このページでは、消化を考える上で大事な腸の動きについて解説します。

 

腸の動きのために-腸は何で出来ているのか

腸(消化管)の壁は、一部を除いてほとんどの部位で平滑筋という筋肉が周りを取り囲んでいます、

 

消化管運動は、①この平滑筋が自分勝手に動く自動運動で動く場合と、②外からもしくは壁の中に存在する神経からの調節での運動で動く場合と、さらには③ホルモンによる調節を受けて動く場合でコントロールされています。

 

このコントロールによって、部位ごとに消化をしやすくしたり、食べ物の栄養分を吸収しやすくしたり、という役割を果たしています。

 

 

消化管の解剖と3種類の運動方法

消化管の基本構造は、粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜という管腔側からの構造の中に、マイスネルの粘膜下神経叢やアウエルバッハの筋間神経叢などの神経や腺構造、血管がちりばめられた構造になっています。

 

普段私たちが何気なく生活している中で、「お、今腸が動いたぞ。消化頑張っているなぁ」なんて思う人はほぼいないと思います(いらっしゃったらごめんなさい)

 

ですが、小腹が減った時や、逆にお腹がいっぱいの時など、おなかの音を聞いたことがある人は多いと思います。おなかの音が鳴るのは腸が運動している証拠なんです。

 

腸だけに限らず、消化管は自分で動くことができます。例えば口の中と胃を繋ぐ食道は、食べたものを胃へ送るために運動しています。

 

座っている状態だと自然に進んでいきそうですが、実際にさかさまになってもものは食べることは出来ますよね。それは食道が重力に負けて食べたものが口へ戻らないように動いてくれているからです。

 

 

腸の運動の3種類

消化管の運動の種類は大きく分けて3つあります。蠕動運動(ぜんどううんどう)、分節運動(ぶんせつうんどう)、振子運動(ふりこうんどう)です。

 

 

①蠕動運動

蠕動運動の目的は食べものを前へ(肛門側へ)と進めることです。先ほど食道の例を挙げましたが、あれは体が逆向きの時に何かを食べるという、あまり日常生活では起こりえない出来事のことでした。ですが、もっとわかりやすく、重力に逆らって食べ物を前へ進めている場所が体の中にはあります。それが上行結腸です。上行結腸という場所で、腸に入った食べ物は上向きに進んでいくことが見てわかると思います。

上行結腸は右の寛骨臼(かんこつきゅう)のあたりから肋骨弓のあたりまで上へと昇っていく結腸です。そのため、上行結腸ではこの蠕動運動が他の消化管よりも強くなっています。

 

蠕動運動のイメージは、歯磨き粉をチューブから出すときを想像してみてください。出口に向かって、外からぎゅーっと閉まることで、中身が進むのです。

 

す。動きの全体像は非常に簡単で、食べ物が消化管の中にきたら、食べ物よりも口腔側は収縮し、肛門側は弛緩します。それを繰り返し行うことで、食べ物は先へと送られます。

 

 

②分節運動

分節運動の目的は消化管の中の食べ物を消化液と混ぜ合わせることです。混ぜ合わされない状態でまっすぐ進んでいっても、食べ物の真ん中の方は消化液と接しませんよね。ですので分節運動が必要になってきます。消化液と混ぜ話されて初めて食べたものは消化ができる状態になるのです。分節運動はいわば縦の方向で混ぜ合わせます。

 

 

③振子運動

振子運動も分節運動と同様に、食べたものを混ぜ合わせるための運動です。分節運動との決定的な違いは混ぜ合わせる方向の違いです。振子運動の場合は消化管が伸び縮みすることで混ぜ合わせます。

 

これらの運動は、カハールの間質細胞という細胞が制御していることが近年分かりました。カハールの間質細胞とは、ペースメーカーの役割を果たしていて、蠕動運動、分節運動、振子運動のタイミングを決定している細胞です。

 

 

消化管の神経支配

消化管は外来神経と腸壁内神経の2系によって支配されています。外来神経とはいわゆる交感神経、副交感神経です。腸壁内神経とは最小の方に述べたマイスネルの粘膜下神経叢とアウエルバッハの筋間神経叢のことです。これらの神経たちは感覚ニューロン、介在ニューロン、運動ニューロンとして働きます。