腹痛と高熱が伴う場合、ふらふらしながら病院に行き「急性胃腸炎」と診断されることがあります。

 

「あ~そうですか」と言うしかなく、頓服薬を数個受け取り、吐き気止めと整腸剤が処方されて帰ってくることありませんか?

 

帰ってから、一向に熱が下がる気配がないと、「本当に胃腸炎なの?」と不安になってきますね。

 

「ウイルス性」などと言われると、「ノロって高熱は出ないってネットに書いてあるのに」とさらに不安が重なります。そこで今回は、感染性胃腸炎で40度の高熱が出る場合についてや、その発症期間についてお伝えします。

 

感染性胃腸炎で発熱。40度の高熱は出る?

「胃腸炎」って、とても範囲の広い病名で、言われてもピンときませんよね。

  • 「胃」が痛む→胃腸炎
  • 「お腹が痛い」→胃腸炎
  • 「吐き気」→胃腸炎
  • 「下痢」→胃腸炎

辛い患者の立場からすると「本当にこの診断で大丈夫?」と思わざるを得ません。

 

どうして、「〇〇ウイルスによる感染性胃腸炎ですよ、高熱が出ますが心配ありません。」「これは、〇〇ウイルス性胃腸炎なので、下痢がひどくなりますが、熱はあまり高くなりませんよ」と言ってくれないのでしょう?

 

実は、発症して病院へ行っただけでは、「細菌性胃腸炎」か「ウイルス性胃腸炎」か、ましてや〇〇ウイルスなんて、ウイルスの種類までは、わからないのです。

 

季節や流行の兆し、問診によって、目途をたてるのですが、実際に90%以上が何かしらの「ウイルス性胃腸炎」なのです。意識混濁、脱水症状など、見るからに重篤な場合を除いて、「ウイルス性胃腸炎」と診断された人は、同じ対処療法をとられます。

  • 止痢薬は飲まない 下痢によって腸内のウイルスを排出しているため
  • どうしてもの時のための頓服薬 無理に熱は下げない
  • 吐き気止め 経口できない場合は点滴
  • 整腸剤

これは、どのウイルスだとしても、結局は自然に治るのを待つしかないと言う事なのです。

 

ウイルスによって、症状には多少違いはありますが、ウイルスに対する特効薬はないため、自分の免疫力で、ウイルスの排出をしなくてはならないのです。

急性胃腸炎となる細菌やウイルスの解説と対処方法

 

 

そして、高熱は、免疫力を上げるために、体が自分で体温を上昇させているのです。体に侵入してきたウイルスと戦うために、免疫力を上げているので、ウイルス性胃腸炎で40度の高熱が出ることは、おかしくないのです。

※ただし、一般的には小児は少し熱が高くなりやすい傾向があるものの、ウイルス性腸炎の場合は高熱が出る頻度は特に成人では高くはありません。熱が高い、腹痛が高い場合には、胃腸炎以外の病気について検討が必要で、医療機関ではその検討を行っています。

 

 

ウイルス性胃腸炎がすべてノロウイルスではないのでご注意を!

ウイルス性胃腸炎と言われるとノロウイルスだと思ってしまうことがありますが、そうとは限りません。ノロウイルスは、流行しだすと一気に広がるため、どうしても思い込んでしまいますね。ロタウイルスやアデノウイルスは子供がなるものだし、じゃ、他にどんなウイルスが胃腸炎の原因になるでしょうか?

 

実は、ロタウイルスもアデノウイルスも大人にも感染するのです。

 

ロタウイルスは、大人は抗体を持っているので、発症することは、まれですが、体力が落ちていたりすると、子供と同じように下痢や嘔吐が起こります。乳児は、40度の高熱がでることもあり、脱水症状には十分注意が必要なウイルスです。

 

さすがに、抗体を持つ大人は、初めてロタウイルスに感染した乳児のように、重篤化することはありませんが、起き上がれないくらいの症状にはなることがあります。また、腸管アデノウイルスは、感染した子供を看病している親に感染がみられるケースが多いです。

 

アデノウイルスは、51もの型があり、胃腸炎を起こすものを、「腸管アデノウイルス」と言い、40型、41型がそれにあたります。

 

アデノウイルス自体の症状は扁桃炎、発熱、結膜炎がもっとも強い症状で、それはプール感染が多いことから、「プール熱」と呼ばれています。

 

一方で、腸管アデノウイルスはと言うと、発熱、下痢、嘔吐の胃腸炎症状がありますが、あまり感染しないと言われている大人に限って、高熱が出ることがあります。40度の高熱が3~4日続くことがあり、ふらふらになってしまいます。

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昼間は38度くらいに下がっても、夜には40度まで上がる状態を繰り返します。ウイルスは、子供だけ大人だけとは言いきれずに感染を広げます。体力が落ちて、疲れが溜っている時などは、何に感染してしまってもおかしくありません。

 

40度の高熱が出る感染性胃腸炎はこれだ!

高熱が出る感染性胃腸炎に、「細菌性」のものがあります。

 

  • カンピロバクター→カンピロバクターは、細菌性胃腸炎の中で、最も多く発症していて、全体の10~20%にあたります。感染源は主に鶏肉に多く認められます。症状は、下痢や嘔吐の胃腸炎の症状も見られますが、40度の高熱や激しい頭痛が起こります。症状は数日で治まりますが、2~3週間の排菌が続きます。(参考:カンピロバクター感染とは?)

 

  • 腸炎ビブリオ→腸炎ビブリオは、夏場の海水に生息する細菌です。感染源は、その海域で捕られた魚介類です。症状はたいへん激しく、水様性下痢、強烈な腹痛、嘔吐、40度の高熱など、とても辛い思いをしてしまいます。熱は50%くらいの人で出る、とされています。発症期間は、1~3日ですが、体力が奪われ、回復に時間がかかることもあります。また、救急車で運ばれる方が多く、そのまま回復まで入院となるケースもあります。(参考:腸炎ビブリオとは?)

 

発熱の意味を知り、体を応援しましょう

細菌性胃腸炎、ウイルス性胃腸炎で発熱すると言うことは、侵入してきた異物を排除しようと体が戦っていると言うことです。免疫力は、体温が36.5度の状態をキープしていると、元気で活力満点な状態です。

 

そして、いざ感染性の細菌やウイルスなどの大物がやってきた時には、さらに攻撃力を上げるために、38度以上に体温を上昇させます。

 

人の体は、通常40度くらいの熱が出ても、壊れてしまうことはありません。脱水症状さえ気を付けていれば、薬もいらないのです。40度の高熱が出せると言うことは、免疫力がタップリあるということです。弱っている人や、高齢者は40度の高熱は、あまり出ることはないのです。

 

風邪を引いても、熱が出ない人がいますね、長い期間「咳」が続いていたり、いつもだるそうに風邪の症状が出ているような人は、もともと免疫力が下がっているため、発熱して、一気にウイルス退治することが出来ないのです。高熱が出ている時は、水分をたくさん摂取するようにしましょう。

 

熱で体内の水分が失われることもありますが、免疫力が活躍するには、たくさんの水分が必要なのです。安静にして、水分をこまめに補給することが、体が一番欲していることなので、決して解熱剤ではないのです。感染症の場合、気を付けたいのは、体温の数字より状態です。

 

40度から38度に下がってきたから、治っているわけではないのです。小児の場合は、熱があっても元気があれば問題ないのですが、脱水してくると急にぐったりしてしまうこともあります。熱が下がってきたから大丈夫と思わず、回復するまで、目が離せません。

 

40度の高熱が出ていても大丈夫な期間はどれくらい?

高熱は、免疫力を上げているので、無理に下げなくても大丈夫です。しかし、長く続くと言うことは、倒しきれない細菌やウイルスが体の中にいると言うことです。通常、体内に入った異物を退治するための発熱は、「3日」を区切りと考えます。

 

感染性胃腸炎の原因は免疫力を下げるストレス?免疫力を向上させる食べ物とは?

 

4日目になっても、40度の熱が出ている場合には、元気があっても病院へ行きましょう。違う病気の心配もあります。また、不安に思う時は、セカンドオピニオンとして別の病院で診てもらうこともおすすめします。

 

まとめ

細菌やウイルスが体内に侵入したときは、それを排除するために、免疫力が働きます。そして、その免疫力をより活性化させるために、体は体温を上昇させます。

 

カンピロバクターや腸炎ビブリオなどの、細菌性胃腸炎は、高熱が出ますが、これは免疫力が、一気に攻め込む戦法をとっているためです。

 

細菌は、肺や心臓、脳に影響を及ぼすことがあるため、体は素早く反応し、すごい勢いで打ち負かして排除しようとしているのです。高熱がでたからと、慌てずに、水分補給をしっかりとし、安静にすることで、免疫力は頑張って戦ってくれるのです。