「食物繊維」は便秘と切っても切れない栄養素ですね。便秘になると、お芋や野菜を食べさせられたりしませんでしたか?

 

実は、その食物繊維は、ほとんどが「不溶性食物繊維」と言って、水に溶けないものなんです。

 

そして、反対に水に溶ける、「水溶性食物繊維」と言うものがあります。便秘にはこの2種類を使い分けないと、悪化してしまうことがあるのです。ストレス性の便秘を起こしている人が玄米を食べると、便秘はさらに悪化する可能性があります。

 

そこで今回は、どの食物繊維が、どんな便秘に効果があるのか、また悪化させてしまうのはどう言うことか、調べてみました。

 

 

 

「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」

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近年の食生活の中で、最も不足しがちな栄養素として、常にトップを飾っているのが、「食物繊維」です。この変化は、欧米食の増加と共に起こっています。肉食過多の食生活によって、根菜や海藻類を使った、和食が少なくなったのです。

 

特に若い世代の、食物繊維不足は問題で、目標摂取量をはるかに下回っています。

 

食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類あります。それぞれに特性があり、バランス良く摂取することで、腸内環境も整い、便秘の予防が出来るのです。

 

  • 不溶性食物繊維

食物繊維と聞いて思い浮かべるのは、「イモ類」や「根菜類」ではないでしょうか。焼きいもを食べると、おならが出ると言われますね。食物繊維は腸への影響が強いのです。

 

特に、不溶性食物繊維は、小腸までの間に、他の栄養素のように分解、吸収されずに、大腸へ到達します。大腸では、分解されたドロドロの消化物が、水分を吸収されながら、徐々に便が作られていきます。

 

その時、不溶性食物繊維があると、腸内に発生した有毒ガスや有害な物質を吸着させて便となるので、腸のお掃除屋と言われているのです。

 

不溶性食物繊維は、水分を含むと何十倍にも膨れます。そのため、便をふっくらとした良い形にして排出することが出来ます。そのためには、たっぷりの水分が必要なので、不溶性食物繊維を摂りながら、水分も十分に摂っていないと、便が固くなり便秘になってしまいます。

 

有害なものを排出して、腸内環境を整えてくれるものですが、気をつけないと、悪くもしてしまうと言うわけです。

 

ここ10年ほどは、健康志向の人が急増し、白米よりも食物繊維の豊富な、雑穀米や玄米を取り入れている人が多くなりました。ところが、食物繊維が不足しないようにしているにもかかわらず、便秘になってしまう人が多いのです。

 

その理由の一つが上記のような「水分不足」なのです。せっかく体のために良いと思っていても、思わぬ落とし穴が待っていたと言うわけですね。

 

不溶性食物繊維のトリックは、他にもあります。腸内環境が悪化した時に、悪玉菌による腐敗で有毒ガスが発生します。すると、そのガスでお腹がパンパンに張ったり、おならがたくさん出たりと、悪影響が起こります。

 

そこで、改善のために食物繊維を摂るのですが、収まるどころか、おならが出続けてしまうのです。これは、腸内の有害なものを排除しているためで、最初のガスとは「質」が違うのです。

 

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ところが、おならがたくさんでてしまうことを改善しようと思っていたわけなので、これでは本末転倒の結末です。

 

これは、食物繊維の摂取する意識の問題かもしれません。腸のお掃除は、汚れた時だけするのではなく、毎日少しづつ続けていれば、ひどく汚れることはないのです。食物繊維を摂るのは、「便秘だ」と思ってからではなく、毎日の食事から、と言うことですね。

 

  • 水溶性食物繊維

もう一つの食物繊維は、水に溶ける「水溶性食物繊維」です。この食物繊維は、水に溶けるとゼリー状に変化する特性を持っています。その粘着力で脂質や糖質を吸着し、吸収を遅らせることが出来ると言われています。

 

またそれだけではなく、水溶性食物繊維は、腸内細菌の善玉菌の大好物であることがわかったのです。善玉菌のエサが豊富にあれば、増殖し、腸内環境は良くなります。

 

不溶性食物繊維に比べると、水溶性食物繊維は食材が多くありません。また、海藻類や納豆やオクラなどのネバネバ食品に多く、毎日食べようとすると、メニューに行き詰ることもあります。

 

そこで、「難消化性デキストリン」が重宝します。これは、トウモロコシのでんぷんの中から、特に消化しにくい部分を取り出した、水溶性食物繊維です。

 

  • 難消化デキストリン

これは、不足しがちな食物繊維を補うために作られた、「特定保健用食品」です。市販の「トクホ飲料」のほとんどの物に含まれています。水溶性食物繊維の資質や糖質の吸収を遅らせる特質を発揮するために、含まれています。

 

腸内環境を整えるのはもちろん、過剰な脂質や糖質の吸収を抑えられると、動脈硬化やメタボなどの生活習慣病の抑制にもなるのです。そのため、食事だけでは不十分だと思う人は、トクホ飲料などからも水溶性食物繊維を摂取することは可能です。

 

食物繊維は便秘になってから慌てて摂ると危険です!

食物繊維は、腸内環境を整えておくために、毎日摂るべき栄養素です。ところが、便秘になると慌てて摂るような傾向があります。その場合、とくに気を付けなくてはならないのが、どちらかの食物繊維だけを集中的に摂取してはいけないと言うことです

 

女性に多く見られる、「弛緩性便秘」を起こしている場合、対処としては、便をふっくらさせて腸を刺激し、ぜんどう運動を起こして排便を促したいのです。となると「不溶性食物繊維」が必要ですね。

 

そこにトクホ飲料をがぶ飲みして水溶性食物繊維を大量投入しても、便秘は改善しません。ゼリー状になって、多少は膨れても腸への刺激が少なく、ぜんどう運動は活発にならないのです。しかも、ゼリー状に水分を含んだ便が長く留まることで、腸が炎症を起こし、腹痛を起こす場合もあるのです。

 

今度は、ストレスから起こる「痙攣性便秘」の場合です。対処法は、水溶性食物繊維の特性を活かし、ゼリー状になった吸着力を使い、痙攣でコロコロに離れた便に水分を与えて集合させ、過敏になっている腸を刺激しないように、ゆっくりと静かに移動させたいのです。

 

そこへ、「不溶性食物繊維」がタップリの玄米を食べ続けているとどうなるでしょう。コロコロ便をからめながら大きく膨らんだ不溶性食物繊維は、痙攣によって、腸壁を刺激しながら飛び跳ねてしまいます。

 

腸はさらに反応し、激しい腹痛を起こしてしまう可能性があります。また、水分がさらになくなってしまうので、便はどんどん出にくくなってしまいます。

 

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不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、キノコや野菜には両方入っているものがたくさんあります。便秘の腸内環境を改善するために食物繊維を摂る場合は、そのように両方入っている食材か、または、必要な方の食物繊維を摂らなければ、良くなるどころか、悪化の一途をたどります。

 

まとめ

食物繊維は、腸内環境を良好な状態に保つために、常日頃から十分に摂取しておくべき栄養素です。決して、便秘になった時に急に必要になるものではありません。

 

勘違いしていると、「便秘だから食物繊維とらなきゃ!」と、本来必要では無い物を摂り続け、腹痛や、便秘の悪化を招く恐れがあるのです。

 

食物繊維をきちんと毎日摂るために、玄米を食べているのに便秘になったと言う人は、「水分不足」か「水溶性食物繊維不足」を考えてみてください。痙攣性便秘の場合の、間違った食物繊維の摂取は、大変つらい痛みを負うことになるかもしれませんので十分な注意が必要です。