ガスターとは、胃酸の分泌を抑えることによって、胃のむかつき、吐き気、胃痛、逆流性食道炎、胃潰瘍などの症状を抑えるお薬です。

 

ガスターのような医薬品は、一昔前までは医師が発行する処方箋がなければ入手することができませんでした。しかし、2006年の薬事法改正(2009年6月1日施行)により、一部の医薬品に限り薬剤師その他の医薬関係者(登録販売者)から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的であるならば、薬店などで販売が可能とされました。

 

 

簡単にいうと、ドラッグストアや一部のコンビニや通販でも購入できるお薬になったということです。この非常に馴染み深い薬となったガスターについてご紹介させていただきます。

 

 

ガスターの作用機序

人間が食べ物を消化するためのステップとしては、口で小さく噛み砕き、アミラーゼで糖分が分解されます。

 

しかし、食物に含まれるその他の物質の大部分は、胃より分泌される胃酸により分解されます。

 

この胃酸が分泌させるためには、ヒスタミンが特定の受容体に結合し、シグナル伝達をする必要があります。その受容体とはH2受容体(ヒスタミンH2受容体)と呼ばれるものです。

 

その他にも胃酸を分泌させる受容体としてガストリン受容体、アセチルコリン受容体があります。3つの受容体の中で胃酸を分泌させる働きの強さを比較しますと、H2受容体が最も強いことが判明しています。

 

ガスターは、このH2受容体にヒスタミンが結合することを防ぐことで、胃酸の分泌のためのシグナル伝達を防ぐ働きがあります。

 

ガスターのエビデンス

消化管潰瘍に対する効果

ガスターの消化管潰瘍に関する臨床試験や研究は非常に多く実施されているようです。

 

そのデータの集積を紹介します。(カッコ内は症例数を示しています。)

80%以上の症例に対して有効であることが示されており、非常に有効であることが示されています

 

 

NSAIDsとの潰瘍予防について

NSAIDsを併用されている患者様に対して、保険適用目的で処方することは承認されていません。

 

したがって、もし、ガスターをNSAIDs潰瘍予防に対して処方するのであれば、保健適用外、つまり自費診療となります。

 

その理由としては、ガスターがNSAIDs予防効果を確認した明確なデータに欠けるからですが、海外の研究において効果があるとされている論文もなくはないです。ただしPPIのほうが効果やエビデンスは強いです。

 

ガスターをNSAIDs潰瘍予防目的に処方するよりも、PPIやサイトテックを処方することのほうが一般的です。

 

アスピリンとの併用について

脳梗塞や心筋梗塞予防のために低用量アスピリンを服用している場合、胃潰瘍が生じることがしられています。ガスターがこの潰瘍を予防することができることが、過去の学会で報告されています。

 

第40回米国消化器病週間(DDW2009)

低用量アスピリン(75~325mg/日)服用患者404例を対象とし、ファモチジン群(202例)とプラセボ群(200例)に分けて二重盲検下で、12週後に内視鏡で食道炎・胃炎・十二指腸潰瘍の発現を比較するものです。ファモチジン及びプラセボは1日2回の投与でした。

 

結果、プラセボ群では66例(33%)に対して、食道炎・胃炎・十二指腸潰瘍が認められましたが、ファモチジン群では12例(5.9%)となり、有意差がついています。

 

ガスターの副作用

ガスターは市販後の使用成績調査が行われており、20137例を対象に調査が実施されています。

 

その結果認められた副作用症例は360例(1.8%)で主なものは、便秘と白血球減少ということです。2万例も投与して1.8%の症例にしか副作用が発現していないというのは「副作用はの頻度は多くない」と言えます。(もちろんどの薬も注意は必要ですが)

 

その他の副作用は以下のとおりです。

 

【重大な副作用】

ショック・アナフィラキシーショックや、再生不良性貧血・溶血性貧血など、Stevens-Johnson症候群中毒性表皮壊死症、肝機能障害、横紋筋融解症、QT延長なども認められています。

 

【その他の副作用】

過敏症として発疹や皮疹、便秘や下痢・軟便、嘔気・嘔吐、食欲不振、肝機能障害頭痛、眠気、不眠などが報告されています。詳細はガスターの添付文書を参照ください。

http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00049384.pdf