感染による胃腸炎は季節によって考える病気が変わってきます。大きく分けると、夏に多い感染性胃腸炎は「細菌性」、冬は「ウイルス性」に分けることができます。ただ、ウイルス性も夏に感染しないわけではないので、安心はできません。感染性胃腸炎の90%がウイルス性と言われています。

 

細菌性は少ないとはいえ、ウイルス性に比べて、症状がひどくなることが多いので、感染は防ぎたいものです。今回は、夏の感染性胃腸炎について、調べてみました。

 

 

夏に多い感染性胃腸炎の原因は何?細菌性?ウイルス性は?

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温かい温度で繁殖する腸炎ビブリオは、発生時期が決まっているので、夏の感染性胃腸炎と言われてきました。自分で捕った魚で食中毒になってしまうこともあり、夏場の釣りには十分な注意が必要です。

 

ところが、近年は冬場でも、温かい国からの輸入によって、菌も輸入されてしまい、腸炎ビブリオによる食中毒が起きています。

 

腸炎ビブリオこの菌は、好塩菌と言われ、海中や海の底の泥の中にいます。腸炎ビブリオのほとんどは、人に害を与えるものではありませんが、ごく1部には、病原因子を持つ菌があり、その菌が口に入ることで感染します。

 

1日の最低気温が15℃以上、海水温が20℃以上になると、腸炎ビブリオは増殖します。そのため、条件の合う状態の海で捕られた魚介類には、菌がついています。

 

腸炎ビブリオは、真水に弱いため、魚介類の洗い流しはもちろん、釣りに使った用具、または、調理器具などがきちんと消毒されていれば、感染することはありません。

 

きちんとした、処理がなされずにいると、通常の感染性の菌より早い速度で繁殖する腸炎ビブリオは、一気に増殖し、それらが口に入る事で、感染性胃腸炎を起こしてしまいます。

 

  • 潜伏期間=10~24時間
  • 発症期間=1~3日
  • 症状=激しい下痢、激しい腹痛、嘔吐

 

洗った魚介類は、すぐに冷蔵庫に入れ、4度以下に保つようにしましょう。4度以下なら菌が増えることはありません。腸炎ビブリオを死滅させるには、61度以上で10分間の加熱が必要です。刺身などは、真水での魚の洗い流しをキッチリやり、煮込みなら、しっかりと火を通すようにしましょう。

 

腸炎ビブリオの胃腸炎は、発症期間は短いのですが、症状はかなりひどく、苦しい下痢を起こします。夏は、脱水症状を起こしやすいので、水分補給はこまめにしましょう。

 

また、この時期は毎日の暑さで、体が弱っていることが考えられます。高齢者が発症した場合は、すぐに病院へ連れて行きましょう。

 

腸管アデノウイルスこれは、ウイルス性ですが、夏に多い感染性胃腸炎です。発症は、3歳以下の乳幼児で、中でも、新生児や乳児は重篤化する恐れのある感染性胃腸炎です。

 

アデノウイルスには、51型もの種類があり、感染部位によって、症状が変わりますが、扁桃炎を起こす事が一番多くみられます。51型のうち40型、41型を、腸管アデノウイルスと言い、胃腸炎を起こします。

 

  • 潜伏期間=3~10日
  • 発症~回復=1~2週間
  • 症状=下痢の症状が長く続くことが特徴です。まれに、嘔吐や吐き気もありますが、発熱などはほとんどありません。
  • 感染経路=感染者の便からの経口感染。使用済みのオムツからも感染します。ドアノブ、玩具からの接触感染。咳やくしゃみからの飛沫感染。
  • 注意点=下痢が止まっても、30日間くらいは、便からウイルスが排出し続けるため、二次感染を広げないように注意しましょう。

 

 

夏に多くなってしまうのは条件しだい?食品管理で防げる?

カレーなど、温めなおして食べる食事で食中毒を起こすウェルシュ菌という菌は、夏におこる感染症です。カレーを食べて、お腹を壊してしまったと言う人は多いかと思いますが、辛味以外でも菌による感染症がおこる場合があります。翌日のカレーが1番美味しい!!と言うのは、昔からみんな思っているので、時間を置いたカレーで繁殖したウェルシュ菌によるリスクはあります。

 

とくに夏は要注意です。ウェルシュ菌は、人や動物の体、土の中、水の中に良くいる菌で、通常は影響ありません。

 

ところが、ウェルシュ菌に汚染されて、その菌が繁殖した食べ物を食べると、腸管に感染し「エンテロトキシン」と言う毒素を生産し始めるのです。この毒素が、食中毒の原因です。

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普通の菌は、加熱すると死滅することがおおいのですが、ウェルシュ菌は別です。菌がもしそのままなら、熱で死んでしまいますが、危険が迫ると「芽胞」と言う殻に閉じこもってしまいます。

 

 

この殻が閉じてしまうと、100度に熱した鍋で5~6時間煮込んでも、ウェルシュ菌は死なずに、生き延びるのです。出来上がったカレーをそのままの状態で置いておくと、徐々に冷めてきて、ウェルシュ菌は、殻から出てきます。そして、45度前後になると、一気に増殖をし始めます。

 

 

ちなみに、表面は酸素に触れているのでウェルシュ菌は繁殖できません。というのも、ウェルシュ菌は酸素に弱いのです。そのため、カレーを作った時に、少しでも繁殖を防ぐには、冷めてきてる時に、良くかき回すことです。

 

カレーの中に酸素をたくさん含ませて、ウェルシュ菌を死滅させてしまいましょう。そして、小分けにして、酸素に触れる部分を増やして、繁殖する温度の時間を減らして急いで冷蔵庫にしまってしまいます。

 

ウェルシュ菌を繁殖させない方法

  • 酸素にあてる
  • 10度以下で保存する
  • 再加熱する時は、良くかき回して、酸素にあてて、中心部まで必ず加熱する

 

でも、1番良いのは、「その日のうちに食べてしまうこと!!」これに限ります。これは、カレーだけでなく、煮物などでも同じです。お鍋に入れたまま、常温で食べ物を保存するのは、危険なのです。今は、家の密閉性も高く、キッチンまで温かいので、冬だからと言って、油断は禁物です。

 

ウェルシュ菌による感染性胃腸炎

  • 潜伏期間=6~8時間
  • 発症~回復=1~2日
  • 症状=腹痛、下痢

 

 

梅雨の時期に特に注意したいのは黄色ブドウ球菌

この黄色ブドウ球菌も、ウェルシュ菌と同様、どこにでもいる菌です。健康な人の鼻の中などにいることが多く、鼻をほじった手で食品を触ると、食品が汚染され、食品の中で、エンテロトキシンと言う毒素を生産します。

 

どこにでもいる菌なので、常に手についていてもおかしくありません。食品を扱う仕事をしている人が、不用意に食品に触ると、食品は侵され、それを食べた人に食中毒が起こります。

 

黄色ブドウ球菌による食中毒が起きやすい食品

  • おにぎり
  • お弁当
  • サンドイッチ
  • 和菓子
  • シュークリーム

 

が特に多く報告されています。

 

黄色ブドウ球菌による感染性胃腸炎

  • 潜伏期間=1~3時間
  • 発症~回復=その日のうちに回復する
  • 症状=吐き気、嘔吐、腹痛、下痢

 

黄色ブドウ球菌による食中毒は、その日のうちに回復することがほとんどですが、中には重篤化することもあるため、注意しなくてはいけません。小児や高齢者が発症した時は、脱水症状に気をつけて、観察が必要です。

 

夏でも要注意なのが、ノロウイルス!

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ノロウイルスはもともと冬に多い感染症です。しかし夏場の流行も報告はあるのです。乾燥期に流行することが多いため、安心してしまいますが、夏でも集団感染することがあるのです。冬場のように、乾燥した空中で漂うことは少なくなりますが、ドアノブなどの接触感染から広がります。

 

 

吐き気と下痢、嘔吐が起きますが、夏場に注意したいのが、脱水症状です。冬場の流行でも、十分な注意が必要だと言われているため、汗をかく夏場だと、よほど気をつけなくてはなりません。

 

とくに、乳幼児が感染した時は、病院へ連れて行き、脱水しないように、早めに点滴を打ってもらうなどの対処が必要です。

 

 

 

また、辛い下痢と、激しい嘔吐に、暑さが加わり、体力が落ちてしまいます。回復期は安静にし、冬より、体を良く休めるようにしましょう。

 

まとめ

食中毒、胃腸炎は、1年中気を付けなくてはなりません。

 

特に、夏場は、脱水症状や体力低下の心配があるため、水分補給、栄養補給を考えた療養をしなくてはなりません。食品管理は徹底し、調理器具の消毒をまめにするなど、できる限りのことをして防ぎましょう。

 

暑さで、体がバテていたり、食欲不振が続いていると、免疫力が落ちて、菌に感染しやすくなっています。栄養ドリンクなどを活用し、体力を落とさないようにしましょう。