胆汁は無機化合物と有機化合物の水溶液のことで、毎日肝臓から600ml~800mlの胆汁が作られています。

 

胆汁は肝臓の細胞である肝細胞が合成します。その後肝細胞同士の間にある、最終的には胆嚢に通じる毛細胆管という管に流し込まれます。毛細胆管は次第に太くなり、肝内胆管となり、肝臓の外にでると肝外胆管とその名を変えます。

 

肝外胆管以降はそのまま十二指腸に分泌される場合は総胆管を通り、消化に差し当たって不要であると判断された場合は横にそれて胆嚢に貯蔵され、後に排出されます。

 

胆嚢に貯蔵された分はその場で濃縮されることも知られています。

 

胆汁の成分は胆汁酸、リン脂質、コレステロール、胆汁色素(メインはビリルビン)などの、有形成分のいわれる胆汁の中に溶け込んでいる物質と、電解質(ナトリウムイオンや炭酸イオンなど)からなっています。先に述べた有形成分の大半は胆汁酸という物質からなっています。

 

胆汁酸は肝臓の細胞の中の細胞小器官と呼ばれる構造内で複雑、かつ多段階的に過程で合成されるので、ここでは詳しく述べません。

 

が、胆汁酸はコレステロールのある特異的な部分にヒドロキシル基が付加され、「コレステロール-7α-ヒドロキシラーゼ」という酵素によってコレステロールがコール酸という名の物質に変換されること、このコール酸(とケノデオキシコール酸という物質とともに)が胆汁酸の中の物質の含有量の大部分を占めていることくらいは覚えておいてもいいかもしれません。

 

 

さて、ここまで胆汁酸について説明してきましたが実際に小腸で消化吸収にあたる胆汁には胆汁酸という物質は含まれていません。

 

胆汁酸はどこに行ったのかというと、実は胆汁酸は肝臓で合成されたのち、胆汁酸塩という物質に変換されたのちに分泌されるのです。

 

胆汁酸はそのままでは脂肪を吸収する能力が低いため、さらに追加物資を受け取って強い戦士になる(=強い消化吸収を助ける物質になる)と考えてください。

 

このことは専門的に言えば胆汁酸塩になることでより強い界面活性剤になる、と言えます。そのため、胆汁には胆汁酸ではなく胆汁酸塩が含まれているのです。

 

 

また、胆汁酸塩は2種類存在します。コレステロールから合成されるのが一次胆汁酸塩で、詳しくは後で述べますが腸管循環によって小腸から肝臓に返ってきて、再び小腸へ分泌されるものが二次胆汁酸塩です。

 

腸肝循環とは、肝臓から分泌された一次及び二次胆汁酸塩が門脈を通じてまた肝臓に返ってくることのことです。胆汁酸塩はそのままの形で帰ってくることはなく、胆汁酸に戻ってしまった状態で肝臓に返ってきます。肝臓では胆汁酸をまた胆汁酸塩にして小腸へと分泌します。この流れが腸肝循環です。胆汁酸及び胆汁酸塩は何度も使いまわされるということですね。

 

 

さて、ここからは胆汁の役割についてです。

 

胆汁は消化吸収のために小腸へと分泌されますが、消化酵素は含んでいません。胆汁の真の役割は、十二指腸で膵液と混ざり合うことで膵液の消化酵素を活性化し、脂肪やタンパク質の分解及び吸収をしやすくすることです。

 

分解した脂肪は脂肪酸とグリセロールになりますが、これらの物質を乳化し、小腸細胞内への吸収を促進する働きもあります。

 

どちらにせよ、胆汁はあくまでも消化を行わず、膵液の消化酵素の手助けをしているだけにすぎないこと、脂肪を分解し吸収する際には胆汁の中の胆汁酸塩がその役割を担っていることを覚えておきましょう。