ウイルスや細菌に感染して急性胃腸炎を起こすと、発熱の症状が起こる場合があります。

 

これは、「高熱がでますよ」とハッキリ症状に組み込まれているものもあれば、「発熱する場合もありますよ」と個人差のある症状もあります。

 

発熱があると体はだるくなり、少しでも早く熱を下げたくなりますよね。

 

そこで今回は、急性胃腸炎が原因で発熱した時にお薬は飲んでも大丈夫なのか、詳しく解説いたします。

 

 

急性胃腸炎で発熱!どうして熱が出ているの?

急性胃腸炎 発熱 薬ウイルスや細菌が体内に入り込むと、体は「異物」「毒物」と判断して、下痢や嘔吐を起こして体から排出させようとします。これが急性胃腸炎の症状ですが、発熱が起こるのはどうしてなのでしょう。

 

「発熱」はウイルスや細菌が起こしている物ではありません。ウイルスや細菌に反応して、自分の体が熱を発しているのです。

 

ノロウイルスに感染した場合を考えてみましょう。

 

体内にノロウイルスが侵入すると、体の中を常にパトロールしている免疫細胞たちがすぐに気が付いて戦い始めます。

 

この時先頭を切って戦ってくれるのが、「NK細胞=ナチュラルキラー細胞」「マクロファージ」と言う、「兵士」とも言うべき細胞たちなのです。マクロファージは戦いながらも敵の情報を集めて、「サイトカイン」と言う物質を作りだします。

 

このサイトカインには、今回の敵に関する情報や戦い方、免疫力たちを強くする力が入っています。これは戦う数億個の免疫細胞を導くために大変重要な物質なのです。

 

いくつもの役割や戦い方を持つ免疫細胞たちのアンテナにくっついて、戦いに導きます。

 

そしてサイトカインは血流に乗って脳の視床下部にある指令本部へと向かいますが、タンパク質でできているため血液脳関門を通ることが出来ません。

 

ウイルスや大きなタンパク質は脳に支障を起こす可能性があるので、通過できないようになっているのです。

 

そこで情報だけを組み込んだ「メディエーター」を作って関門から流します。すると脳本部はその情報をキャッチして、熱を発してさらに免疫力を上げるようにと体中に指令を出すのです。

 

急性胃腸炎が原因の発熱は必要なことなの?薬を飲んだらどうなる?

熱を発することは脳の指令だと言う事が分かりましたが、それと免疫力の関係はどう言う事なのでしょうか。

 

人の平熱は36度~36.5度程度が通常範囲ですよね。ひと昔前は、36.5度~37度が平熱でしたが近年は低体温化が進んでいるのです。この36度~37度くらいの体温は、人が生活しやすい体温ですが、実はウイルスにとっても活躍しやすい温度なのです。

スポンサーリンク

 

38度を超えると、ウイルスは弱ってきます。暑すぎて動きが鈍くなるのです。

 

人間の体の方はと言うと、37度から38度に1度熱が上がったことで、免疫力が25~30%も高くなっています。

 

発熱には2つの意味があり、1つはウイルスを弱らせる、2つ目は免疫力を向上させると言う事なのです。もしもここで解熱剤を飲んでしまったらどうなるでしょうか。

 

解熱剤の種類によって作用のあり方が違いますが、ロキソニンなどは血液脳関門を通り抜ける「メディエーター」である「プロスタグアンジン」にくっついて脳の指令部に情報が伝わらないようにする作用があります。

 

そのため、「発熱させよ!!」と言う指令が出ずに、ウイルスは弱まらず、免疫力も上がりません。

 

発熱は体が自分で自分を守るためにしている防衛反応なのです。無理に薬で止めてしまっては、その成果も出ずに症状が長引く恐れがあるのです。

 

解熱剤はいったいどんな時に飲むものなの?

発熱した時に解熱剤を飲まない方が良いなら、どうして解熱剤が存在しているのでしょう。

 

これは、あまりにも長く高熱が続いている場合などに、体力が落ちすぎてしまったり、熱性のショック症状をおこさないためやひきつけの心配がある場合には飲む必要があります。赤ちゃんの発熱時には、頓服薬として38度を超えたら飲ませるように処方されます。

 

このように、もともとの免疫力がまだ高くない場合や、高齢者などのように免疫力が低下してしまっている人の高熱に対しては、いくら発熱しても成果がでるほどの効果が生まれないことがあります。

 

その場合でも体は「これでもか!」と発熱する指令を出すので、何日も続けて無駄に高熱が出続けてしまう事があるのです。そんな時は、体力の温存を確保するために解熱剤で体温を少し下げてあげると、体はかなり楽になります。

 

解熱剤についての考え方として、「解熱剤=治療薬」と考えるのは大きな間違いなので注意しましょう。

 

解熱剤は高熱から平熱に下げる為の薬ではありません。40度の高熱が出ている時に解熱剤を飲んでも、一時38度くらいに下がってもまた上がってしまいます。

 

40度も熱を発しなければ勝てないような相手と戦っている時に、急に37度くらいにまで体温が下がってしまったら、戦いはどうなるでしょうか。

 

暑くて弱り始めたウイルスたちは、一気に元気を取り戻してしまいます。そして、自分の免疫力は1度体温が下がるごとに25~30%の力を失ってしまいます。その結果、当然病状は良くならず、ウイルスは体に存在し続けることになります。

 

まとめ

急性胃腸炎が原因の発熱時に、薬は飲まない方が良いのです。発熱は、体が発する自己防衛反応です。

 

体温が上がることで、ウイルスは弱り、自分の免疫力は上がります。

 

子供や高齢者のように、免疫力がもともと弱い状態の人は、高熱が出続けてしまう場合があるので、その時は解熱剤をしようします。解熱剤は、高熱を平熱に下げる薬ではありません。

 

少し熱が下がって楽な時間が出来たら、「水分を十分にとる」「眠る」などの時間にあてて、再びぶり返してくる発熱に備えましょう。