便秘や下痢を起こして、血便が出ると、びっくりしてしまいますよね。血に弱い方では、血を見るだけでクラクラと具合が悪くなってしまう方もいます。(ただし一方で本当に貧血になっていてクラクラする方もいますので、見極めが難しいですが)

 

ですが、便秘や下痢などを起こしているとき、排泄時におしりがヒリヒリしていることや少量の血がついてしまうことも多く、「切れ痔かな」などとやり過ごしてしまいませんか?

 

また、「真っ赤な血」は「痔」だから大丈夫!などと安心している人、いませんか?

 

そこで今回は、便秘が原因でなる、下痢や血便を伴う病気には、どんなものがあるのかを解説します。「真っ赤な血」は本当に「痔」だけなのでしょうか?

 

 

 

下痢をすると血便?血はどこから出血してるの?

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多くの人が、勘違いを起こしていることがあります。「真っ赤な血は痔」「赤黒い血は胃腸」と聞いたことがありませんか?これは、まったくの間違いとは言いませんが、足りないものがあるのです。

 

それは、「腸から出血した真っ赤な血」についてです。本当なら、「真っ赤な血は、S状結腸から肛門までの出血」「赤黒い血は胃から小腸までの出血」「結腸なら両方の可能性がある」と考えなければなりません。

 

また、そう思っていても、両方の血便を並べてみたなら、はっきりと「真っ赤」「赤黒い」とわかりますが、はたして自分から出てきたものがどちらなのか、判別がつきにくいものもあります。

 

赤黒い血便と言うのは、便自体に血液が混ざり込み、黒っぽい便となることがあり、血便に気が付かないこともあります。また、黒い便に真っ赤な粘液状の血液がついているようなこともあるため、これを「真っ赤な血」と言うのか、「赤黒い血」と言うのか判別に悩みます。

 

そして、人間の体は、人それぞれ体調も、体質も違いますので、「ここからこっちは真っ赤!」などと、はっきり線引きできるものではないのです。

 

では、血便が出る時にどのような病気を考えるべきでしょうか。血便が出るときに最も大きな病気と言うと、大腸がんが思い浮かぶ人が多いかと思います。大腸がんは、かかりやすい「がん」の中で、男性第4位、女性第1位です。

 

50歳以上の方では、一度は大腸のカメラを受けるべきというのが世界的なガイドラインですが、きちんと受けていますでしょうか?

 

 

排泄のたびに出血するようなら、その血が何色であろうと、勝手な思い込みはせず、病院に行くのが一番です。

 

 

便秘が続いていると、大腸がんになりやすい?

腸の病気で、一番気になるのは「大腸がん」ですよね。大腸がんは、「結腸がん」と「直腸がん」に分かれます。

 

 

 

 

小腸をぐるりと囲むようにある大腸のほとんどが「結腸がん」発症部位です。

 

部位ごとの結腸がんの発症確率を見てみましょう。

 

  • 盲腸   6% 
  • 上行結腸 13% 
  • 横行結腸 9% 
  • 下行結腸 5% 
  • S状結腸 27% 

 

S状結腸になると突然確率が高くなりますね。では、直腸がんはどうでしょうか。

 

直腸がんの確率は、実に39%と、大腸がんのほとんどは、直腸がんと言えるほどの確率の高さなのです。大腸の出口に近い、「S状結腸」と「直腸」だけで、66%にもおよびます。これと同じ部分に多いと言えば、便秘です。

 

便秘は、便が固形物となってくる「S状結腸」と「直腸」で起こるのです。

腸
出典:http://www.benpi-kaiben.com/benpi-all/646/

便秘が起こると、腸内はガスによる膨満、固形物が常に接触しているダメージ、硬い便が無理に動くダメージ、いきむことでの腹圧など、腸内は常につらい状態にあります。

 

慢性的に便秘症の人の腸などは、毎日ダメージを受けていることになりますね。また、便秘も大腸がんも、女性に多いことを考えても、無視できない原因と思えます。

 

大腸がんを発症すると、血便はでるの?

S状結腸より前の部分に起きる、結腸がんの場合、まだ便が液状のため、がんをよけて流れることで、あまり出血はありません。その他の症状もほとんどなく、そのため発見が遅れるのです。

 

異変が現れるのは、リンパ、骨、肝臓などに転移してからが多く、気づいた時にはステージが進んでいると言うことが多くなります。

 

便秘と下痢を繰り返すようになり、血便が出始めます。この時の血便は、肛門から離れているところでの出血のため、出てきた時には、黒っぽくなっています。これが、「赤黒い血の血便」です。

 

このがんは、発症確率は低いですが、重症化しやすいと言うことです。S状結腸から直腸で、便が固形物になってからは、便が通過するたびに、がんと接触し、出血が多くなります。便が細くなったり、残便感を感じるようになります。この残便感は、腸が、がんを便だと思い込み、「まだあるよ!」と感じてしまうためです。

 

便秘と下痢を繰り返し、そのたびに血便が出るなどの症状が起き、病院へ行く人が多く、また、直腸などは触診でわかることが多いため、発見は早くなり、早期治療が行えます。発症確率は高いですが、回復の見込みも高いと言えます。

 

便秘が原因、下痢と血便が出る虚血性大腸炎って?

血便が出る大腸の病気は、比較的に高齢者に多かったのですが、近年は若年化が進み、若くても起きやすくなってきています。これは、欧米化した食事と生活習慣、ストレスが原因と言われています。

 

今まで、高齢者に多かったと言うことは、年齢を重ねる事で、臓器も老化し、機能が低下して、さまざまな支障が出てきていたのです。

 

ところが、若いのに同じような病気になると言うことは、食生活や生活習慣、ストレスにより、老化と同じ状態の腸にしてしまっていると言うことになります。虚血性大腸炎もその一つです。

 

虚血性大腸炎

虚血性大腸炎は、腸の病気で一番多い病気です。そして、一番多い原因は、便秘と動脈硬化、血管異常を併発していることです。腸には、腸壁の内外に、とても多くの血管が張り巡っています。それは、腸から吸収した栄養分を血液に乗せて循環しているためです。

 

その血管が、硬くなる、詰まる、もろくなる、伸縮しなくなる、などの状態になっていた時に、便秘を起こすとどうなるでしょうか。便秘は、長い時間、腸に便がいるために、悪玉菌による腐敗が始まり、毒素や毒ガスを発生させます。そのため、腸内は膨らんでいきますね。

 

ところが、悪くなっている血管は、腸壁と一緒にうまく膨らまず、腸壁の粘膜を傷つけながら、やっとくっついている状態です。すると、血管は、圧がかかることで、さらに血行が悪くなり、とうとう虚血=血が通らない状態になります。

 

傷ついた腸壁には、毒素が入り込み、炎症を起こしてしまいます。そして、「びらん」「発赤」「潰瘍」などの炎症が起きて、出血してしまうのです。

 

この病気が発症しやすい部位は、腸の左側を下る「下行結腸」とその先で、直腸の手前の「S状結腸」が多く、80%の人が、左下腹の痛みを訴えます。

 

虚血性大腸炎の病型は3つあり、「一過性型」「狭窄型」「壊死型」に分かれます。

 

若い人に多いのは、「一過性型」で、重症化することは、あまりなく、腸内環境を整えることで、回復しますが、便秘を治さないと繰り返すことがあります。また、若い人には、発症部位が右側の、上行結腸や、一番上部を横にはしる、横行結腸に出て、お腹の右側に痛みを起こす人もいます。

 

「狭窄型」は、虚血性大腸炎発症後、文字通り腸が、狭く硬く細くなってしまいます。あまりに狭くなった場合は、手術になります。1週間たっても下痢や血便が続くときは、病院で検査を受けましょう。

 

また、「壊死型」は、緊急手術が必要です。炎症がひどく、その部分が壊死します。激しい腹痛を伴い、炎症部に穴が空き、穿孔性腹膜炎を起こすことがあります。

 

腸内の細菌が腸外に流れ出ると、不調は腸だけにとどまらず、細菌に感染した臓器がショックを起こしたり、毒素が血流に乗って全身を回り、敗血症を起こして死亡することもあります。

 

中高年に多い、大腸憩室炎ってどんな病気?

大腸検査をすると、10人に1人くらいの確率で「大腸憩室症」が見つかります。これは、結腸に起こり、腸の粘膜が風船状に外側に突出する症状ですが、この症状が出ただけでは、特に治療の必要はありません。

 

ところが、便秘をして、腹圧が上がったり、ガスの充満や、便がその部分に溜まるなどにより、炎症を起こすと。「大腸憩室炎」となり、治療が必要になります。

 

炎症を起こすと、痛みと、発熱、下痢、血便が繰り返し出ます。また、中には憩室の動脈が破れ、大出血を起こすこともあるので、症状が出たら、早めに治療を受けなくてはなりません。

 

便秘で死亡することもある?原因はカチカチになった便?

 

また、憩室が穿孔性の腹膜炎を起こす可能性もあります。大腸憩室症と診断された人は、便秘をしないように、良く注意した生活を送る必要があるのです。

 

まとめ

血便が出ると言うことは、体の中のどこかが、出血を起こしているのです。指や足など見えるところだと、すぐに手当てしますよね、体内からの出血についても、やはり止めようとする意識を持たなくてはなりません。

 

「痔」だから大丈夫と思い込まず、結腸なのか、直腸なのか、肛門なのか、原因を突き止める必要があります。大腸がんは、特に、痔を持っている人に、発見の遅れがあります。自己判断はせず、検査を受けることをお勧めします。