小腸には十二指腸、空腸、回腸の3部位がありますが、それぞれを栄養する血管は異なっています。

 

小腸に限ったことではありませんが、消化管の血管は体のエネルギー源や栄養素を消化し、吸収するため、多くの血液量が流れています

 

その証拠に、体の真ん中を通る腹大動脈(ふくだいどうみゃく)という体の中で最も太い動脈からの枝が消化管を栄養しています。腹大動脈から分岐する3本の枝はそれぞれ腹腔動脈(ふくくうどうみゃく)、上腸間膜動脈(じょうちょうかんまくどうみゃく)、下腸間膜動脈(かちょうかんまくどうみゃく)という名前です。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E8%85%B8%E9%96%93%E8%86%9C%E5%8B%95%E8%84%88

(Wikipediaの画像が、見やすくて参考になると思います)

 

それぞれの分岐が何を栄養しているのかは詳しく後で述べます。

 

腸に血流がたくさん送り込まれ、その血液の中に小腸で吸収した栄養が含まれ、門脈(もんみゃく)という静脈系の太い血管に集められます。門脈は肝臓の直前にある静脈のことで、様々な部位からの血液が肝臓で処理を受けるために集められています。非常に太い血管です。

 

さて、ここからは腹大動脈の枝が何を栄養するか解説していきます。

 

腹腔動脈からは左胃動脈(胃を栄養)、脾動脈(脾臓を栄養)、総肝動脈(さらに分岐)の3つがまずは分岐します。

 

腹腔動脈からでた総肝動脈は胃十二指腸動脈(さらに分岐)、右胃動脈(胃を栄養)、固有肝動脈(肝臓を栄養)に分岐します。

 

最後に、腹腔動脈からでた胃十二指腸動脈は右胃大網動脈(胃を栄養)、前上膵十二指腸動脈(膵臓と十二指腸を前から栄養)、後上膵十二指腸動脈(膵臓と十二指腸を後ろから栄養)に分かれ、腹腔動脈の分岐は完了します。このなかで小腸を栄養しているのは上膵十二指腸動脈です。

 

次に上腸間膜動脈は、下膵十二指腸動脈(膵臓の下部及び十二指腸を栄養)、中直腸動脈(横行結腸を栄養)、右結腸動脈(上行結腸を栄養)、空腸動脈(空腸を栄養)、回腸動脈(回腸を栄養)、回結腸動脈(上腸間膜動脈の一番最後の血管で回腸の一部や盲腸、虫垂などを栄養)に分かれます。このなかで小腸を栄養しているのは下膵十二指腸動脈、回腸動脈、空腸動脈、回結腸動脈です。

 

ただし、上腸間膜動脈は動脈であるにも関わらず変位が認められる場合があり、例えば肝臓まで枝を出している場合があります。

 

 

最後に下腸間膜動脈は左結腸動脈(左の結腸と栄養)、S状結腸動脈(S状結腸を栄養)、上直腸動脈(直腸の上の方を栄養)の3本です。

 

下腸間膜動脈は小腸というよりも大腸を栄養しています。

 

門脈に腸で吸収した栄養が集められるしくみ

さて、ここからは小腸は結腸を栄養した動脈がどの静脈を経て肝臓へ帰っていくかを解説していきます。

 

先ほど門脈と言う単語を出しました。門脈とは上腸間膜静脈、下腸間膜静脈、脾静脈、後上十二指腸静脈、左胃静脈、右胃静脈からなる太さ約1.09cmの太い静脈のことです。

 

 

上腸間膜静脈は回腸静脈、回結腸静脈、右結腸静脈、中直腸静脈、下膵十二指腸静脈、右胃大網静脈の6本の静脈が合流してできています。これらの静脈は全て小腸及び大腸を栄養していた血液で、各々の臓器を栄養したのちに栄養を吸収し、肝臓へと帰っていくのです。

 

下腸間膜静脈は一部で左結腸静脈と合流し、脾静脈とその後合流して門脈に達します。

 

門脈を経て肝臓に到達した血液は、その場で必要な処理を受けてヒトが用いることができるエネルギーを血液中から取り出します。

 

例えば、アルブミンというたんぱく質です。アルブミンは血液中にある血清タンパクのことで、アルブミンがないと血液が少なくなります。これはアルブミンが血液の浸透圧を保っているからです。

 

このようにして小腸を栄養している血管は肝臓へと戻り処理をうけるのです。