漢方薬にはいろいろな生薬が入っており、下痢の原因になることがありますので解説します。

 

もともと、便秘のときによく使用される漢方で大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)があります。これは便秘を解消するために腸を動かすことで便を出す作用のある漢方薬です。

 

この中に含まれる大黄という成分は、飲む人によっては効きすぎて下痢になってしまうことがあります。

 

そのため、もともと漢方薬を服用している目的が下剤としてでなく別の病気に対して飲んでいる場合も、下痢になってしまうこともあります。

 

また、乳糖コーティング漢方エキス製剤という乳糖でコーティングされている漢方薬製剤の場合、日本人は乳糖不耐症による下痢が多い国というのもあり、下痢の原因になりえます。

 

乳糖不耐症は、体調によっても症状の強さが変わります。そのため、もともと牛乳を飲むと下痢しやすいという方は、その漢方薬が乳糖コーティングではないか薬局などで聞いてみるとよいでしょう。

 

証に合わず(体に合わなくて)副作用として下痢が出る場合もあるかもしれませんが、漢方の場合には生薬の成分によって下痢が起こってしまうこともあります。

 

 

では、どのような漢方薬が下痢になりやすいでしょうか。例を挙げてみます。例えば、最近のはやりのダイエットのための漢方としてよく売られるようになった漢方薬に防風通聖散があります。

 

防風通聖散はもともと、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症というただし書きがついており、高血圧の随伴症状(動悸、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘の効能があるとされています。(株式会社ツムラの添付文書情報より)

 

この効能を見れば明らかに、便秘を解消する=体質によっては下痢になるだろうというある程度の予想はつくと思いますが、実際にテレビなどのコマーシャル、宣伝などで強調されているのは「肥満症に効く」というダイエット効果ばかり言われており、下痢をするかもしれないということにはすぐには結びついていきません。

 

最初のただし書きにあるように、「便秘がちなもの」に対して使われる漢方であることを見失いがちで、不意な下痢になる可能性があるのです。

 

他には例えば、大柴胡湯(ダイサイコトウ)という漢方薬があります。漢方薬の効能としては多岐にわたり、医師から処方される場合、比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴うものの次の諸症というただし書きがあります。

 

適応される症状としては胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症 があります。(株式会社ツムラの添付文書情報より)

 

その中で、上の症状に効く=便秘ではないと考え、全く関係ないと思われるじんましんのような皮膚病でかかった場合に処方され服用する場合、不意な下痢になる可能性があります。

 

 

もともとの作用として下痢を起こすような漢方薬でよく使われている生薬はダイオウ、ボウショウなどがあります。これらの入っている漢方薬では下痢が起こる可能性があります。

 

必要な薬は続けたり、他の薬に変えていくなど主治医と相談して決めることが最も大事です。下痢のことも含めて、ちゃんと医師、薬剤師と漢方薬というものの話をしながら服用の継続を判断することが大切です。