サルモネラ感染症とは

サルモネラ感染症は、サルモネラ菌による感染症です。サルモネラ菌は自然界に広く分布している菌で、牛・豚・鶏などの家畜、犬・猫・亀といったペットなどの腸管に住み着いています。河川や下水などにも存在しています。

 

下水を通じて動物の糞便と接したネズミ・ゴキブリ・ハエなどが媒介になることもあります。2000種類以上の型があり、重症の食中毒を起こすものも確認されています。

 

1g中に1万個以上の菌が増殖した食品を食べると感染すると言われ、症状としては急性胃腸炎でみられる下痢や嘔吐や発熱や腹痛などの症状をおこします。特に鶏肉や鶏卵からの感染が多く報告されています。

 

ノロウイルスやカンピロバクターなどの食中毒と比べて感染力は強くはありませんが、幼児や高齢者は少しの菌でも二次感染する可能性があり特に注意が必要です。

 

熱に弱く75℃以上1分間の加熱で死滅するといわれていますが、低温や乾燥には強い性質があります。

 

7月~9月の夏場に多く発生しています。

 

 

サルモネラ菌食中毒の症状は?

主な症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱です。特にへそ周辺の腹痛があり、発熱は38℃~39℃以上の発熱がみられ、他のウイルス腸炎に比べ高い熱になります。下痢を繰り返すことにより脱水症状も起こります。

 

1日~4日程度このような症状が続きます。

 

免疫力の低い子供や高齢者は菌血症など重篤化しやすい傾向があるので注意が必要です。

 

 

サルモネラ菌食中毒の原因は?

主に鶏肉・牛肉・豚肉・卵などの汚染された食品を、十分加熱されないまま食べることにより感染します。特に卵からの感染が多発しています。これは卵を生む親鶏にサルモネラ菌が感染し、腸や卵巣にすみつくことによって、卵の殻の表面や卵の中身が汚染されていることが多いためです。

 

一般的には、万一汚染された卵でも新鮮で割った直後であれば、生で食べても食中毒を起こす可能性は低くなるといわれています。

 

室温に長時間放置しておくと、殻に付いた菌が増殖しやすくなります。1998年に、家畜伝染病予防法が改正され、不活化ワクチンの使用が承認され、その後は減ってきているとはいっても依然注意は必要です。

 

また、生肉を調理した包丁やまな板で、野菜などの別の食品を調理することでも二次的に感染します。

 

乳幼児の場合は、菌量が少なくても感染しうるため、犬や猫、カメなどの動物を触った手から口に入り感染する場合もあります。普段の手洗いはとても大事です。

 

 

サルモネラ菌 潜伏期間は?

菌種にもよりますが、5~48時間と言われています。報告によっては8~72時間とされる場合もあります。

 

 

サルモネラ菌食中毒の検査の方法は?

最も多い検査方法は検便検査です。

 

便を採取し培養することでサルモネラ菌がいるかどうかを調べます。その他痰や血液などから検査する方法もあります。

 

どの検査方法も結果が出るまでに数日程度の時間がかかってしまうのが難点です。そのため症状や何を食べたかなどの情報から判断して治療を行うことが多いです。

 

 

サルモネラ菌食中毒の治療方法は?

サルモネラ感染症は、一般的には自然に治癒するため、感染初期や軽症の場合は、整腸剤や補液での対症療法を行います。

 

長引いたり重症化した場合は、抗菌薬投与による治療を行います。だだし、菌によっては抗菌薬に対する耐性を持っていることがあり効果がない場合もあることと、健常者の場合には、腸内細菌の乱れから、サルモネラ菌の排出が遅くなる可能性も指摘されています。一番有名なものは、Cochrane
Database Syst Rev 11:CD001167, 2012で紹介された767人の検査で、健常者の場合に抗菌薬による排出遅延の可能性が指摘されています。

 

 

ただし、免疫抑制剤を使用している方や小児や高齢者では、有益な場合もあると考えられているため、小児や高齢者では病院受診時の主治医の判断を仰ぐことが、より大事になってきます。

 

 

サルモネラ菌食中毒はうつる感染か?対処方法は?

卵や生肉を扱う場合、菌が付着していることを想定して慎重に取り扱うことが大切です。

 

鶏の唐揚げなど中心部まで十分に熱が伝わっておらず、中心温度が増殖に適した温度になっていることがあります。しっかりと熱が通っているか確認しましょう。

 

卵の殻の表面にヒビが入っている物は卵の中まで菌が入り込んでいる確率が高くなります。

 

明らかに割れている物はもちろん軽いスジ状のヒビのある物は、生で食べたり中心部まで熱が加わらない卵料理には使わないようにしましょう。

 

賞味期限をしっかり確認し、購入した卵はすぐに冷蔵庫で保存します。冷蔵庫から取り出した後調理のために割った卵は、常温下で放置しないようにしましょう。

 

特に卵黄と卵白を混ぜると細菌が増えやすくなるという報告があります。賞味期限が近い卵は、十分に加熱して(75℃以上で1分以上または65℃で5分間以上)、食べることが推奨されています。

 

二次汚染対策として十分な手洗いを行い、調理に使用した器具・食器類は十分に洗浄・消毒をしましょう。熱湯や次亜塩素酸ナトリウム(0.02%)、消毒用エタノールなど市販されている消毒剤が有効です。

 

高齢者・乳幼児・妊娠中の女性・免疫機能が低下している方は、生卵を避けるようにしましょう。ペットに触ったあとは必ず手洗いをしましょう。