お腹が痛くなって下痢をして、熱まで出てくると風邪でもひいたかな?と思う人が多いと思います。

 

下痢をすると吐き気や嘔吐を伴うことも多いのですが、嘔吐をしない下痢もあります。いったい何が原因で、どう対処していけばいいのでしょうか?

 

 

 

腹痛、下痢、発熱だけど嘔吐はしないこともあるの?

腹痛・下痢・発熱とくると吐き気や嘔吐を伴うことが多いのですが、嘔吐がないこともあります。ほとんどの人が経験のある、暴飲暴食やお腹の冷えが原因の下痢は嘔吐を伴わない場合が多いのですが、発熱することもほとんどありません。

 

そもそも嘔吐とはなぜおこるのでしょうか?

 

嘔吐は下痢と同じように体内に入ってきた異物を外へ追い出そうとする防衛反応である場合が多いのですが、お腹の病気、脳の病気、めまい症や乗り物酔い、つわりなど様々な原因で見られる症状で、胃や腸の内容物が口から吐き出される症状全てを嘔吐といいます。

 

腹痛を伴わない下痢が続く子供の原因とは?対処法は?

 

下痢があって嘔吐がないということは、体の中に入った異物を追い出そうとしているのですが、それが口から近い胃や十二指腸ではなく、肛門に近いために下から出そうとする下痢という反応が強く現れたと考えられます。

 

この症状って胃腸風邪が原因?病名は?

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腹痛を伴う下痢には様々な原因があります。そのうえ発熱の症状も現れる原因について、いくつかお伝えしたいと思います。

 

まず疑うのは胃腸風邪です。胃腸風邪とは通称で、正式な病名は「感染性胃腸炎」といいます。

 

感染性胃腸炎は2つに分類することができます。

 

①細菌性腸炎

細菌が体内に入り増殖することで起こる腸炎で、発症は夏が多いです。

 

感染型と毒素型があり、感染型は感染後1~4日後に発症し、下痢・腹痛・発熱が見られます。有名な病原菌はサルモネラ菌やO-157などです。これらが原因で起こるのは細菌性腸炎の感染型ということになります。

 

一方の毒素型は食後2~24時間で発症します。悪心(おしん)、嘔吐、腹痛が見られますが、発熱することは少ないです。原因菌は黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌が有名です。細菌が原因の場合は抗生物質を使って治療を行います。

 

②ウイルス性腸炎

毎年冬になると流行するノロウイルスやロタウイルスなどが原因の腸炎です。

 

潜伏期間は1日~2日。有効な抗ウイルス薬やワクチンはないため、発症すれば主に対症療法(症状に対してそれを緩和させる治療)を行い、自己治癒力(じこちゆりょく)に任せて回復を待ちます。

 

感染性腸炎もウイルス性腸炎も下痢・腹痛・発熱・嘔吐を伴うことが多いのですが、下痢のみまたは嘔吐のみの場合もあるので、嘔吐がなくても腹痛・下痢・発熱があれば感染性胃腸炎をまず疑うことができます。特に細菌性胃腸炎の感染型は嘔吐よりも下痢・腹痛・発熱が主な症状なので要注意です。

 

また過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)も腹痛と下痢の症状が現れます。高熱になることは少ないのですが、発熱がみられる場合もあります。

 

過敏性腸症候群の原因はストレスであることが多く、病院の検査では異常は見つからないのに下痢または便秘の症状が続いている状態であれば過敏性腸症候群の可能性が高くなります。

 

過敏性腸症候群は下痢型のほかに便秘型や下痢と便秘を交互に繰り返す混合型があるのですが、最も多いのは下痢型だと言われています。

 

下痢と便秘は正反対の症状ですが、どちらも腸の異常が原因でおこります。

 

腸には脳と同じ神経が多く分布し、それらは自律神経でつながっています。(これを脳腸相関といいます。)

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脳がプレッシャーやストレスを感じると、その異変が腸に伝わり、腸が異常な運動をしてしまいます。逆に下痢などの腸の不調や腹痛に対しても脳が敏感に察知し、脳にストレスを与えるという悪循環が生まれてしまいます。これがストレスと下痢や便秘を結びつける仕組みで、過敏性腸症候群とよばれる病気です。

 

他にはクローン病や潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)、バセドウ病などの怖い病気の症状にも腹痛・下痢・発熱があります。上の2つの原因に比べると発症頻度は低いのですが、長引く場合は病院できちんと診てもらう必要があります。

 

胃腸風邪(感染性胃腸炎)の対処法は?

下痢に対しては腸を安静にすることが最重要です。胃や腸に何も入れないというのが最も安静になるので、下痢をし始めて半日~1日は絶食するのが好ましいです。しかし下痢は私たちが思っている以上に水分を排出してしまいます。脱水になるのを防ぐため、水分は少しずつこまめに摂るようにしてください。

 

冷たい飲み物は腸を刺激してしまいますので、常温のミネラルウォーターやお茶、スポーツドリンクなどで水分補給をしましょう。

 

少し落ち着いたら食事を開始しますが、香辛料や炭酸飲料、刺激物や冷たい食べ物、脂肪分の多いもの、アルコールなどは避け、消化の良いお粥や柔らかく煮込んだうどんなどから食べ始めましょう。

 

腹痛に対しては温めることが、すぐに出来て効果的な対処法になります。また前かがみの体制は腹圧が下がり、腹痛が緩和するといわれています。自分の1番楽な姿勢を見つけることも大切ですね。下痢に伴う腹痛ですので、下痢症状が改善されてくれば、腹痛も軽減するはずです。

 

発熱に対しては、まだ寒気を感じている段階であれば、無理に冷やして熱を下げようとせず体を温めましょう。ある一定の体温まで上がると、今度は暑く感じ汗をかいたりすると思います。

 

汗はそのままにせず拭き取ったり着替えをして、熱に弱い頭(脳)を中心に体を冷やします。また大きな血管が皮膚の近くを通っている、首や脇の下、足の付け根などを冷やすのも効果的です。

 

感染性胃腸炎で発熱と嘔吐を発症!解熱は必要?

 

解熱剤を服用すると熱は早く下がるのですが、発熱は体に侵入した病原体を弱らせ、自分の体を守ろうとする免疫細胞の働きを助けるための体の反応ですので、すぐに解熱剤を使用するとかえって病気を長引かせてしまう恐れがあります。

 

発熱に伴う頭痛や関節痛などがあまりにもひどいときや、かなりの高熱がしばらく続き解熱(げねつ)しない場合などに薬の助けを借りるようにしましょう。

 

胃腸風邪はうつるの?予防法は?

胃腸風邪はうつります!そして感染力はとても強いといえます。特に看病している人や一緒に住んでいる人には高確率で感染しますので注意が必要です。

 

下痢をした後のトイレや吐物は十分注意してください。最近やウイルスは排泄物や吐物から空気中に舞い上がることがあり、それを吸い込むことで感染します。

 

直接触らずそっと速やかに片づける必要があります。今は薬局やドラッグストアなどに、汚物や吐物にかけると固めてくれる粉が売っています。それを使えば細菌やウイルスが飛び散ったり舞い上がったりするリスクを軽減できるので、使ってみるのもよいでしょう。

 

汚れた衣服は塩素系漂白剤などでの消毒が必要になります。

 

もちろん飛沫感染(ひまつかんせん)接触感染もしますので、くしゃみや咳で飛んだ唾液などが付着するのを避ける必要があります。看病している人が近づくときだけでも、胃腸風邪の人にマスクをしてもらうのが効果的な予防法です。

 

胃腸風邪の人と同じお箸を使ったり、タオルを使うことは避けた方がいいです。手を介しての感染が最も多いので、手洗いは頻回に行うようにしましょう。

 

まとめ

腹痛、下痢、発熱を伴う病気の原因として胃腸風邪を中心に説明しました。

 

嘔吐を伴わないこともありますが、胃腸風邪を引き起こす病原体の種類によっては激しい嘔吐を伴うこともあります。胃腸風邪の場合は、家での対処で改善することもできますので、正しく対処して少しでも早い回復を目指しましょう。

 

あまりに症状のひどい場合や長引く場合は、病院できちんと診てもらってください。