腸管出血性大腸菌O157・・・1996年に大阪の集団食中毒の報道で初めて耳にしてから21年が経ちます。相変わらず毎年発生し、毎年亡くなる人が出ていますよね。激しい下痢と血便、嘔吐や発熱は大変つらくいものですが、さらに怖いのは後遺症です。

 

そこで今回は、O157の後遺症について詳しく解説いたします。

 

 

O157の後遺症って何?どんな病気?

O157,後遺症,症状O157の後遺症と呼ばれているのは溶血性尿毒症症候群や脳症です。

 

これから解説していきますが、その前にO157の感染がどのような症状の経過をたどるか、基本的なパターンを解説し、それと重症な場合の合併症・後遺症について解説します。

 

O157は、食物や手を介したO157大腸菌の摂取による胃腸炎で、2~7日ほどの潜伏期の後に、泥のような便(泥状便)、水のような便(水様便)で症状が始まります。普通のウイルス腸炎(ノロやロタ)と違うのは、腹痛症状が強いことと、血性下痢が出やすいことです。

 

O157の胃腸炎は、多くの方は自然に治っていきます。しかし子供や高齢者では重篤な合併症・後遺症が出てきてしまう場合があり、その中で重篤な合併症が溶血性尿毒症症候群や脳症です。

 

主に子供に起こりやすく、O157の発症から5~10日で発症します。多い報告では、O157に感染した子供の内、10~30%のに発症が見られます。

 

これは、腸管出血性大腸菌O157が腸管内で増殖して作りだした「ベロ毒素」によって引き起こされてしまうものです。

 

ベロ毒素によって腎臓の毛細血管の細胞が壊されてしまい、その部分を通る血液内の赤血球も異常を起こし「溶血」と言われる状態になってしまいます。

 

通常は赤血球内に収まっているヘモグロビンと言う血色素が、水分(血漿)に漏れ出してしまう状態です。中身が漏れて萎んだ赤血球は死んでしまいます。

 

この溶血によって尿毒症が起こり、さらに「急性腎不全」の危険があります。急性腎不全を発症すると、透析治療が必要になってくるほどなのです。

 

O157の後遺症!溶血性尿毒症症候群や脳症とはどんな症状?

溶血性尿毒症症候群は食中毒の症状が激しい人に多く発症している傾向があります。だからと言って、下痢や発熱がないひとがまったく心配ないということではありません。

 

溶血性尿毒症症候群になると、下痢などの食中毒の症状は良くなったのに元気が出なかったり、おしっこの量が少ない、むくみが著しいなどの症状が出ます。

 

子供がだるそうにして、眠りたがる場合などは要注意です。O157に感染し、下痢が収まってからも1週間程度は注意しながら様子をみてください。

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また、溶血性尿毒症症候群を発症した人の中の20~30%が「脳症」を起こします。けいれんや意識喪失などが起こり、最悪の場合は命を失います。

 

以前はO157の後遺症として溶血性尿毒症症候群を発症した人の中での死亡率は30%近かったのですが、今では5%程度と低くなりつつあります。

 

これは、国民にも医師にも情報が行き渡って来たため、病院を受診する人が増え、早い発見、治療につながっていると言うことが大変大きな変化です。

 

また、腎臓の毛細血管が破壊されたことから、「腎血管性高血圧症」を発症することがあり、長期にわたって治療が必要な場合があります。

 

ご存知の方も多いかと思いますが、子供の頃にO157に感染し、溶血性尿毒症症候群から腎血管性高血圧症を起こして治療を続けましたが、19年後に亡くなると言う残念なニュースが流れましたね。

 

O157は感染時も大変危険ですが、その後の後遺症に苦しめられる可能性があるので、出来る事なら避けたい感染なのです。

 

下痢や嘔吐の症状で受診した場合、「O157の特定検査」の他に、「ベロ毒素産生能」の検査もします。

 

O157の原因に多い食品とは?お肉だけではない?

 

ベロ毒素が産生されると判明した場合は、下痢が収まっても十分に経過観察をし、異変を見逃さないようにして、何かあったらすぐに対処するようにしてください。

 

O157に感染しない子供にできる?後遺症を起こさない!!

学校給食によって集団感染が起こった場合ニュースで流れますが、「児童全員」と言う事はまずありません。

 

感染して症状を訴える子と、感染しても症状が出ない子、または感染しなかった子がいます。

 

この差は何なのでしょうか。

 

これには、その子の持つ免疫力が関係しています。

 

もちろん、実際の集団感染ではO157に侵された食品の摂取量やその日の体調によっても違います。

 

健康な状態で同じ量を口から入れたと過程した場合、免疫力が弱い子がほぼ全員発症するのに対し、免疫力の強い子は「感染なし」「無症状」「軽度の症状」に収まると言われています。

 

この免疫力の強さの決め手は腸内環境にあります。

 

体内の免疫細胞の7割が腸に集まっているため、腸内環境が良いと免疫力が強くなり、悪いと弱いのです。免疫力は食生活も大切ですが、「良質な睡眠」や「日光浴」も大きく影響します。

 

何でも適量を良く食べる!ぐっすりと良く眠る!外でよく遊ぶ!これこそが、免疫力を高めるために必要なことなのです。

 

また、大きな悩み事を抱えてしまうと、子供の免疫力は一気に下がってしまいます。O157に感染しないようにするには、体だけではなく、日ごろの心のケアも大切だと言うことですね。

 

まとめ

O157は食中毒の症状も大変危険ですが、後遺症が残ってしまうとさらに命を脅かす危険度が高くなります。O157に感染し、ベロ毒素が産生されると「溶血性尿毒症症候群」や「脳症」を起こす可能性があります。

 

これらは子供の感染者に多くみられ、死亡することもあるので注意深く観察することが必要です。O157は免疫力が強いと重症化しないと言われているため、腸内環境を整えて、免疫力を上げるようにしましょう。

 

免疫力は「食生活」「睡眠」「日光浴」の影響を大きく受けます。さらに、悩み事がある場合にも影響を受けてしまうので、心のケアも大切です。