B型肝炎とは、A〜E型肝炎まであるウイルス性肝炎の1型で、成人発症ではB型肝炎ウイルス抗原の人と性的接触をした場合に起こるのがほとんどです。昔と比較し、輸血による感染は激減しました。

 

多くは一過性に経過し、キャリア化は稀であり、キャリア化しなければ慢性肝炎や肝硬変に進展することはありません。

 

キャリア化するパターンとしては、まずひとつに母児感染があります。B型肝炎ウイルス抗原陽性の妊婦から児に対して免疫グロブリン、ワクチン等の処理をしなければ、児の約95%以上はB型肝炎キャリアになります。

 

3歳未満での免疫脳未発達の時期の感染、分娩時の胎盤損傷による母児感染時には、B型肝炎ウイルスに対して免疫寛容状態にあるため、慢性化することが多くなっています。

 

もうひとつは、輸血や医療行為での針刺し事故など、性行為から感染し、極わずかの確率でキャリア化するパターンです。

 

 

B型肝炎の症状

感染パターンによって急性肝炎として発症するか、いきなり慢性肝炎として発症するかに分かれます。母児感染からのパターンとしては、一旦無症候性キャリアーとなり90%は安定化します。残りの10%が慢性肝炎として発症します。

 

輸血や医療事故による感染の場合は、20〜30%が急性肝炎として発症し、残りの70%ほどは不顕性感染となり、ほぼ100%治癒してしまいます。

 

急性肝炎の場合は症状は前駆期、黄疸期、回復期の3段階に分かれ、前駆期は全身倦怠感、不定消化器愁訴、発熱、筋肉痛などです。黄疸期になると、黄疸、皮膚掻痒感、肝腫大が見られます。そして回復期には、これらの全身症状の改善が認められます。

 

慢性肝炎の場合は、特に目立った自覚症状が無いことが多いです。

 

 

B型肝炎の検査、診断

肝炎症状と思われる症状が発生すると、まず血液検査で肝機能酵素の異常が見られます。そして、ウイルス性肝炎を疑い、B型肝炎ウイルスの抗原抗体をチェックします。

 

このとき確定診断にするために、HBVマーカーを測定します。B型肝炎ウイルスのDNAを直接定量する方法で、DNAポリメラーゼ、DNAプローブ法などがあります。

 

 

B型肝炎の治療

B型肝炎の治療は、進歩が進んでおり、ガイドラインもどんどん変わります。

https://www.jsh.or.jp/files/uploads/HBV_GL_ver2.2_May30.pdf

 

B型肝炎であることが確定すれば、治療方法を選択します。

 

また、平行して食事療法で適切なカロリー食とタンパク食をとり、肝臓を休めます。

 

さらに直接B型肝炎ウイルスを叩くために抗ウイルス療法としてインターフェロンやラミブジンなどの核酸アナログ製剤を使用します。

 

インターフェロン療法とは、ウイルスのメッセンジャーRNAの破壊によりウイルスの蛋白合成を直接阻害する治療法です。副作用として、うつ病や錯乱、血小板や白血球の減少、甲状腺炎、間質性肺炎、蛋白尿等を併発します。特にうつ病が発症してしまうと、インターフェロン療法自体を中止せざるを得なくなる時があります。

 

このようにインターフェロン療法はウイルス性肝炎の治療薬としては効果が認められるものの、副作用が多種多様であり、その程度も重篤になることがあります。ですので、インターフェロン療法を行う際には患者本人、できれば家族も十分に治療内容、副作用の程度等を理解しておく必要があります。

 

さらに、グリチルリチン製剤として強力ミノファーゲンを投与し、肝細胞を保護していきます。

 

核酸アナログ製剤は、B型肝炎の型がその時の状態などによっても治療方法が変わってくるため、肝臓専門医の下で治療を受けることを推奨します。

⇒外部リンク;肝臓専門医一覧

 

B型肝炎の治療には上記内容で長期のフォローが必要で、肝機能検査は月1回、腹部エコーは約半年に1回行っていきます。

 

 

B型肝炎キャリア化の予防

初めに感染経路に関して説明しましたが、母児感染からのキャリア化を予防することが出来ます。

 

まず、B型肝炎キャリアの妊婦から生まれた出生時に対して出生48時間以内にHBIG(抗B型肝炎ウイルスヒト免疫グロブリン)を投与し、すでに胎児の体内に侵入したウイルスを高力価の抗体で中和排除することにより、B型肝炎ウイルスを排除します。

 

その後、出生2ヶ月後、3ヶ月後、5ヶ月後と合計3回、B型肝炎ウイルスワクチンを投与し、人工的にB型肝炎ウイルス抗原を接種することで抗体を能動的に産生させ感染を予防します。

この手順を踏むことで、母子感染防止率は約95%に達すると報告されています。