尿路結石とは、腎臓から膀胱に至る「尿管」という尿の通り道に、石ができてしまう病気です。この石というのは、尿成分の一部が析出し結晶化したもので、これらが集合し、増大して、尿路内にとどまった状態の疾患をいいます。

 

性差は男性に多く、男性は女性の2倍以上となっています。

 

好発年齢は30〜50歳代に後発します。有病率は10万人に対して70人程度です。

 

結石の発生する場所により大別され、腎臓、尿管にできる上部尿路結石と、膀胱、尿道、前立腺に結石ができる下部尿路結石とに分かれます。比率としては、上部尿路結石は95%を占め、下部尿路結石は5%にすぎないと言われています。

 

日本の生涯罹患率(1生のうちにかかる率)は男性15.1%,女性6.8%という報告が2005年ですがあります。

 

尿管結石症の原因

原因は多種多様にあります。

 

原因がはっきりしないものも多いですが、食事との関連も言われています。高齢の女性の場合は、カルシウムのサプリメントを飲んでいたりすると結石のリスクになりますし、男性では動物性たんぱくの摂取が多すぎると結石になりやすいとされています(Brenner)

 

腎・尿路結石は結石のタイプが重要で、尿の成分により分かれます。

アルカリ尿の場合は、リン酸結石、シュウ酸結石、

酸性尿の場合は尿酸結石、シスチン結石、高カルシウム尿の場合はシュウ酸結石という3タイプに分かれ治療薬の種類が変わってきます。

 

食事だけではなく、基礎疾患として内分泌・代謝異常を抱えている場合があります。

 

最も多いカルシウムによる結石となりやすい病気は、高カルシウム尿症をきたす疾患である、原発性副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、ビタミンD中毒症やシュウ酸代謝異常、尿酸代謝異常を示す痛風、シスチン尿症などがあります。

 

次に尿路の感染も腎・尿路結石の原因となります。代表的なものはウレアーゼ産生菌の細菌感染により生じるリン酸マグネシウムアンモニウム結石というタイプの結石が生じます。

 

または、長期臥床により尿流の停滞が起こり結石の原因ともなります。

 

 

 

尿路結石の症状

3大症状としては、血尿、疼痛、排尿異常です。痛みの特徴としては、腎部の疝痛、下腹部から会陰部へ放散する痛みを訴えます。感染症を併発することが多いので、炎症症状を呈します。

 

尿路に結石がある時は背中を叩くと痛みが背中全体に響き渡ります。

 

 

尿路結石の検査、診断

まずは問診でしっかり既往歴(これまでかかったことのある病気)を確認することが重要です。腎・尿路結石は繰り返す疾患ですので、排石の既往、痛風の有無などを聞いておく必要があります。

 

尿路結石の一部は、腹部単純レントゲン写真で診断可能です。ただし、きにしないと覚えるのですが、キサンチン・尿酸塩・シスチン結石はレントゲンでは移りません。ただ、腹部CT検査では、X線陰性の結石(尿酸塩、キサンチン、シスチン結石)を含め、あらゆる結石が描出されます。

 

他には腹部エコーでも結石を描出することが可能です。

腹部超音波と尿管結石症

 

 

腎・尿路結石の治療に関して

まずは保存的治療を行います。腎、尿管疝痛に対しては鎮痛薬や鎮痙薬を用います。

 

10ミリ以下の結石は自然排出が期待出来ますので、水分をしっかり摂取して1日尿量を2リットル以上になるように多飲摂取あるいは点滴補充を行います。

 

そして結石融解療法を使います。これは前述の結石タイプにより治療法は異なり、薬物で確実に溶解可能なものは、シスチン結石と尿酸結石です。他の成分の結石に対しては、治療というよりも増大と再発の予防を期待したものになります。

 

尿酸結石の場合は、アロプリノールという尿酸合成阻害薬で、シスチン結石にはd-ペニシラミンを、カルシウム結石にはサイアザイド利尿薬を使用します。

 

これでも軽快しない場合や腎機能障害、持続する尿路閉塞、感染症の合併がある場合は、手術療法や体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を選択します。

 

緊急を要する病態(感染症にもなってしまった時や腎不全になってしまっている場合)では、腎ろう(体表から腎臓にカテーテルを直接通し、尿を強制的に排出する治療方法)を増設したり、尿管ステントという尿管を広げる処置をし、まずは尿路の閉塞を解除します。

 

 

そして、ESWL(体外衝撃波結石破砕術)を行います。これは超音波の衝撃波で石を砕く方法で、大きな腎臓内結石や腎盂という腎臓の出口周囲の結石、6ミリ以上の尿管、膀胱結石に対して行います。

 

また、経皮的腎尿管砕石術や経尿道的尿管砕石術といって内視鏡を用いて結石を砕く治療を行います。

 

これでも結石除去せず病態が改善しない場合は、開放手術で治療します。腎盂切石術や場合によっては腎部分切除術で直接結石を取り除きます。