胆管癌は消化器系の悪性疾患の中でも予後の悪い疾患です。

 

胆管とは肝臓から生成された胆汁を胆嚢に、あるいは十二指腸へ運ぶ管腔臓器で、ここに癌が発生する場合を胆管癌といいます。

 

発生頻度は胆のう癌とほぼ同程度であり、50歳以上に多く、男女比は2:1でやや男性に多くなっています。また、胆のう癌と異なり、胆石合併率は低くなっており、膵臓と胆管の合流異常や、先天性の総胆管嚢腫などが危険因子のひとつ、と言われています。

 

病理学的には分化型腺癌が多くなっています。癌は病理学的に分化型、未分化型とに別れ、一般的には未分化型のほうが増殖スピードも速く、悪性度は高くなっています。

 

 

胆管癌の症状

進行性の黄疸(顔や目が黄色っぽくなる症状)や、肝臓の腫大、腹痛、Courvoisier signと呼ばれる下部胆管閉塞による胆嚢の腫大のほか、消化器の不定愁訴が上げられます。

 

ここで黄疸に関して詳しく説明しておきます。本来、肝臓で生成された胆汁が胆嚢に貯蔵されたり、胆管を通って十二指腸へ排出され便汁の一部になります。胆汁の生成成分の中に黄褐色の胆汁酸が含まれており、そのため便は茶褐色の色をしているのです。

 

この胆汁が胆管の閉塞などで正常なルートから排出されず肝臓を通って全身の血中へ逆流する事で皮膚が黄染し、黄疸とよばれる症状が出ます。

 

眼球が黄色くなっていたり、顔面の皮膚色が黄色になっていると黄疸の注意が必要になります。

 

 

胆管癌の検査、診断

まずは血液検査で肝機能関連の値をみます。閉塞性黄疸を併発していると、血中ビリルビンが上昇します。また、肝機能異常を併発しているとアルカリホスファターゼやγGTPといった肝胆管系の数値に異常を示します。

 

腹部超音波も有効な検査です。胆管癌があると総胆管の拡張や閉塞、壁不整などが認められます。

 

最も有効な検査は上部消化管内視鏡の中でも特殊な検査であるERCP(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography)内視鏡的逆行性胆道膵管造影といって、内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査があります。

 

ERCPは、口から十二指腸まで内視鏡(胃カメラ)を入れ、その先端から膵管・胆管の中にカテーテルを挿入します。 カテーテルから造影剤を入れて、膵管や胆管のレントゲン写真をとります。そうすると、胆管の管腔構造や走行がより鮮明に描出されるので診断の大きな手がかりとなります。

 

 

他にもEUS(endoscopic ultrasonography)超音波内視鏡を用いて、十二指腸内から、中下部胆管癌をほぼ100%、深達度を80%の正誤率で診断出来ると言われています。

 

少し特殊な検査ですが、IDUS(intraductal ultrasound)胆管内超音波を用いて、胆管内から胆管壁の微細構造を描出し、90%の症例で深達度を診断可能といわれています。

 

ただし、早期では自覚症状が乏しいため、見つけることがとても難しい癌でもあります。

 

 

胆管癌の治療

黄疸が見られて、肝内胆管の十分な拡張を伴った症例では、まず胆汁のドレナージ術(胆汁を排出する治療)を行います。このとき行い手技にPTCD(percutaneous transhepatic cholangio drainage)経皮経肝胆管ドレナージを用いて、体表から胆管へチューブを挿入し、胆汁を排出します。

 

そして、胆汁ドレナージを施行後に、根治が期待出来る場合は手術療法を行います。

 

手術の術式は胆管癌が発生する場所によって異なります。

 

肝門部といって肝臓のすぐ下に発生した場合は、肝葉切除+中部胆管までの胆管切除+胆嚢摘出術になります。

 

中部胆管癌の場合は、胆管切除+肝門部肝切除+膵頭十二指腸切除術を行います。

 

下部胆管癌の場合は、膵頭十二指腸切除術を行います。

 

そして手術不能の症例に対しては、化学療法や放射線療法が行われます。

 

 

胆管癌の予後について

前述のように胆管癌は非常に予後の悪い疾患です。理由は、早期発見が難しい臓器であり、見つかった時にはリンパ節等を介して既にあちこちに遠隔転移を起こしていたり、胃や大腸と違って癌細胞が発生した時に解剖学的に完全摘出が困難な位置にあるからです。

 

胆管癌全体での5年生存率(癌と診断され、加療を行い5年間生存した確率)15〜20%前後と、悪性疾患の中でも最も予後の悪い部類になります。

 

早期胆管癌の場合は5年生存率は95%前後と言われており治療成績は良好なのですが、先ほどに示した理由で早期発見が非常に困難な疾患です。