憩室炎とはどんな病気?

憩室炎とは、憩室に炎症がおこる病気です。ただ、憩室という言葉がなじみがない言葉だと思いますので、まずは憩室とは何なのかを理解する必要があります。

 

小腸や大腸などの消化管は基本的には1本のクダになっているのですが、ところどころに憩室というブドウの房のような消化管から飛び出たような小部屋ができることがあり、これを腸憩室といいます。

 

発生する場所によって様々な名称や症状も異なってきます。代表的なものは、十二指腸憩室、空腸憩室、Meckel憩室、結腸憩室があります。

 

多くの憩室症は無症状なのですが、この中でも憩室症の合併症として炎症を起こすパターンがあり、その代表的な症状を有するMeckel憩室、結腸憩室に関して説明していきます。

 

 

Meckel憩室とは。その症状、合併症は?

Meckel憩室は回盲部(消化管の小腸から大腸へ移行する部分のことです)から口側数十cmに存在する先天性の憩室です。胎生期の卵黄管が遺残したものと言われています。

 

症状は原則は無症状ですが、このMeckel憩室が原因となって様々な合併症が起こります。

 

ひとつはこの憩室が邪魔になりイレウスという消化管の通過障害が起こったり、憩室の粘膜は障害されやすいので潰瘍が起こったり、あるいは腸重積といって腸が重なり、消化管の障害をきたす重篤な状態に発展することもあります。

 

そして今回のテーマでもある憩室という消化管の中の特殊な小部屋に炎症が波及し、憩室炎という疾患が起こります。特にMeckel憩室に憩室炎が起こった場合は、消化管穿孔といって消化管が破れてしまったり、汎発性腹膜炎といって腹膜全体に炎症が波及する重篤な疾患に発展してしまう危険もあります。

 

 

Meckel憩室炎の診断、検査や治療方法は

検査方法は腹部CTで画像診断されることもありますが、憩室症の特徴的な検査としては注腸造影といって消化管の中に造影剤を投与し、X線撮影で憩室を診断したり、放射線シンチグラフィという検査で放射性同位元素を投与する事で憩室の粘膜に特有に集積する像を見て診断することもあります。

 

治療は基本的には内科的な保存療法で、絶食にして点滴で栄養水分を補給し、消化管を休息させる事で治療します。消化管穿孔など重篤な合併症が生じた場合は外科的手術になることもありますが、憩室炎のみでそこまでの侵襲性の高い治療を行う事は基本的にはありません。

 

 

結腸憩室とは。その症状、合併症は

結腸憩室は、腸管の内圧が上昇し消化管粘膜の抵抗が弱くなってしまった事で後天的に消化管から脱出し憩室を発生する疾患です。我が国では3/4ほどが右側の結腸に発生し、40歳以上の中高年に好発します。

 

どちらかといえば日本国内より欧米人に多い疾患です。ただし、食の欧米化により増えてきています。

 

症状は原則無症状で、落ち着いている時はやや便秘になる程度の症状ですみます。

 

憩室炎に発展すると下腹部痛を伴いますが、場所が盲腸付近になりますので、右下腹部痛を自覚する事が多く、いわゆる虫垂炎との鑑別が必要になってきます。

 

 結腸憩室の診断、検査、治療方法

基本的にはMeckel憩室の項で記した内容と同じになります。

 

診断には腹部CT、注腸造影を使用します。

 

結腸憩室の特徴的な画像所見としては、tear drop signといって、腸の壁から突出したぶどうの房のような円形の憩室が描出されます。

 

結腸憩室が存在するだけであれば無症状ですので、憩室炎、潰瘍、などの症状があれば内科的治療を行います。

 

これもMeckel憩室と同様に、安静、食事療法、点滴療法で保存的に経過観察します。

 

当然、憩室炎から発展し、潰瘍から消化管穿孔に至るような重症例もありますので、その場合は開腹手術になり、大腸合併切除など大手術になることもあります。