ロタウイルスのワクチン接種は、2009 年には世界保健機関(WHO)が定期接種するよう勧奨し、世界 120 か国以上で認可され、日本でも 2011 年にロタリックスⓇ 、2012 年にロタテックⓇという名前のロタウイルスワクチンが認可され、使えるようになりました。

 

このロタウイルスワクチンは、ロタウイルスになった場合の症状を和らげてくれます。具体的にわかっている目に見える効果としては、ロタウイルスによる胃腸炎になった時に、入院しなければいけないくらい重症になる人を減らすことができるワクチンとして効果が高く、接種が薦められています。

 

しかし、まだ発売されて期間が短い点や費用が高いことから(補助は自治体によっては公的助成を行っているところ場所もありますがすべてではありません)、現時点では普及が遅れています。また、ロタシールドⓇという、一世代前のワクチンの時に、ロタウイルスワクチンの副反応で、1万人に1人で腸重積を起こす可能性があるとされたという話題があり、二の足を踏んでしまう親御さんもいらっしゃいます。

 

ロタシールドⓇの後にできたロタリックスⓇ 、ロタテックⓇは、6万人規模の調査を行い安全性の確認が行われ、より安全であるとされています。ただ、以前に腸重積となったことのある子どもの場合は接種不適当者とされます。減ったといっても、珍しい副作用が出る確率が本当に低いかどうかは、6万人規模の研究でも完全にはわからないので、今後も注目して確認するべき副作用であり現在も調査を続けていく必要はあります。

 

そんな副反応で起こる腸重積と言う病気や厳しく決められている接種時期なども詳しくお伝えします。

 

 

 

ロタウイルスのワクチンはどんなもの?

ロタウイルスに感染すると、激しい下痢と嘔吐を伴い、ノロウイルスとともに冬の感染症として怖がられるものです。

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主に、乳幼児から幼児の感染が多く、激しい下痢症状のため、脱水症状を起こしやすく、入院する乳幼児も多くいます。 ロタウイルスの下痢は、白い便が特徴で、以前は「白色便性下痢症」と呼ばれていました。

 

この白い便は、通常なら便に色を付けている胆汁の分泌が間に合わないことで起こります。それほど激しい下痢だと言う事です。さらに、ロタウイルスに感染すると、ロタウイルス脳炎を発症する可能性があります。(ワクチンはこのリスクも減らしてくれると考えられています)

 

ロタウイルスによる脳炎は、報告によると、脳炎となった子供の原因ウイルスの約4%とあり、無視できない数値です。またこの脳炎を起こすと、繰り返す痙攣や、意識障害の症状が出て、そのうちの38%に麻痺の後遺症が残る統計がでています。
(参考:森島恒雄:小児の急性脳炎・脳症の現状.ウイルス 59:59-66,2009

 

(脳炎になった子供の4%でロタウイルスが原因という統計なので、ロタウイルスになった子の4%で脳炎がおこるわけではない事にご注意ください)

 

ロタウイルスはありふれたウイルスのため、大変かかりやすく、また重症化しやすいことから、ワクチン接種で予防したいと考えるご両親も多いのではないでしょうか。

 

ウイルス接種は、注射ではなく、経口ワクチンです。ワクチンは2種類あり

 

  • ロタリックス®→グラクン・スミスクライン株式会社
  • ロタテック®→MSD株式会社(旧万有製薬)

 

と、まだ発売されて数年のワクチンです。

 

そのため、まだ周知性や認知度が乏しく、また病院の先生から勧られないこともあるようで、知らない人もたくさんいるようです。ワクチンを接種した場合、完全に予防することは出来ず感染することもありますが、症状は軽く済みます。

 

ワクチンは生ワクチンに分類されます。生ワクチンは病原性を弱くした生きたウイルスです。そのため、ワクチンを体内に取り入れることで、ロタウイルスに感染した状態になり、副反応として軽い下痢、発熱の症状が起こることがあります。

 

ロタウイルスの潜伏期間はどれくらい?感染から完治までの日数は?

 

副反応で一番怖いのは、腸が重なっておこる、「腸重積症」です。これは、ワクチンを接種するさい、医師から必ず詳しい説明がありますので、初期症状に注意を払うことが必要です。ワクチン接種後に、不機嫌が続く、嘔吐などの症状があった場合は、すぐに病院に連絡しましょう。これは今から解説します。

 

ロタウイルスのワクチン接種で起こる腸重積症ってどんな病気?

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ロタウイルスのワクチン接種で怖いのが、副反応で起こる腸重積症です。

 

はじめ、FDAはロタシールドⓇというロタウイルスワクチンを作りましたが、1万人に1人で発生してしまった腸重積症のため発売中止になりました。

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それを受けて、新しいワクチン2種類(ロタリックス、ロタテック)が開発されました。腸重積の起こしやすさは、6万人規模の研究が行われてまして、両方のワクチンは起こる確率は何も飲んでいないのと一緒と報告されています。 ただし、起こりにくいようにワクチンを開始する条件があり、両方とも、初回のワクチン接種を【生後14週6日】までと決めており、これは、少しでも腸重積症を起こす確率を下げるためです。自然の腸重積発生(普通に過ごしていてもある一定の確率で腸重積になります)が少ない生後3か月 半までに1回目の接種が勧められています。

 

腸重積症とは?→腸重積とは、腸が腸の中に入り込むことで、起こります。主に、小腸と大腸の接合部(回盲部)が大腸に入り込むことが多いです。そして、それは大腸に巻き込まれながら、腸重部が深く入り込んでいき、重なった部分が血行不良を起こし、壊死していく病気です。

 

左手でげんこつを作って、右手をパーにして左手に重ねてみてください。帽子をかぶったように左手が右手の中に包まれますね。それと同じような形で、本当は一直線の腸の一部が腫れて、2重に重なってしまう病気です。

 

原因腸重積を引き起こす原因は判明していませんが、主に生後4か月から2歳までの乳幼児に多く発症します。ウイルス感染後や風邪のあとに起こると言われています。

 

男女比率は、2:1で男児に多く発症します。また、傾向として、比較的体格の良い男児に多く発症します。ウイルスや風邪に感染したさい、腸内のリンパ組織を刺激して大きく膨らみ、その部分から入り込んでいくと考えられています。

 

症状乳児の場合は、グズグズと機嫌が悪くなり、激しく泣いたり、嘔吐することもあります。症状の特徴は、上記の症状がいったん治まり、15分くらいすると、再び同じ症状を繰り返す点です。そして、だんだんグッタリしてきます。このような症状がある時は、大至急病院へ行かなくてはなりません。この症状を間欠的啼泣と呼びます。

 

放置すると、重なった腸の内部に未消化物などが溜まったり、締め付けられることで血流が届かなくなり、腸が腐ったり壊死を起こしていきます。症状のひとつに血便もあります。

 

ただ、初期では便の周りに粘液状の血が付く程度なので、血便がないから腸重積ではないと判断してはいけません。進行するにつれて、血便はドロッとした塊になって出てきます。

 

おなかの超音波(エコー検査)をすると、2重に重なった腸を見ることができますが、熟練度によります。

 

治療この腸重積は、発症から24時間以内の治療で、ほとんどが手術をせずに回復できます。また、72時間以内でしたら、まだ回復が見込まれます。バリウムを高い位置から流し、肛門に入れたチューブを通して注入し、圧をかけて腸を元に戻します。バリウムの移動を見ながら処置するので、小腸にバリウムが通ったことが、見て確認できます。これは確定診断のためにも使用され検査で、確定診断とその後の治療を一括でできる方法です。。

 

病院によっては、空気や生食(生理食塩水)を注入して回復をはかります。圧をかけて回復しないときは、手術になります。腸を直接押し出すことで、元に戻します。すでに腸が痛んだり、壊死を起こしているような時は、その部分を切除します。

 

経過腸が元に戻っても、10%の乳幼児に再発が見られます。最初の症状を良く覚えておき、同じような症状が見られた時は、すぐに病院に連れて行きましょう。再発は、2度3度と繰り返すことがありますが、2歳を過ぎるとだんだん再発しなくなってきます。

 

ロタウイルスに大人が感染した時の症状は?赤ちゃんが感染した時の注意点!

 

腸重積は、初期の治療で元に戻すことが可能ですので、早めに気づくことが大切です。開腹手術になると、辛い思いをさせてしまいますので、様子がおかしいと思ったら、早めに病院へ行きましょう。

 

現在のワクチンは、明らかに腸重積が増えるというものではありません。ただ、現在もどれくらいの確率で起こるかの安全性を最終調査している段階なので、今なお注意しておく必要があります。

 

ワクチンを接種するための費用や時期は?

ロタウイルスのワクチン接種は、腸重積を起こすリスクを少しでも下げるために、早い時期に服用することが推奨されています。そのため、時期は細かく決められていて、ほとんどの病院で、遅れたら接種できなくなっています。ワクチンごとに見てみましょう。

 

ロタリックス<2回接種>1回12000円〜13000円×2回

1回目=生後6週以降、20週までに

2回目=生後10週以降、24週までに

 

ロタテック<3回接種>1回8000円〜10000円×3回

1回目=生後6週以降、24週までに

2回目=生後10週以降、28週までに

3回目=生後14週以降、32週までに

 

驚くほど高いです。お住いの市町村で、補助金制度が適用されているか、確認してみてください。おおくの自治体でおよそ6000円〜10000円の補助があると思われます。また、大人のワクチン接種はありません。それは、ほとんどの人が免疫を持っていて、症状の重症化が見られないためです。

 

まとめ

ロタウイルスは乳幼児に発症、さらに重症化するおそれのある胃腸炎です。以前は「白色便性下痢症」と呼ばれていて、下痢のさい、白い便が出るのが特徴です。

 

ロタウイルスに感染して起こる下痢症状は、たいへん激しいため、乳幼児は安易に脱水症状を起こします。また、痙攣、意識障害、脳炎を起こす可能性があり、予防のためにワクチンの接種があります。

 

しかし、そのワクチンで腸重積などの副作用の報告が懸念される状況であることと、費用の点があることから、この判断は難しいものです。ただし、国際的にはワクチン接種が推奨され、それにより重症のロタウイルス感染患者さんは世界的には減ってきています。

 

かかりつけの医師と良く相談し、決める必要性があります。ワクチン接種をしても、100%感染しなくなるわけではなく、感染する場合もありますが、ほとんどの場合軽度で済みます。