便秘には、適度な運動が必要と言われますが、その理由はなぜなのでしょうか?

 

腸の運動と言うと浮かぶのは「ぜんどう運動」ですが、それは鍛えることのできない、腸の内部の運動ですよね。

 

歩いたり、走ったりすることで、何か影響があるのでしょうか。 便秘改善と運動との関係や、効果的な食べ物について調べてみました。

 

 

 

便秘を改善させるために必要な運動とは?

便秘を改善しようとした場合、まず言われるのが「食物繊維を摂る」「水分を摂る」そして「適度な運動」です。ただ、この「適度な運動」とは、あまりにも漠然としていて、どんなものが必要なのか良くわかりませんね。

便秘改善,運動,効果的な食べ物
健康のために、運動は欠かせないですし、足腰のためや代謝を上げるためなど全体的な体力UPのためならわかりますが、便秘を改善させるための運動とは、どういうもので、どんな影響があるのでしょうか。

 

具体的に1番わかりやすいのは、「腹筋を鍛える」と言う事です。これは、排便時には、<ぜんどう運動 + 押し出す力> がいるため、押し出すためには、下腹部の筋力が必要だと言われます。

 

女性は、この筋力が弱いため、便秘になりやすいと言われています。また、男女ともに高齢になると便秘が増えるのにも、筋力の衰えが影響していると言われています。

 

赤ちゃんも、筋力がないため、「うーん」といきむと、涙を浮かべて力を込めているのを見た事はありませんか。硬いうんちをするわけではなくても、たくさんの力が必要なのです。

 

ただし、この腹筋を鍛えると言う意味は、「いきみやすい」「排出しやすい」と言う、肛門部に近い部分の問題だけではないのです。

 

腹部の筋力は、もっと手前の、小腸や大腸で起こっている「ぜんどう運動」そのものに、影響があるのです。また、便秘には「有酸素運動」が効果的とも言われます。

 

便秘にヨーグルトは効果ある?逆効果も?効果のある食べる時間はいつ?

 

酸素を多く取り入れると便が出やすくなるのは、どのような理由なのでしょうか。この、便秘を改善させると言われる、「腹筋を鍛える」ことと「有酸素運動」を詳しくみてみましょう。

 

便秘を改善するには、小腸や大腸のぜんどう運動を活発にする腹筋を鍛える!

腸が、ぜんどう運動をしていることは、良く知られています。簡単に言うと、内容物を消化しながら、肛門の方へと送っていく運動ですね。小腸でも大腸でも、このぜんどう運動は、行われていますが、それぞれに意味があります。

 

小腸でのぜんどう運動

小腸は、胃の次の消化器官である「十二指腸」から「空腸」「回腸」の合わせて7mほどもある長いものです。腸全体が9mほどですので、そのほとんどが小腸と言うことになります。この小腸では、主に食べ物の消化が行われています。

 

十二指腸では、総胆管から胆液が、膵管からは膵液が分泌されて消化活動を行います。空腸にいくと、とても壁が厚くなり、それは筋層と呼ばれる腸の筋肉に覆われているためです。

 

そして、その腸壁からはアルカリ性の腸液が分泌され、タンパク質をアミノ酸に分解します。また、腸内は、繊毛に覆われています。

 

空腸から回腸へは、明確な境界はなく、回腸に入ると、食べ物と一緒に体内に入った空気や気体の吸収、柔突起による養分の吸収が行われます。

 

ここまでが、小腸の作りと働きです。7mほどの長さの中で、これらの働きにより、食べ物は消化されていくのですが、その内容物の移動手段がぜんどう運動と呼ばれるものなのです。

 

「ぜんどう運動」と1つの運動のように言われていますが、正確には「振り子運動」「分節運動」「ぜんどう運動」の3つの運動が合わさった動きのことを言います。

 

  • 振り子運動…縦走筋が収縮すると腸管が縮むため、それを繰り返すことで内容物と消化液の混和をおこなう。
  • 分節運動…輪状筋がある間隔をあけて収縮と弛緩を起こし、それを交互に行うことで、内容物と消化液の混和をおこなう。
  • ぜんどう運動…十二指腸から大腸へ向けて、内容物を送る働きのこと。繊毛によって、転がるように移動する。

 

便秘の改善を考えた時に、ぜんどう運動を良くしようとしますが、実際に、腸内がぜんどう運動ばかりでは、すごいスピードで未消化のまま大腸へと内容物が送られてしまいます。

 

小腸の働きで大切なのは、どちらかと言うと、輪状筋が働く分節運動の方です。あえて、先へ送られていく内容物を止めて、そこで撹拌を行います。

 

分節は何十か所にもわたるため、大腸の近くに行くまでには、ドロドロのクチャクチャになり食べ物の姿ではなくなるのです。

 

この分節運動を行っているのは腸管の中の「輪状筋」ですが、この筋肉は大脳で指示されるものではなく、自律神経が支配しているため、鍛えようとしたり、動かそうと思って動く筋肉ではありません。

 

ところが、腸自体は、周りを筋肉で支えられているため、常に腹筋の刺激を受けています。腹筋がついていると、その動きによって、腸管の筋肉も収縮や弛緩が起こしやすい状態となり、消化を助けることになるのです。

 

反対に、筋肉が衰えてくると、同じように腸管の筋肉もメリハリがなくなり、撹拌がうまくいかず、内容物はダラダラと7mほどを動く事になります。

 

大腸でのぜんどう運動

大腸は、小腸の最後の回腸と、大腸の最初の盲腸が接合する「回盲部」から始まります。「盲腸」から「結腸{上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸}」そして、「直腸」までが大腸です。

 

回盲部から盲腸に入ってすぐのところに、ミノムシのように下がっているのが、「虫垂」と言われ、これが炎症を起こした物が虫垂炎で、「盲腸」と言われている病気です。

 

大腸は、1.5m~2mほどの長さで、小腸に比べると、壁の薄い腸管です。また、大腸の大きな特徴として、膨大な数の腸内細菌の存在があります。その数は1000種類を超え、100兆個と言われています。大腸の働きは、この腸内細菌によって、流れてきた内容物をさらに分解、発酵をおこなうものです。

 

分節運動とぜんどう運動はおこなわれてはいますが、大腸には繊毛がなく、腸内は粘膜で覆われています。そのため、転がるような移動はなく、内容物は滞りやすいと言えます。腹筋が衰えると、大腸でのぜんどう運動は鈍くなり、内容物はさらに流れにくくなり、便秘を起こしてしまうのです。

 

このように、腸の動きそのものを支えているのが、「腹筋」と言う事になります。腹筋を保つと言う事は、いきむ時だけに使うものではなく、食べ物を消化したり、腸内を肛門に向けて移動させることに必要なことだったのです。

 

便秘改善に有酸素運動の必要性とは?自律神経が関係している?

腸は、自律神経が支配しています。自律神経は交感神経と副交感神経がバランスをとることで正常に機能しています。この2つの神経は、それぞれに持ち場や、受け持ちの仕事があります。

 

胃腸の働きを受け持っているのは、副交感神経です。ところが、人はストレスや睡眠不足などが続きやすく、交感神経ばかりを使い続けてしまう傾向にあります。交感神経が優位に立っている間は、副交感神経は仕事ができません。そのため、腸をうまく動かすことが出来なくなってしまうのです。

 

便秘に効果的なツボとは?即効性のある足裏や手のツボは?

 

有酸素運動は、脳内がリラックスを感じると言われています。このリラックス状態こそが、副交感神経が力を発揮している状態です。

便秘改善,運動,効果的な食べ物
有酸素運動によって、副交感神経が働き、腸の動きを良くし、消化を助けます
また体全体の筋力を上げることにも繋がります。

 

便秘改善のための運動に効果的な食べ物はある?

筋肉をつくるのは、良質なタンパク質です。タンパク質を構成しているのは、アミノ酸ですが、体内で作られるものと食べ物から摂取しないと取り入れられない必須アミノ酸があります。

 

そのため、必須アミノ酸を意識して取り入れるようにしましょう。すると、自然とビタミンやミネラルも十分に摂取できることになり、体に必要な栄養分を補充できるのです。必須アミノ酸を摂ろうとすると、いったい何を食べたら良いのかと考えてしまいますね。

 

でも、特別に取り揃える必要はなく、肉、魚、卵、豆類、乳製品をバランス良くとることで、自然と必須アミノ酸を取り入れることになるのです。

 

意識するのは、脂身の多い肉を食べ過ぎないことや、1食をジャンクフードで済まさないことなど、食事に対して少しでも意識を変えることで、簡単に摂取できる栄養素なのです。

 

まとめ

ただ漠然と、便秘には運動!と言われても、何をしていいのかわかりませんね。体の作りや、その働きがわかると、運動の必要性も納得がいきます。

 

腹筋は、便を排出するためだけに必要なわけではなく、その前の、腸の動きを良くするために必要なものです。有酸素運動もまた、腸の動きを活発にするために必要な、副交感神経を働かせるものでした。

 

そのためには、栄養バランスのとれた食事をすることで、良質なタンパク質を取り入れ、筋力の衰えない体にして行く必要があるのです。