便がなかなか思うように出なくなってしまって、なかなか治らないな、というとき、病気なのか体質なのかが気になりますよね。

 

 

便秘も、病気が原因の便秘から体質によるものまであり、自分で考えているだけではどちらかわからないことが多いです。また、50歳以上の方は便秘の原因で、癌を調べたほうがよいというガイドラインも海外にはあったりします。そのため、同じ便秘でも、年齢や症状によって必要な検査や治療が異なります。

 

このページでは、もし病院に便秘の相談に行ったら、どんな流れで診てもらえるかを解説します。

 

 

診断のポイントから、診察の流れを解説します。

まず、年齢が若いのか、中高年以降なのかそうでないのかで分けます。50歳以上の方(医師によっては40代から)で比較的短期間に増強する便秘では、癌じゃないかどうかをまず考えます。

 

なぜなら、海外の研究やガイドラインでは、50歳以上の人には検診として大腸癌の検査を勧めているのですが、日本での実施率は高くないためです。そして、癌であれば早く発見して治療した方が良いからです。

 

実際に、外来で便秘の方に大腸カメラ検査をして癌が見つかった、という方はとてもたくさんいらっしゃいます。その中には早期の癌で、大腸カメラだけで治癒できてしまう方も多いです。

 

そして、それ以外にも症状をおたずねして、血便(便に血が混じること)、体重減少(半年間で5kg以上減る場合)、発熱、腹部異常所見(押すとしこりを触れる、押すと痛い)などの症状があれば、何らかの病気が隠れている可能性を考えて、検査を進めていきます。

 

手順としては腹部単純レントゲン写真で腸管ガス像の異常の有無を評価したり、必要に応じて注腸X線撮影検査、大腸内視鏡検査、腹部超音波検査、腹部CT検査などで評価していきます。

 

 

治療の原則

何かの病気が見つかれば、みつかった病気に対する治療が優先されます。また、お話を聞いた結果、病気ではなさそうで、薬剤性(飲んでいる薬が原因)と考えられる場合には疑わしい薬を中止、あるいは薬を似た薬効の他の薬に変更を考慮していきます。

 

上の検査のところで、病気による便秘を見落とさない大事さをお伝えしましたが、実際に多いのは機能性便秘(つまり病気ではない便秘)で、生活習慣の改善、排便習慣の改善、食物繊維を豊富に含む食事や水分の十分な摂取、運動、腹壁マッサージの推奨などの指導が基本になります。

 

便秘外来では、上記の解説が得意な医師だったり、栄養士などを交えて指導しているところや、漢方や東洋医学の概念を使って治療しているところなどがあり、方法は病院ごとの個性があります。

 

つまり、便秘の外来の流れは①まず病気の除外、②薬などが原因でないか評価、③体質的な原因の便秘に対する治療や予防(専門外来だとこれがさらに特化される)という流れになります。

 

ただ、便秘がひどすぎて大量の便塊が大腸内に貯留しているようなご高齢の方の場合は、飲み薬だけでは効果が得られにくく、便秘が悪化すると腹痛や、まれに虚血性腸炎という病気を合併してしまう可能性があります。

 

このような場合にはグリセリン浣腸を用いたり、腸を刺激するのが心配な場合には、手で便をかき出す処置である「摘便」を行う場合もあります。ご高齢の方では、便秘への浣腸で副作用が出る場合があるので、浣腸の適応は慎重に判断する必要があります。

 

 

薬物療法

体質によって便秘を来している場合は緩下剤の投与を行うことが多いです。便秘の発症機序によって処方内容は変わってきますので注意が必要です。

 

弛緩性便秘

第一選択はマグネシウム製剤やパントシン錠剤などの塩類下剤を使用し、便を柔らかくすることで排便を促します。効果が不十分な場合は、プルゼニドやラキソベロンといった大腸刺激性下剤を使用します。

 

直腸性便秘

直腸粘膜を刺激するレシカルボン座薬などの座薬が有効です。実際には直腸性便秘に弛緩性便秘を併発していることが多いため、弛緩性便秘に対する処方を併用することが多いです。

 

けいれん性便秘

刺激性下剤の使用は避け、腸管運動を調整する薬剤や膨潤性下剤であるセレキノン錠やトランコロン錠を用います。塩類下剤や、抗不安薬の併用が有効なこともあります。

 

まとめ

便秘の外来の流れは①まず病気の除外、②薬などが原因でないか評価、③体質的な原因の便秘に対する治療や予防(専門外来だとこれがさらに特化される)という流れになります。

 

なるべく便秘薬に頼りたくない、自然な流れで出せるようになりたい、と考えて病院を探す方も、まずは「病気による下痢でないか」を確認してみることが大事です。

 

病院でできる必要な検査をして、そのあとに安心して便秘を治していくとよいでしょう。