ロタウイルスは、4か月〜2歳までの免疫のない乳幼児が感染して、ひどい下痢や嘔吐の症状をおこす病気です。

 

潜伏期間は1〜3日と言われています。その後、1週間ほどかけて下痢や嘔吐を繰り返し、ウイルスを排出します。

 

ロタウイルスの場合は、便を使った迅速検査で診断ができるため、ロタウイルスが原因と診断することができるため、ロタウイルスが原因で起こる下痢だと確定診断ができる下痢の原因です。

 

ロタウイルスの検査は診断精度の高い良い検査です。それは、便の中にウイルスが多いことと、ロタウイルスが検出しやすいウイルスであること(抗原の変異が少ないと表現されます)から、陽性であればロタウイルス確定と言っていいくらいの精度があります。10分から15分ほどで結果が出て、どの年齢層の方でも検査してよい検査です。

 

では、ロタウイルスに感染しているのが分かった後、どの程度症状が治まったら回復?どれくらいからお友達と遊べるのでしょうか?感染から完治するまでを解説します。

 

 

 

ロタウイルスの感染経路を確認!いったいどこからもらったの?

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ロタウイルスは、毎年幼稚園や小学校、老人ホームからの集団感染がみられます。ロタウイルスは大変感染力が強く、ノロウイルス同様、10個〜100個のウイルスで感染してしまいます。毎年猛威を振るうインフルエンザウィルスでさえ、1000個〜3000個なので、その感染力には驚きます。

 

また、ロタウイルス自体は、どこにでもいる、ごくありふれたウイルスなので、人は何度も感染しています。ただし感染回数が増すごとに、発症する症状は、軽くなる傾向にあります。初回が最も重いとされており、免疫を持てば症状が軽くなるため、小児を対象にした経口ワクチンが出てからは重症で入院する人は減ってきています。

 

5歳になるまでに、ほぼ100%の人が感染していると言われていて、それ以降であれば軽い吐き気や下痢を伴う風邪だと思って、ロタウイルスに気付かずに過ごしてしまうこともあります。

 

ロタウイルスは、経口感染です。正確には糞口感染と呼び、感染者が排便のさい、洗浄不足でウイルスの付いている手で、ドアノブなどを汚染し、それを触った人が、次々と感染していきます。

 

 

また、小学校の教室で一人の児童の嘔吐から、クラスのほとんどの児童に感染を起こしたり、老人ホームで感染者の汚物処理の際、処理者の手に付着し、その手で食べ物を触って汚染し、その食べ物を食べた高齢者が次々と感染していった例もあります。

 

ロタウイルスの潜伏期間を確認!始まりの症状や経過は?

ロタウイルスは、1〜2日、長くても72時間以内の潜伏期間を経て発症します。最初に発熱がありますが、高熱が長く続くようなことはありません。その後「嘔吐」「下痢」と症状が進みます。

 

1日に5〜6回の激しい嘔吐症状が起こりやすいのもロタウイルスの特徴のひとつです。また、下痢に白い便が出ることもロタウイルスの大きな特徴と言えます。

 

もともとロタウイルスは、「白色便性下痢症」と呼ばれていて、水様性の白い便が出るのです。これは便を茶色くする胆汁の分泌が間に合わないことで、起きます。ロタウイルスの便の様子は米のとぎ汁に例えられることが多いです。

 

0歳~2歳の子は特に症状が重く自分で水分摂取をしようとできないことから脱水症になりやすいです。

 

嘔吐や下痢が激しい間は、脱水症状を起こさないように、水分補給が大切です。少量を何回も飲みましょう。また、体を冷やすと下痢は激しくなります。早く回復するためにも、常温以上の水分をとるようにしましょう。スポーツドリンクやOS-1が良いです。体に早く吸収され、脱水を防ぐことができます。

 

⇒参考:下痢の時の飲み物の作り方

 

乳幼児が感染を起こすと、水分を取れない状態になることがあるので、早めに病院で点滴による水分補給をしてもらいましょう。脱水症状が起きてからでは、急にグッタリしてしまうこともあるため、危険です。乳幼児の脱水症状を見逃さないように十分気を付けましょう。痙攣を起こしたり意識障害が起きる場合もあるので、そのような時は、救急車を呼びましょう。

 

大人は、特に意識していなくても、何度かロタウイルスを感染していることが多く、ひどい症状になることはあまりありませんが、体力が低下していたり、疲れがたまっているこきなどは、子供と同じような症状が出ることがあります。

 

嘔吐の症状は2〜3日で治まることが多く、下痢症状は5日前後続きます。これは、2〜3日で症状が治まるノロウイルスより長くかかる傾向です。

 

ロタウイルスに特効薬はないため、水分補給をしながら、安静にするしかありません。また、嘔吐症状がひどい場合は、吐き気を抑える薬が処方されることがあるので、病院へ行きますが、受付でロタウイルスであることを告げ、指示に従ってください。

 

下痢は、体内のウイルスを追い出そうとする体の防衛反応ですので、市販の下痢止めなどで止めてはいけません。いつまでもウイルスの排出がされず、症状が長引いたり、悪化したりします。整腸剤は、ウイルスと戦っている腸内細菌の「善玉菌」の働きを助けるので、有効です。

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ロタウイルスは、発症から1週間ほどでその症状は治まりますが、残ったウイルスの排出が続いていることがあるので、その後さらに1週間くらいは、排便後の手洗いなどに注意しましょう。

 

子供の外遊びなどは、下痢が止まってから4日〜5日くらいは様子をみましょう。その間に、落ちた体力を戻します。お友達の家に遊びに行くのは、1週間以上たってからの方が良いですね。

 

それくらい経過していれば、感染力のあるウイルスは残っていませんが、4〜5日では、お友達が発症した場合、あらぬ疑いをかけられてしまいます。通常は、下痢症状が治まってから、3〜4日経過した時点で、完治と考えます。

 

インフルエンザのような厳密な出席停止期間はないため、その都度学校や職場に確認してください。

 

ロタウイルスは、感染しても発症しない不顕性感染者にご用心!

我が子が嘔吐や下痢で苦しんでいると、「あの子と遊んだからかな」などとついつい原因探しをしてしまいますが、ロタウイルスは、発症した人からの感染ばかりが原因ではないのです。周囲を確認しても、ロタウイルスを発症していないのに、突然感染してしまう時は、近くに不顕性感染者がいた可能性があります。

 

不顕性感染とは、感染しているのに発症しない人のことを言います。5歳以上の場合、免疫が付いているので本人はまったく気が付いていない場合があるので、知らず知らずのうちにウイルスをつけて廻ってしまうのです。

 

ただ、発症していないということは、嘔吐や下痢などを起こしていないということなので、ウイルスの飛び散りによる感染ではありません。親が不顕性感染を起こしている場合、一緒にお風呂に入るや指輪についた少量のウイルスなどを通じて、こどもが感染します。

 

ロタウイルスは、乳児期に初めて感染しただけでは抗体が不完全なため、何度も繰り返し感染します。そのたびに抗体が出来上がり、症状が軽くなっていきます。そして、小学生以上になると、不顕性感染している子供も増え、大人のほとんどは不顕性感染となります。

 

なので、感染はかなり身近なものだと考えなくてはならず、乳幼児は繰り返す可能性があるのです。ただ繰り返すたびに症状が軽くなるという点は救いですね。それでも、脱水症状のケアは忘れずにしなければなりませんよ。

 

ロタウイルスの症状を軽くするためには予防接種が有効?

日本では、死亡例の少ないロタウイルスですが、発展途上の国などでは、命を落とす赤ちゃんが大勢います。

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ロタウイルスは、薬で治すものではないので、健康状態が大きく作用するのです。また、多くは、脱水症状による死亡です。日本では、病院に行くとすぐに処置をしてもらえるので、発見が遅れない限り、脱水症状で命を落とすことはありません。

 

ワクチンが発達し、さらに安全になってきています。ただ、ごくまれに脳症の合併の報告はあったり脱水による死亡例が報告され、予防・診断・対処の重要性は今も変わらないです。

 

ロタウイルスのワクチンは効果ある?いつまで受けられる?

 

ロタウイルスは、世界中の乳幼児に同じように感染が広がります。そのため、早く抗体を植え付ける、予防ワクチンの接種が行われています。世界120ヶ国以上で予防ワクチンが導入されています。

 

その結果として

 

  • ロタウィルス胃腸炎総数を68〜79%減らしている
  • 重症例を90%〜98%減らしている
  • 入院を96%減らしている

 

と発表されています。

 

日本でもロタウイルスの予防ワクチンが推奨され始めていますが、注意点などもあるため、かかりつけの医師とよく相談してから、家族みんなで決めた方がよいですね。任意のワクチン接種なので、費用も高額です。

 

まとめ

ロタウイルスの潜伏期間は1〜3日なことが多いです。

 

発症時は、発熱がありますが、熱が続くことは無く、すぐに下がります。嘔吐症状は激しく、1日に5〜6回の嘔吐を繰り返します。嘔吐症状は2〜3日なことが多いです。下痢は、白い水様便が出ます。

 

ノロウイルスが2〜3日で症状が治まることと比べて、ロタウイルスは、5日前後と長く続きます。これは、個人差があるため、1週間から10日も続くこともあります。通常は、下痢が治まってから、3〜4日経過した時点で完治と考えます。

 

また、一度の感染では抗体が不完全なため、何度も感染を繰り返し、抗体ができてくると、症状は軽くなり、発症しなくなります。ただし、その状態は、不顕性感染と言う、感染しても発症しない状態なので、知らず知らずのうちに自分が感染源となっている可能性があります。

 

乳幼児に感染が起こると、激しい脱水症状を引き起こす可能性があるため、ワクチンによる予防が推奨されてきています。

 

ロタウイルスは、世界中の誰しもが、感染したことのあるウイルスです。過剰におびえる必要はありませんが、乳幼児が発症した時は、重症化しないように、常に様子を見ている必要があります。日本の5歳未満児がロタウイルスから重症化し入院する人数は、年間78000人と言われています。