下痢に嘔吐の症状が現れると胃腸炎を疑う人が多いと思います。

 

下痢と嘔吐だけで胃腸炎と判断できるのでしょうか?また下痢や嘔吐の時はどのような食事をすればよいのでしょうか。

 

胃腸炎について正しく理解しておくと、辛い下痢や嘔吐の症状から早く抜け出せるかもしれませんよ。

 

 

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胃腸炎の症状って下痢と嘔吐だけなの?

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胃腸炎とはどのような病気なのでしょうか?胃腸炎とは、胃・小腸・大腸の粘膜に生じた炎症のことをいいます。胃腸炎は「急性胃腸炎」と「慢性胃腸炎胃」の2つに分けられます。

 

「急性胃腸炎」は、突然の下痢や嘔吐を伴う病気で、一過性のものをいいます。一般に嘔吐は胃炎、下痢は腸炎の症状であることが多いです。

 

主な原因は微生物やその毒素が体内に入ったことで生じます。

 

①細菌性胃腸炎 

細菌が感染することで起こる腸炎で、夏季に多く起こります。

 

感染型と毒素型があり、感染型は感染後1~4日後に発症します。下痢、腹痛、発熱が見られます。サルモネラ菌やO-157などは聞いたことがあると思いますがこれが原因で起こるのは細菌性腸炎の感染型です。

 

一方の毒素型は食後2~24時間で発症します。悪心(おしん)、嘔吐、腹痛が見られますが、発熱することは少ないです。原因菌は黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌が有名です。

 

細菌が原因の場合は抗生物質を使ってと治療を行います。

 

②ウイルス性腸炎 

毎年冬になると流行するノロウイルスやロタウイルスなどが原因の腸炎です。

 

潜伏期間は1日~2日。有効な抗ウイルス薬がないため、主に対症療法(症状に対してそれを緩和させる治療)を行い自己治癒力(じこちゆりょく)に任せます。他にもアデノウイルスやエンテロウイルスなども腸炎を起こす感染症の代表です。

 

どちらも便や吐物などからの接触感染が主ですが、乾燥した吐物などからウイルスが舞い上がり空気感染することもあるので適切な対処が必要です。

 

急性胃腸炎の感染以外の原因としては、毒素のある化学物質や薬などが原因になることもあります。このような毒素の多くは、毒キノコや特定の魚介類などが産生するもので、感染症ではありません。

 

またヒ素、鉛、水銀、カドミウムなどの化学物質で汚染された水や食べ物を摂取したときにも、その毒性で胃腸炎になります。

 

薬の副作用による胃腸炎は抗生物質や化学療法、下剤の乱用などでも起こります。薬が胃腸炎の原因になっているかどうかは判断が難しいので、医師に相談しつつ薬を中断したり変更するなどの対応をする必要があります。

 

「慢性胃腸炎」は胃・小腸・大腸の軽度の炎症が治らず長期間続いていたり、発症したり治ったりを何度も繰り返している状態をいいます。急性胃腸炎の原因が比較的はっきりしているのに対して、慢性胃腸炎の原因はまだわからないことも多いです。

 

現在ではピロリ菌が関係していると考えられていますが、ピロリ菌に感染している人全員が慢性胃腸炎になるわけではなく、ストレスなどの因子が加わることで発症すると考えられています。

 

下痢の時の食事で気を付けることは?納豆やうどんって良いの?

 

慢性胃腸炎は〝表層性(胃粘膜表面に軽い炎症がある)〟〝びらん性(炎症で胃粘膜表面がわずかにえぐれている)〟〝委縮性(炎症で粘膜が萎縮している)〟〝肥厚性(炎症で胃粘膜が厚くなっている)〟の4タイプに分かれます。 

 

下痢や嘔吐以外の症状としては、

 

  • 急性胃腸炎…腹痛、腹部膨満感(ぼうまんかん)、下血、発熱など 
  • 慢性胃腸炎…胃部もたれ、食欲不振、胸やけ、腹部膨満感、げっぷなど 

 

このような症状も伴っていれば胃腸炎による下痢や嘔吐の可能性が高くなります。

 

下痢・嘔吐の症状があるときは、どんな食事が良いの?

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下痢や嘔吐をしているとき、体の中ではどのようなことが起こっていつのでしょうか?

 

1.〈下痢〉

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理想的な便の固さは便の中の水分量が70~80%といわれているのに対し、様々な原因で便の中の水分量が増え、90%以上になり水のようになった便を下痢と呼んでいます。

 

下痢になる原因には、暴飲暴食などよる消化不良や体が冷えたことにより自律神経が乱れ、腸が異常収縮してしまうことがあります。これらは誰もが1度は経験したことのある下痢だと思います。細菌やウイルスに感染することで起こる感染性胃腸炎も原因の1つです。食当たりやノロウイルスの感染などがそうです。

 

ストレスなどが原因で起こりやすい過敏性腸症候群も下痢を繰り返します。

 

最も怖いのはクローン病や潰瘍性大腸炎、バセドウ病などのように、重い病気が原因で下痢が起こっている場合です。

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下痢がおこるメカニズムは、一言で言うと腸での水分調節機能の不具合です。健康な腸は水分や栄養を吸収し、その残りを便として体外に排出します。腸を通過する水分の99%は腸で吸収されると言われており、残りの1%の水分が便に含まれることで理想的な固さの便となり排泄されます

 

しかし、腸の運動が活発になると、内容物が腸を通過するスピードが速くなり十分に水分を吸収できないまま排泄されてしま為に便の水分量が多くなってしまいます(運動亢進性下痢)。

 

また、腸自体の水分吸収機能が低下してしまっている場合(浸透圧性下痢)や腸から水分の分泌量が増えしまった場合(分泌性下痢)も便として排出する水分量の調節が上手くいかず下痢になってしまいます。

 

2.〈嘔吐〉

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嘔吐とは、胃や腸の内容物が食道を経て口から吐き出される現象です。通常は吐き気を伴い嘔吐が起こります。

 

胃の中の異物や刺激物、毒物を吐き出す1つの防御反応ですが、消化器系をはじめとする内臓の病気や脳の病気、めまい症や乗り物酔い、つわりなどが原因でみられる場合もあり、胃や腸の内容物が口から吐き出される反応すべてを嘔吐と言います。

 

生命に関わる危険信号になっていることもあります。

 

下痢や嘔吐が続く場合どのような食事をするのが良いのでしょうか?下痢や嘔吐のときは、消化の良い食事でしっかりとエネルギーになるものを摂ることを心がけます。しかし、無理をしてたくさん食べる必要はありません。

 

お粥や柔らかく煮込んだうどん、パン粥などは消化の良い食事です。野菜をクタクタになるまで煮込んで作る野菜スープもオススメです。

 

野菜と言っても、ゴボウ、キノコ、ネギ、タケノコ、レンコンなどは食物繊維を豊富に含むので避けてください。

 

キャベツや白菜、ニンジンなどが良いでしょう。果物は水分も含まれカリウムも同時に摂れるため良いのですが、できれば果汁にして飲むようにしましょう。リンゴやバナナはオススメですが、パイナップルやキウイは刺激が強いため避けてください。

 

腸内環境を整える効果が期待できるヨーグルトも良いです。しかし冷たいまま食べると腸への刺激になってしまうので気をつけてください。

 

タンパク質は胃や腸の回復に必要なエネルギー源になります。食べられそうなら1日55グラムのタンパク質を摂取するのが理想です。卵1個、手のひらくらいのサイズの豚肉や鳥のささみ、魚1切れ、豆腐半丁、納豆1パックなどです。

 

またビタミンもしっかり摂りたい栄養素です。ビタミンは炭水化物をエネルギーに変える働きをしてくれます。緑黄色野菜や果物に多く含まれますが、食物繊維も豊富なので下痢がひどい時には気をつけなければいけない物もあります。

 

食べるとよい物をいろいろ紹介してきましたが、食欲が全くないのに、好きでもない物ばかり食べるのはますますしんどくなってしまいますよね。頑張って食べても、再び嘔吐を起こしてしまっていれば、苦しいうえに栄養にもなっていません。

 

まだ少量ずつしか食べられない間は、楽しみになるような好きな物、食べたいと思ったものを中心に食べて大丈夫です。とは言っても、脂っこい物や刺激物は控えましょう。

 

胃腸炎を予防する方法はあるの?

急性胃腸炎は、ほとんどが細菌やウイルスに感染したために起こります。そのため最も有効な予防法は、正しい手洗いうがいをこまめに行うことです。

 

実は細菌やウイルスを運んでいるのは人の手が最も多いと言われています。もちろん空気感染や飛沫(ひまつ)感染などもあるのですが、接触感染は予防しやすい感染経路です。

 

すぐにでも始められる予防法ですので、早速心がけてみてください。

 

また感染性胃腸炎にかかった人の看病をしている人が最も危険です。咳やくしゃみなどによる飛沫感染を防ぐために、双方がマスクつけることをオススメします。

 

また排泄物や吐物が乾燥すると、その中に含まれた微生物が舞い上がり、それを吸い込んでしまうことで空気感染も起こしますので、排泄物や吐物の処理にも注意が必要になります。

 

感染が原因でない場合は、よくわからないものは口にしない(キノコや野草など)、きちんと処理されていない魚介類などを生で食べるのも危険なのでやめましょう。薬を飲み始めて体調に変化が出た場合は、必ず医師に相談してください。

 

慢性胃腸炎は、生活習慣の見直しが大切になります。喫煙や過度の飲酒はしない、毎日規則的に食事を摂る、刺激物を避ける、毎日7~8時間の睡眠を心がける、運動の習慣をつける、ストレス発散を心がけるなどが、慢性胃腸炎の予防につながります。

 

まとめ

胃腸炎といっても原因は様々で、下痢や嘔吐以外の症状も現れます。

 

何が原因で胃腸炎が起こっているのかを把握することが大切です。原因が明らかになれば、正しい対処ができるはずです。

 

下痢や嘔吐の際の食事には気を付けることがありますので、今回お伝えしたことを参考にしてみてください。 

 

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