ロタウイルスの予防接種は、日本ではあまり重要視されていませんが、海外では当たり前に接種されているワクチンなのです。

 

幼い命を守るワクチンなのですが、よくわからないものを接種するわけにはいきません!

 

そこで、ロタウイルスの仕組みやワクチンについて、詳しくお伝えします。

 

 

 

ロタウイルスってどういうウイルス?予防接種は必要?

ロタウイルス,予防接種
ロタウイルスは、白い水様便がでるため、以前は「白色便性下痢症」と呼ばれていました。激しい嘔吐と下痢を起こしますが、特に乳幼児が感染すると、脱水症状を起こしやすく、重症化するおそれのある胃腸炎です。

 

また、このロタウイルスは、何度も感染を起こし、そのたびに免疫が強くなり、症状も軽くなる傾向にあります。これは、世界中の国で、同じように感染し、およそ6歳以上の人は、ほぼ100%の確率で感染したことのあるウイルスです。

 

日本では、医療の発達のおかげで発見さえ遅れなければ、ほとんどの重症化した乳幼児も命を落とすことは少なくなっていますが、そんな日本でも、ロタウイルスに感染したことがきっかけとなり、死亡した例もあります。

 

発展途上国では、ロタウイルスが重症化することで、多くの幼い命を失っています。乳幼児の時期さえクリアできれば、ロタウイルスは、さほど恐れるウイルスではないのです。そのため、どうにかして重症化を起こす乳幼児期さえ乗り越えてくれれば、と祈るような気持ちになります。

 

そのため、予防接種により、一番命の危険にさらされる時期を乗り越えていくことが推奨されてきているのです。また、このロタウイルスは、エンベロープを持たないウイルスのため、アルコール消毒や石鹸では撃退することができません。さらに、たったの10〜100個のウイルスで容易に感染してしまうため、共存していくしかないのでは?と感じてしまいます。

 

実際、危険にさらされるのは乳幼児の時期だけで、よほど体力を落としていたりしない限り、成長した人が重症化することはありません。ほとんどの人が、不顕性感染と言う、感染しても発症しない状態になります。

 

ロタウイルスに大人が感染した時の症状は?赤ちゃんが感染した時の注意点!

 

乳幼児を襲う、ロタウイルスには、多くの型がありますが、感染を繰り返すうちに、人に感染しやすい型ならどれにでも対応できる体になっていきます。予防接種では、そこまで考えられたウイルスを抗体として植え付けます。

 

ロタウイルスの仕組みを見てみましょう。

ウイルスはすべてタンパク質で出来ています。ロタウイルスは、Gタンパク質と、Pタンパク質でくるまれています。

 

  • Gタンパク質=10種類からなる血清型
  • Pタンパク質=11種類からなる遺伝子型[ ]で囲んで表記する

 

ロタウイルスは、このPタンパク質とGタンパク質の組み合わせで、さまざまなタイプに分かれています。乳幼児に一番多く感染するロタウイルスは、Gタンパク質の1型+Pタンパク質の8型です。なので、G1P[8]と表します。

 

ロタウイルスの予防接種!費用や時期を教えて!

ロタウイルスの予防接種は、2種類あります。両方とも、注射ではなく、経口する生ワクチンです。お住いの市町村から補助金が出ますので、ご確認ください。

 

【ロタリックス】

  • 発売元→グラクン・スミスクライン株式会社(平成23年11月21日発売)
  • 費用→<2回接種>1回12000円〜13000円×2回
  • 接種時期→1回目=生後6週以降、20週までに。2回目=生後10週以降、24週までに。
  • 服用量→チューブタイプ1.5ml/回 性質→乳幼児に1番多く発症し、重症化の恐れがある<G1P[8]型>のロタウイルスを弱毒化した、1価ワクチンですが、交差免疫によって、<G2P[4]型><G3P[8]型><G4P[8]型><G9P[8]型>にも効果があります。

 

これらは、感染性胃腸炎を起こしやすいロタウイルスです。

 

【ロタテック】

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  • 発売元→MSD株式会社(旧万有製薬)(平成24年7月20日発売)
  • 費用→<3回接種>1回8000円〜10000円×3回
  • 接種時期→1回目=生後6週以降、24週までに。2回目=生後10週以降、28週までに。3回目=生後14週以降、32週までに。
  • 服用量→チューブタイプ2.0ml/回
  • 性質→5種類のウイルスを混ぜて、遺伝子組み換えをした、5価ワクチンです。<G1P[8]型><G2P[4]型><G3P[8]型><G4P[8]型 >に効果があります。

 

製法は異なりますが、両方とも効果は同じと考えて良いです。

 

副反応は、下痢、咳、鼻水、発熱、食欲不振、嘔吐などの、風邪に良く似た症状が起こる可能性があります。また、副反応として、「腸重積」が起こる可能性があり、これは、予防接種が遅くなると発症しやすい可能性がまだ言われています。そのため、接種時期は、厳しく限られています。

 

日本で起きた副反応としての腸重積発症率(2014/10/31時点)

 

  • ロタリックス→3.2例/10万回
  • ロタテック→4.2例/10万回

 

*自然発症の腸重積症は68例/10万人

ただし、1万人に1人の病気の発症リスクを予測するには、6万人の研究でも十分とは言えません。そのため、今現在進行形で起こりやすさは評価の対象となっています。

 

【腸重積】

大腸と小腸の接合部(回盲部)のあたりで起こることが多く、小腸側が大腸の中に潜り込んで行ってしまう病気です。大腸が巻き込みながら、潜り込みは深くなっていきます。すると、重なり合った腸の部分に未消化物が入り込み腐食したり 血行が障害されることで、腸が腐ったり、壊死したりする病気です。

 

乳幼児は、痛みを表現できないため、機嫌が悪くなったり、激しく泣いたり、嘔吐を繰り返し、徐々にグッタリしていきます。また、血便が出ることが多く、その様子は「イチゴジャムのような」「トマトをつぶしたような」と表される血便です。

 

発症から24時間での治療が一番望ましく、バリウムや空気を肛門から送り込む事で、潜り込んだ腸を元に戻していきます。発見が遅れた場合や、腸の痛みが激しい場合は、開腹して痛んだ部分を切除する外科的な手術が必要になります。

 

なぜこの症状が起きるかは判明していませんが、ウイルス感染後に発症が多いことから、関連性が疑われています。

 

海外では当たり前の予防接種です!

日本では、まだ4年しか経っておらず、未だ周知度の低い、ロタウイルスの予防接種ですが、海外の先進国では、当たり前に接種されています。

 

  • 日本での5歳未満児のロタウイルス発症人数→120万人/年
  • 上記のうち病院にかかった子供→79万人/年
  • 上記のうち入院した子供→7万8千人/年

 

年間、78000人の子供が、重症化して入院しています。 ワクチンを接種することで、乳幼児の腸にロタウイルスの免疫を植え付け、すでにかかった状態にすることで抗体をつくりま す。

 

ロタウイルスのワクチンは効果ある?いつまで受けられる?

 

そうすることで、感染しても胃腸炎を発症しなくなったり、発症しても軽度で済むようになり重症化を恐れずにいられるよ うになるのです。 ロタウイルスは、ありふれたウイルスのため、何度も感染します。そのたびに、症状は軽くなるため、効果の続く3年の間に、 免疫の強化があると考えられます。

 

まとめ

日本ではまだ馴染みの薄い予防接種のため、その安全性を考えると、慎重にならざるを得ませんね。実際に、腸重積と言う病 気を引き起こす可能性があるというのです。

 

ただ、ロタウイルスのあまりにも感染率の高さや、重症化を考えると、そのように低い腸重積が起こる確率におびえるのはどうなのかな、とも考えてしまいます。

 

ロタウイルスは、世界的に乳幼児の命を危険にさらすウイルスです。 ただし、乳幼児期を乗り越えてしまえば、免疫が出来て、さほど恐れるようなウイルスではなくなります。

 

そのため、4年前に予防ワクチンが発売されましたが、それまでの日本ではロタウイルスの危険性が大きく取り上げられること はありませんでした。安全性も確認され、小さな命を守れるわけだから、接種すればいい!それはそうなのですが、やはり慎重になってしまうのはいなめませんね。

 

また、料金の高さも問題となります。市町村ごとに補助金がでますが、ほとんどの場合、「万」以上の自己負担になります。

 

さらに、乳児期に接種するものが大変多く、小さな赤ちゃんの体に、こんなにたくさんの病原菌を植え付けて、本当に大丈夫なのかな?と不安になる親御さんもいます。

 

たしかに、予防しないと、命を落とす病気が多いため、接種が義務付けられているものはわかるといってくれる親御さんも多いのですが、任意の予防接種というと、なかなか普及しないかもしれません。 ロタウイルスの予防接種は、日本での歴史がまだ浅く、統計や集計が乏しいため、二の足を踏む状態です。

 

これからの調査結果 の発表などによって、どんどん周知度が上がって来る可能性もあります。 赤ちゃんにとって何も問題が無く、安全に、料金的にも誰もが接種できるようになれば、ロタウイルスを恐れることなく過ごせるようになるかもしれませんね!。