレスによって自律神経が正常に機能しなくなり、副交感神経の働きが鈍くなることで、腸の運動が弱まって起こります。

 

常に腸の中には硬い便が詰まっている状態なので、次の消化物が入ってくる準備が始まると、腸がもぞもぞと動き、それによって硬い便が腸壁にこすれて痛みを感じることがあるのです。

 

この痛みは、便が大きく動くと激しくなることがありますが、長く続くことはありません。さらに残念ながらこの痛みが便意につながることもありません。

 

まとめ

食後に腹部の左側が痛む場合に考えられる病気を3つご紹介しました。この3つの病気は、それぞれ違うものですが、共通点があります。それは、「ストレスが原因で起こり得る」と言うことです。

 

腸はストレスの影響を受けやすい器官なのです。また、腸内環境が悪いと、影響度は高くなります。そのため、腸内環境を整えて、ストレスの影響を受けにくくしていくことが、一番の予防法や治療法となります。

 

それと同時に、それぞれの症状に見合った治療を勧めることで、改善方向へと向かいます。

 

食事療法では、潰瘍性大腸炎、膵炎、過敏性腸症候群下痢型、便秘型、などで、摂った方が良い食べ物と、中止した方が良い食べ物があります。食物繊維にも、「不溶性」と「水溶性」があり、反対のものを摂ると症状が悪化することもあるのです。

 

そのためにも、一度病院で診察を受けて、自分の腸がどのような状態なのかを確認しなくてはなりません。間違った判断で、より悪化させないようにしましょう。

 

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