酸化マグネシウムとはどのような薬か

酸化マグネシウムは、便秘薬として広く一般的に使用されているお薬で、「カマグ」と略されて呼ばれることが多いです。

 

便秘とは大腸の蠕動運動が十分行われないことによって起こりますが、便に水分がない場合にも便秘になります

 

イメージとしては硬い便が大腸にこびりついてしまい、蠕動運度があっても上手く排泄することができないというものです。酸化マグネシウムはこのような硬い便に対して効果を発揮します。

 

また、便秘に対して使用するお薬ですが、制酸剤(胃酸を中和するお薬)としても使用されています。

 

酸化マグネシウムは便秘の時にどのような作用をするか

酸化マグネシウムの有効成分は、文字通り酸化マグネシウムというものです。酸化マグネシウム自体は胃・小腸・大腸などの消化器官で吸収されることはありません。

 

酸化マグネシウムが水分を保持する働きがあります。

 

食物が消化吸収される過程において、水分を含んだ酸化マグネシウムが、食物の間に入り込みます。その状態で消化吸収が進みますが、水分を含んだ酸化マグネシウムは消化吸収されませんので、そのまま便として固められます。

 

固められますが、水分が含まれているため十分固められず、やわらかい便として排泄されます。

 

また、大腸に存在する水分が抜けて固まった便と接触することによって、その硬い便に適度に水分が与えられ、便をやわらかくします。

 

結果として、すべての便が柔らかくなるという作用です。ただし、便をやわらかくする働きはありますが、センノサイドやラキソベロンなどのように大腸の蠕動運動を促進する働きはありません。自身の大腸の働きが必要になります。

 

また、服用方法ですが、少ない水で服用するよりもコップ1杯程度の比較的多くの水と一緒に服用したほうが効果は高いです。

 

 

酸化マグネシウムのエビデンス・便秘に対する効果

酸化マグネシウムは、非常に古くから使用されており、日本薬局方(通称、局方と呼びます)にも記載されているくらい古いもので、1979年1月に薬価収載されています。

 

その時点では、現在のGCP)Good Clinical Practice、臨床試験実施のための法律)はありませんでしたが、その後1982年1月に再評価が実施されており、その結果が示されています。明確なデータはありませんが、結果が公表されています。(便秘に関するものを抜粋)

http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/item/40/other/interview.pdf?1483662681

 

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再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容

再評価結果公表年月日:1982 年 1 月 8 日(酸化マグネシウムとして)

再評価結果の内容

【各適応(効能又は効果)に対する評価判定】

(1)有効であることが実証されているもの

○便秘症

【用法及び用量】

○緩下剤として使用する場合: 酸化マグネシウムとして、通常成人 1 日 2g を食前又は食後の 3 回に分割経口投与するか、 又は就寝前に 1 回投与する。

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再評価結果を見ていただくと、おもしろいデータがあります。

 

(2)有効であることが推定できるもの:尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防
(3)有効と判定する根拠がないもの:酸中毒・重金属中毒・砒素中毒の解毒作用

このように以前は明確な根拠がないものでも承認されていたようですが、再評価の結果、効果がない・疑わしいものは効能効果から削除されています。

 

このことからわかることは、便秘に対する効果があると明確に認められている問いことです。

 

 

酸化マグネシウムは子供に使用できるか

酸化マグネシウムの添付文書を見ると、小児に関する記載はありません。しかし、酸化マグネシウムは体内にほとんど吸収されないことや、医師の管理下で処方される用量であれば、特に問題ないとされており、実際に処方はされているケースもあります。

 

病院によって多少異なりますが、多くの病院において用量は「Augsbergerの式」を用いて投与量が決定されています。Augsbergerの式では2歳以上の小児を対象としていますが、その考え方から生後1ヶ月の乳幼児に対しても使用されることもあります。

 

ただし、これはあくまでも医師の管理下(裁量による処方)で行うことを必須としています。市販の酸化マグネシウムをむやみに子供に使用することは、絶対にしないでください。

 

 

酸化マグネシウムの副作用

重大な副作用として報告されているものは、高マグネシウム血症です。初期症状としては悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等が発生し、重篤化すると呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることもあります。

 

その他には下痢が報告されていますが、これは酸化マグネシウムの効果に由来するものです。

 

 

酸化マグネシウムは腎不全の時に注意すること

基本的に酸化マグネシウムのマグネシウム成分が体内に吸収される量は、ごくわずかです。したがって、腎機能が低下していなければ、長期間使用していても特に気にすることはありません。

 

しかし、腎機能が低下している高齢者や腎不全に近い機能障害がある場合、マグネシウムを体外に排泄できず、蓄積します。(ただし最近の報告では、慢性腎不全患者では慢性的に軽度のマグネシウム欠乏がある方が一定の率でいることも知られており、+となる場合も-となる場合もあることを知っておくとよいでしょう)

 

初期症状としては悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等です。このような症状が認められたら服用を中止して医師の診断を受けるようにして下さい。