胃痛や腹痛が起こってから、下痢や血便が出た場合に考えられる病気はどんなものがあるでしょうか?

 

胃痛や腹痛、血便があると言う事は、「胃」「十二指腸」「小腸」「大腸」すべての消化器官での病気が考えられます。

 

下痢が起きていると言うことを考えると、異物やウイルスを排出しているのか、腸の運動が亢進している状態なのか、その原因を探らなければなりません。

 

胃痛を伴う胃潰瘍や十二指腸潰瘍、また、炎症性腸疾患と言われる潰瘍性大腸炎やクローン病などの可能性もあります。

 

胃痛や腹痛からの下痢や血便、このような場合の、原因や対処法など、詳しく調べてみました。

 

 

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胃痛や腹痛からの下痢や血便が起きる原因とは?

胃痛,腹痛,下痢,血便暴飲暴食や消化の悪い物を食べた後、胃腸に負担がかかり、痛みが出ることは良くあります。アルコールをたくさん飲んだ翌日や、焼き肉を食べた後などに発症する人が多いですね。

 

美味しい、楽しいと言う気持ちから、いつも以上にたくさんの量を飲食したり、良く噛まずに食べたりすることで、消化不良をおこしてしまうのです。

 

消化不良とは、胃腸が抱えきれず、本来の働きができないまま、未消化の消化物が流れてしまうことです。体は、異物が入ると排出させる力を持っているので、未消化の物が腸に流れてくると、出来るだけ早く出してしまおうとして、下痢を起こす事があります。

 

参考:胃痛、腹痛、吐き気、辛い3拍子が揃った病気は何?その原因とは?

 

慢性的に下痢を起こしやすいタイプの人は、気が付かないうちに、腸に炎症や潰瘍が出来ている場合があります。下痢は、形になる前の便が勢いよく流れてしまうので、繰り返し起こると、腸の粘膜も剥がれて一緒に排出されてしまうことがあるのです。

 

胃・十二指腸に原因がある場合!

反対に消化しすぎて発症するのが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍です。胃潰瘍の原因は「ストレス」と言われています。頭を抱えるようなことが起こると、「胃が痛いよ」などと良く言いますね。

 

胃潰瘍を発症した人の90%にピロリ菌が確認されています。ピロリ菌は、たとえ胃にいても、じっとしている間は無害な菌なのですが、ひとたび活動し始めると、胃粘膜を剥がしてしまい、胃は自分の消化液で自分を消化してしまう現象が起きて、胃潰瘍になるのです。

 

このピロリ菌が活動を始める原因が「ストレス」だと言われていて、除去しない限り、胃潰瘍の1年以内の再発率は70%を超えています。

 

胃や十二指腸に問題があって血便がある場合は、肛門までまだ距離があるため、出たときには、血の色は黒くなっているので、判断基準のひとつとなります。また、出血がひどい場合は、大量吐血する場合もあります。

 

大腸に原因がある場合!

腹痛、下痢、血便がある場合、大腸に炎症や潰瘍が出来ている場合が考えられます。

 

潰瘍性大腸炎は、20~30代の若い年齢層に多く発症する病気ですが、その他の年齢の人たちに発症しないわけではありません。

 

直腸付近から出来始めた炎症や潰瘍が、徐々に大腸全体に広がる病気で、重症度はさまざまです。

 

この病気は、国の難病指定とされている病気です。判明していないことが多く、原因や治療法も明確なものはありません。もともと日本人の発症率は高くなく、欧米人に多い病気とされていました。

 

ところが、近年急激な増加傾向が認められ、これは日本人の欧米食化が影響していると考えられています。また、家族間での発症率の高さが顕著なことから、何らかの遺伝性があるのではと研究が進められていますが、未だ判明していません。

 

そのため、家族の中で潰瘍性大腸炎を発症した人がいる場合でも、必要以上に怖がるのではなく、欧米食に偏らない食生活を送ることで、発症を防ぐことが出来るのではないかと言われています。

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問題は、遺伝性より、食生活だと言うことですね。毎日の食事の積み重ねで自分の体は出来上がってくるので、脂質と糖質に偏った食生活をしていると、その結果は必ず自分に返ってくるのです。

 

潰瘍性大腸炎は、いったん良くなったり、また悪化したりと繰り返し起こります。そのため、長期的な投薬治療で観察していくことが必要になります。

 

完全回復できる薬はありませんが、炎症や潰瘍への対症療法により、改善が見込まれます。その後の食生活や生活習慣に気を配ることで、予後の悪いものではありません。

 

まれに重症化やガン化がみられますが、その場合は外科的手術が必要になります。

 

腸内細菌を移植して完治を目指す!

今、注目されているのが「腸内細菌移植療法」です。「糞便移植療法」とも言われています。

 

これは、潰瘍性大腸炎の腸内に、健康な人の腸内細菌を移植することで、病気のもとを断てると考えられています。潰瘍性大腸炎の発症には、関与する細菌のバランスが関係していると考えられているためです。

 

もともと定着している腸内細菌の中に、潰瘍性大腸炎を発症するものが含まれているため、腸内環境を変えてしまおうと言うことです。

 

まだ臨床段階なため、保険の適用もなく、100万前後の費用がかかる上、実施している病院が少ないことなどから、今の段階では現実的な治療法とは言えません。

 

移植できる腸内細菌は、配偶者か二親等以内の健康な家族に限定されていて、便をろ過して腸内細菌だけを取りだし、潰瘍性大腸炎の患者の腸に移植します。

 

移植治療を受けた人の経過は、80%の人に症状の軽減が認められていますが、今の段階では完治は難しく、さらに研究の必要があると言われています。

 

大腸だけではない?炎症性腸疾患とは?

潰瘍性大腸炎とともに、胃痛、腹痛、下痢、血便を伴う病気に「クローン病」があります。この2つの疾患をまとめて「炎症性腸疾患」と言います。

 

実際には、感染性胃腸炎なども炎症性腸疾患ですが、原因がはっきりしていないこの2つの病気の総称として使われています。

 

クローン病は、潰瘍性大腸炎と違い、口から肛門までの消化器官すべてに発症する可能性があります。ただし、ほとんどの場合、「小腸型」「小腸大腸型」「大腸型」の3つの部位に分かれて発症します。

 

クローン病も潰瘍性大腸炎と同じく、原因不明の難病指定の病気です。遺伝性、食生活が大きく関係していると考えられていて、こちらも欧米食とともに、日本人に増加しつつある病気です。

 

潰瘍性大腸炎が直腸付近が好発部位なのに比べ、クローン病は大腸と小腸の接続部である、「回盲部」からの発症が多く見られます。その場合、右下腹部痛が起こるため、虫垂炎との区別がつきにくいのです。

 

腸壁に対し、縦方向に出来る潰瘍は、クローン病の典型的な病変の一つです。また、腸の狭窄が起こり、腸閉塞の原因となる事があります。

 

クローン病の特異な病変として、肛門異常があります。肛門付近に違和感をおぼえたり、膿が出ているような時は、合併症が起きている可能性があります。痔の診察に行ったら、クローン病であったと判明することは多いのです。

 

参考:腹痛が続くけど原因不明。何科に行けばよい?考えられる原因は?

 

クローン病の初期症状は、激しいものではないので発見しにくく、その後、さまざまな合併症が起きてくることで、病気が明らかになると言ったケースが多くなります。

 

クローン病も潰瘍性大腸炎と同じく、投薬治療で予後は良好です。時間をかけて、観察することは必要ですが、食生活に気を配りながら、通常の生活を送ることが出来ます。

 

まとめ

胃痛、腹痛、下痢、血便の症状がある場合は、消化器官で炎症、または潰瘍が出来て、出血していると考えられます。

 

胃、十二指腸で起きているなら、ピロリ菌除去は必要不可欠と言えます。

 

大腸では、難病指定である、潰瘍性大腸炎、また同じく難病指定のクローン病も考えられます。

 

これらは、ハッキリとした原因は不明ですが、投薬治療において、予後の悪い病気ではありません。

 

また、移植療法の研究も進んでいるため、さらに回復への期待が高まります。

 

いづれの病気も、食生活がポイントです。欧米食は美味しいですが、偏ってしまうと、体は耐えられなくなるのです。バランスの良い食生活で、まだまだ胃腸に頑張ってもらわなければなりませんね。

 

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