毎年、冬にかけて猛威をふるうノロウイルスですが、今年は新型となり、新たに多くの人に感染する可能性があります。
ノロウイルスは予防できないのでしょうか。感染しないための対策や効果的な食事は、あるのでしょうか?
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ノロウイルスを予防するには、とにかく手洗い!
今年2月にノロウイルスが流行した際、今までの「GⅡ.4」型ではなく、新型の「GⅡ.17」型に変わっていると発表がありました。
何型になろうと、特効薬は無く、感染力は依然として高い以上、こちらにはあまり関係がないように思えます。しかも、変型したのは、人に感染しやすくなった部分だというのですから、どうしようもありません。
できることは、なるべく感染しないように過ごすこと!それだけです。ノロウイルスの予防として出来ることは、とにかく手洗いとうがいの徹底です。これに勝るものはありません。
手洗いと言っても、普通に石鹸をつけてサッと洗っただけでは、何の予防にもなりません。ノロウイルスを知って、理解したうえで、手洗いをする必要があります。
ノロウイルスは、石鹸やアルコール消毒では死滅させることは出来ません。これは随分、周知されてきましたね。その理由は、ノロウイルスは、エンベロープを持たないタイプのウイルスだからです。
インフルエンザウイルスなどは、ウイルスの周りがエンベロープと言う脂質膜で覆われていて、アルコール消毒により、その脂質膜が破られてしまうと、外部にさらされて死んでしまいます。
ところが、ノロウイルスには、そもそもそのような膜がなく、さらされても生きているので、破るものがないのです。
消毒として効果があるのは、次亜塩素酸ナトリウム。これは家庭用のハイターに入っているものです。ノロウイルス撃退用として、ドラッグストアにも専用のものが並んでいますね。
ところが、これはアルコール消毒のように、手に浸みこませるわけにはいかないため、感染の恐れのある、トイレのドアノブや、蛇口の消毒などに使います。
なので、手洗いとうがいは、どうしても欠かすことの出来ない、ノロウイルスの予防策なのです。エンベロープを持たないノロウイルスは、石鹸でも死滅しません。手洗いで、洗い流し、洗い落とすしかないのです。
そのため、手首から指の間まで、その他の菌もついているので、石鹸は使用して良く泡立てます。そして30秒以上は水で流す必要があります。
「石鹸→流水15秒を2回繰り返す」と言うものが推奨されているようですが、ただでさえ水仕事で手荒れがひどい女性がそんなことしたら、手の皮がズル剥けになってしまいますので、石鹸は1回で十分です。そのかわり、30秒以上かけて良く洗い流しましょう。
ノロウイルスの感染源っていったい何?
ノロウイルスの感染源として二枚貝、とくに牡蠣がありますが、近年は二枚貝からの食中毒は少なくなっています。それより、感染者から食材へ付着し、それによる二次感染がもっとも多い感染源になっています。
ノロウイルスに汚染された食材から感染したものが食中毒といい、それ以外の感染を感染性胃腸炎と言います。
調理する人が、ノロウイルスに感染し、扱う食材が汚染され、それを食べた人が感染し、その周囲の人に感染すると言った図が展開されています。そのため、調理を仕事とする人たちは細心の注意を払っているのですが、このノロウイルスの感染力はあまりに強いため、毎年大流行してしまうのです。
また、食材を汚染させるのは、プロの料理人だけではありません。感染者がスーパーで買い物をするだけでも、食材は汚染されてしまうのです。もう、これは止めることはできませんね。
でも、ガッカリする前に出来ることがまだあるのです。
ノロウイルスの撃退対策は、免疫力をあげること!
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状は、かなりの個人差があることがわかってきました。どうして、これほど個人差があるのか、それは、その人が持つ、免疫力の違いが大きく関係しているのです。
わかりやすく言うなら、栄養バランスがとれた食事をしていて、十分な睡眠がとれていて、適度な運動もしていて、ストレスをためない生活をしている人は、感染しても、症状は大変軽いと言う事なのです。
このような生活リズムが整っている人は、腸内細菌の善玉菌が多く、免疫力が高いのです。
反対に、睡眠不足や、偏った食事、無理なダイエットによる栄養失調、ストレス状態の人は、ノロウイルスに感染した場合、とても重い症状となるのです。これは、日頃の生活リズムから、腸内に悪玉菌がはびこり、免疫力が弱くなってしまっているのです。
下痢や嘔吐を起こしているのは、体の防衛本能で、ノロウイルスを悪いやつだと感じ取り、異物排除のために、早く追い出そうとして、激しい反応を起こしています。
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善玉菌のおかげで、高い免疫力が備わっていると、ノロウイルスが悪さをする前に力を封じ込めてしまうのです。悪玉菌ばかりだと、ノロウイルスのやりたい放題というわけです。
ノロウイルスの撃退対策で免疫力をあげる食べ物とは?
化学的根拠に基づいて信頼できるのが、森永乳業のラクトフェリンです。ラクトフェリンは近年話題になっていますが、出産後の初乳に含まれている、良質タンパク質です。
このラクトフェリンが100㎎入っているものを毎日食べると、免疫力があがり、ノロウイルスに感染しなくなった、あるいは発症しなくなった、と言う事が発表されています。
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ラクトフェリンの入っているものとは、森永乳業のラクトフェリンヨーグルトのことです。また、ラクトフェリンのサプリも出ています。ヨーグルトが苦手と言う人には、サプリはうれしいですね。ラクトフェリンのサプリは、森永乳業以外にも、ライオンやDHCからも発売されているので、探してみると良いかもしれません。
ノロウイルスを発症しない不顕性感染って何?
免疫力の力で、感染しないなら良いのですが、ノロウイルスの感染性胃腸炎に、感染しても発症しない人がいるのです。その状態を「不顕性感染」と言い、この状態の人が知らず知らずのうちに、ウイルスを拡散させている可能性が大きいのです。
この場合、発症はしなくても感染はしているので、排出物にウイルスは入っています。これは、本人がわからないくらいなので、周囲にわかるはずもなく、感染を止めることは不可能に近いです。
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家族に感染者がいても、自分が発症しなかった場合、感染しているかもしれない、と気を付けることが大切ですね。ノロウイルスは、回復期にウイルスの排出が長くかかったり、感染しているのに発症しない人がいたりと、とにかく感染しやすい条件がそろっているのです。
まとめ
ノロウイルスを予防するには、手洗いが絶対です。それも、普通の菌を死滅させる洗浄ではなく、洗い流しをしましょう。また、免疫力を高めることで、感染を防ぐことができます。
それには、栄養バランス、十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消が必要です。生活リズムを整えることで、ノロウイルスから身を守ることができるのです。
この生活リズムを整えると言うことは、生活習慣病対策にも言えることですね。常日頃から、体調管理をしっかりとしておけば、悪いウイルスに負けない体をつくることができるのです。
間違えてはいけないのが、不顕性感染の人です。感染しているのに、「自分はノロにかからない!」と思い込んでしまうと、多くの人を巻き込む事になってしまいます。
この時期は、誰もがノロウイルスを意識し、良識的な姿勢でいなければいけませんね。