冷え性と便秘と言えば、女性を大いに悩ませる症状ですね。

 

冷え性と便秘には、昔から漢方が効果的だと言われています。西洋医学では、対症療法が基本となり、体を整えて行くのは、自分で生活を見直す力と言うことになります。

 

漢方は、今の体内に滞った気や血、水の流れを整えて、根本から整えてくれる、ありがたい治療法なのです。

 

そこで今回は、冷え性と便秘に効果的な漢方について、詳しくご紹介したいと思います。

 

 

冷え性と便秘に漢方が効く?漢方を簡単に解説!

冷え性,便秘,漢方漢方と西洋医学の大きな違いについて考えてみましょう。西洋医学では、体に起きた症状について、その症状を抑えるために薬を飲んで治療しますね。漢方は、症状を抑えるだけに対する薬の処方はしないのです。

 

漢方の考え方は、一人一人の体質にあった治療法を考えると言うことになり、同じ病気でも、飲む漢方薬が人によって違うと言うことになります。

 

漢方の基準となる考え方を簡単に説明しましょう。漢方には、「証」と呼ばれる、人それぞれの体質を表す言葉があります。

 

  • 「陽証」=暑がりで熱を帯びている、口が渇き冷水を好んで飲む、顔面は紅潮している、高体温である。
  • 「陰証」=寒がりで冷えている、カイロが手放せない、顔面蒼白、温かい飲み物を好む、低体温である。
  • 「実証」=体力がある、元気で声が大きい、はっきり話す、生き生きとしている、便秘気味である、脈が強い。
  • 「虚証」=体力が無い、声が小さく影が薄い、明瞭に離せない、下痢気味である、脈が弱い。

 

これらは、組み合わせて考えることが出来ます。陽証の人は、実証であることが多く、陰証の人は、虚証であることがほとんどです。陽と陰は性質、実と虚は見た目や雰囲気と言う事になります。

 

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病気の発症の仕方を考えても、体が病気に強く反応を示し、強い痛みや高熱、腫れがある場合、陽実証と言う事になります。また、反応が弱く、ダラダラといつまでも症状が長引くような場合は、陰虚証となります。

 

そして、この個人を体質や性質で分ける「証」と一緒に考えるのが、「気・血・水」です。この3つは、体に起きている症状のタイプです。

 

「気」=自律神経の異常

気うつ - 抑うつ、飲みこみ時の不快感、浅い呼吸

気虚  - やる気が出ない、疲労感、虚脱感

気の上衝  -  発汗、のぼせ、イライラ

 

「血」=血液循環の異常

於血  - 月経異常、肩こり、頭痛

血虚  - 貧血、めまい、集中力低下、不安

血熱  - 焦燥感、のぼせ、不安感、イライラ

 

「水」=免疫異常、代謝異常

水毒、水滞  - むくみ、めまい、動悸

津虚  - 乾燥、尿の減少、声がれ

 

これらを、症状と個人の体質を組み合わせて、体の中で何が起きているのかを考えていくのが漢方です。便秘は、自律神経、血液循環、代謝異常のすべてに関わるので、気血水のすべてが異常をおこしていると考えられます。

 

冷え性で便秘がある場合、そもそもの証が「陰証」であるとわかります。あとは、見た目や雰囲気が実か虚かと言うのも個人差があります。そこに、気血水すべてが関わっていると考え、中でもどのようなタイプの便秘かで「気」「血」「水」のどこに比重を置くかなど、診断は変わります。

 

冷え性と便秘に効く漢方はどんなものがある?

便秘の薬で、一番多く使われてる漢方に「大黄」があります。実証のタイプの人には、まったく問題はありませんが、虚証の人には少し強すぎることもあるため、大黄を抜いた漢方に変えることもあります。

 

スッキリとした排便感が無く、お腹の張りが付きまとうような便秘には、「桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカ シャクヤク ダイオウトウ)」が良く効くと言われています。

また、虚証で神経質なタイプの人、ストレスで過敏性腸症候群便秘型を発症しているタイプの人には、「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」で緩やかな効果を期待しましょう。

体が冷えている状態の場合、虚証の便秘と考えられますが、これがその人のすべてではなく、本来は実証であるのに、虚が現れている、とも考えられるのです。

 

ちょっとややこしいですが、発熱時に、熱がグングンと上がっている時などは、悪寒がして体がブルブル震えることがありますね、あの状態などは、虚期と言い、体が寒気を感じている一時のことを示しています。その人の体質が虚証なわけではなくても、時期を「虚」として、示すこともあるのです。

 

女性に多い冷え性を漢方の目線で見てみる!

冷え性と一言で言っても、その内容は個人個人で違うのです。手足が冷える人や、内臓が冷えている人、冷えた後熱を帯びる人など、その症状は様々なのです。

 

内臓が冷える理由のひとつには、冷たいものばかり食べたり飲んだりすることで、常に消化器官が冷たくなり、機能が低下している状態が考えられます。体内の血液は、温めるために腹部に集中してしまうため、手足などの末端に行き届かなくなり、指先が冷たくなるのです。

 

体を冷やさないようにすることは、体調を良くするために、必要不可欠な条件です。体温が1度上昇することで、免疫力が30%上がることはもちろんですが、代謝力もUPし、血行も良くなり、良い連鎖が生まれていくのです。

 

生活習慣の見直しから、入浴や、運動、食事内容に気を付けることも重要ですが、漢方で気血水の流れを良くすることで、体温を同時に上げられると、相乗効果が生まれ、改善するスピードが速くなります。

 

免疫力が上がると言うことは、腸内環境への影響も大きく、悪い物に負けない力を持てるようになってきます。ストレスにも強くなり、「虚」の部分が少なくなります。

 

また、漢方は個々を体質別に「証」として考えるだけではなく、「神経質」「無頓着」「消極的」などの性質的なことも含めて、病気の改善方法を考えます。そのため、その改善方法は、自分専用のものとなり、一番合っている治療法となる可能性が高いのです。

 

漢方の効果の現れ方は知っておくべき!

西洋医学で処方された薬と、漢方薬を一緒に考えていると、即効性のないことや、最初の好転反応などに戸惑い、続かなくなってしまいます。

 

漢方は、悪い部分をピンポイントで治療する薬ではなく、気血水の流れを利用して、体を根本的に改善して行く治療です。そのため、飲んですぐ効くのではなく、徐々に、でも確実に整っていく改善の仕方です。

 

漢方でも、夜飲んで朝出るような便秘薬はありますが、あの場合は、下剤成分による排出をしているだけなので、体調の改善とは別に考えなくてはいけません。

 

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また、漢方には好転反応と言う、「悪い部分が一気に表面化する作用」があるのです。瞑眩(めんけん)と呼ばれる現象で、漢方では、「メンケン無くして、効用無し」と言われるほど大切な反応なのです。

 

この瞑眩現象が起こると、そこから一気に症状が良くなると言われています。ここで「体に合っていないのでは」と、諦めず、乗り越えると、改善が待っていると言うわけです。

 

まとめ

漢方は、その歴史の深さや奥深さから、素人では簡単には入り込めない複雑な世界です。ただし、基本の考え方さえ理解しておくと、市販の漢方を選ぶ時などに、大いに役立ちます。

 

病原に対して開発された薬ではなく、あくまでも個人の症状、体質、性質に合った改善方法を自然の力を借りて考えていく、とてもありがたい治療法なのです。

 

冷え性と便秘は、女性の永遠の悩みですが、漢方と生活習慣の見直しを合わせることで、相乗効果が生まれ、改善がスムーズに進むかもしれません。

 

また、婦人科は、漢方に強い先生がいることが多く、女性の悩みに上手く答えてくれることがあります。

 

漢方を上手に取り入れながら、早く改善させることを目指しましょう。くれぐれも、瞑眩現象で挫折してしまわないように、頑張ってみてください。