腸炎ビブリオは2~5%の塩分濃度を好む菌で(好塩性菌)、海水や海底の砂や泥の中に存在している細菌です。

 

特に沿岸に近い場所や汽水域(真水と海水が混じる場所)に多く存在しており、そこに生息している魚介類のエラ・ウロコ・内臓などに付着していることがあります。

 

真水の中では浸透圧により細胞が破壊されるため生存できません。

 

海水温が20℃以上になると増殖が活発になり夏場に感染が増える感染症です。他の細菌に比べて増殖が速く、条件が良ければ(30~37℃)10分に1回分裂します。

 

4℃以下の低温ではほとんど増殖することができません。また熱に弱く、60℃で10分以上、100℃で1分以上の加熱により死滅します。

 

東南アジアなどの暖かい地域からの魚介類の輸入により、冬でも腸炎ビブリオを原因とする食中毒が発生することがあります。

 

腸炎ビブリオの症状は?

激しい下痢・腹痛・吐き気・嘔吐なとが主な症状です。軽い発熱を伴うこともあります。サルモネラ腸炎に比べると、熱はそれほど高くなりません。細胞を破壊する毒素のTDHと呼ばれる毒素が症状を起こしているとされ、血便などもみられることがあります。

 

In a case series of 345 sporadic V. parahaemolyticus infections in the United States, clinical manifestations of patients with gastroenteritis included diarrhea (98 percent), abdominal cramps (89 percent), nausea (76 percent), vomiting (55 percent), and fever (52 percent):Up to date

とあるように、下痢が98%、腹痛が89%、吐き気が76%、嘔吐が76%、発熱が52%で見られます。血便は29%ほどという報告があります。

 

腸炎ビブリオは激しい下痢が特徴的で、下痢が続くことによる脱水症状に注意が必要で、特に小児や高齢者は重症化しやすい傾向にあります。

 

 

腸炎ビブリオの原因は?

刺身・寿司などの生食、魚介類の加工品を食べることにより感染します。

 

二次感染としては魚介類を捌いた後の調理器具を介して、他の食品に付着することで感染が広がります。特に浅漬けなどは塩分を含んでおり、菌が増殖しやすいので注意が必要です。

 

また感染者の便を処理した後、手洗いや消毒が不十分な場合に感染することもあります。

 

 

腸炎ビブリオ 潜伏期間は?

2~36時間と幅がありますが、24時間以内に発症することが多いです。

 

 

腸炎ビブリオの検査の方法は?

検査方法は主に検便です。下痢や腹痛などの症状だけでは他の食中毒との区別が難しいため、便を採取して確定診断を行います。

 

 

腸炎ビブリオの治療方法は?

通常は1~3日程度で症状が治まるため、自然に回復するのを待ちます。

 

下痢による脱水には注意が必要で、こまめに水分を摂りましょう。脱水症状がひどいときは輸液を行います。

 

重症化した場合は抗生物質を使用する場合もあります。多くの抗生物質に感受性があるとされています。

 

 

腸炎ビブリオはうつる感染か?対処方法は?

魚介類は真水(水道水)で良く洗ってから調理をしましょう。

 

魚介類を捌いた包丁やまな板を十分に洗浄・消毒してから他の食材を調理することで、二次感染をを防ぐことができます。こまめな手洗いも有効です。

 

刺身や寿司は、食べる直前まで冷蔵庫で保管しましょう。

 

ただし、冷蔵庫で保管しているからといって菌が死滅するわけではありません。あくまでも増殖が抑えられるだけです。冷蔵庫や冷凍庫で保管する場合は、他の食材に触れないようにしましょう。

 

加熱調理する場合は、中心まで十分に熱が通っているか確認するようにしましょう。